おいしいトマトを作るためには、正しいトマトの剪定方法を押さえておく必要があります。トマトの枝葉は生長が早いためぐんぐんと伸びていき、その伸び切った枝や葉がトマトの実の生長を邪魔するからです。
この記事では、家庭菜園でトマトの剪定をするときに知っておきたい知識について解説。正しく剪定をして、おいしいトマトを収穫してみましょう。
トマトの剪定はなぜ必要?作業前に知りたい基礎知識
トマトの剪定作業に入るまえに、トマトを剪定する目的についてよく知っておくとよいでしょう。剪定が必要な理由を把握しておくことで、剪定作業時に「どこを剪定すべきか」といったポイントを押さえやすくなります。
トマトの剪定目的は収穫量を増やすため
トマトを剪定する目的は、おいしいトマトを多く収穫するためです。生長シーズンとなったトマトの株は栄養素を多く吸収し、大きくなっていきます。しかし、トマトの株が大きくなることで枝や葉の維持に必要な養分が多くなり、実が十分に生長するための養分が少なくなってしまうのです。
そうならないために、トマトの株が大きくなりすぎないよう剪定しておくことで、トマトの実の部分に栄養が回りやすくなるため、おいしい実を多く収穫することにつながります。
トマトの剪定は害虫や病気対策としても重要
トマトの剪定は実を収穫するためだけでなく、風通しをよくしてトマトにとって脅威となる害虫や病気などの被害を予防するためでもあります。基本的に害虫や病気は、風通しや栽培場所が悪いことによる「高温多湿の環境」が原因となることが多いです。
伸びすぎた葉や枝が多くなっていると、トマトの株の風通しが悪く、湿気が溜まりやすいので病気や害虫被害に遭いやすくなってしまいます。そのため、トラブルを予防するためにトマトの剪定をしてあげる必要があるのです。
トマトを剪定するための正しい方法
トマトを剪定するときに必要な道具は「剪定用のハサミ」です。剪定用のハサミを使用することできれいな切り口で剪定することができ、なるべくトマトの株を傷つけずに済みます。それでは、トマトの剪定でおこなうこととなる「摘心」「わき芽かき」「摘果」「適用」の4つの方法について詳しく見ていきましょう。
なお、この章で解説するのは一般的な大玉トマトに多い「非芯止まり性のトマト」の剪定です。とくにミニトマトに多い「芯止まり性のトマト」の剪定方法は少し異なるため、詳しく知りたい方は「大玉トマトと少し違う!芯止まり性ミニトマトの剪定 」をご確認ください。
摘心の手順とタイミング
植物の茎の先端にある芽のことを頂芽(ちょうが)といい、これを切り落とすトマトの剪定方法が摘心(てきしん)です。基本的にトマトは上へ茎をのばすために支柱を立てる方法で栽培するため、頂芽の見分けがつきやすいでしょう。
トマトの摘心をするときは、立てておいた支柱よりも上に伸びている茎を、その支柱の高さまで剪定用のハサミで切るようにしてください。摘心のタイミングはトマトの生長次第のため、トマトの状態をこまめに確認し、頂芽が伸びていたら摘心をおこないましょう。
わき芽かきの手順とタイミング
わき芽かきは、茎と茎の間に生えてくる新しい芽を摘み取るトマトの剪定方法のことをいいます。わき芽はトマトが生長してきたころから収穫が終わるタイミングまでの間、高頻度でおこなう必要がある作業です。少し大変かもしれませんが、わき芽かきを欠かさずおこなうことでおいしいトマトを作りやすくなるため、頑張って続けてみましょう。
生え始めの小さなわき芽であれば剪定用のハサミではなく素手で摘み取ることができます。また、雨水に混じった雑菌がわき芽の摘み取り跡に入る可能性もあるため、できれば晴れた日におこなうのがベストです。
摘葉の手順とタイミング
摘葉はその名前のとおり葉を摘み取ることをいい、生長により生えすぎた葉や病気や害虫の被害に遭った葉を対象としておこなう必要のあるトマトの剪定方法です。摘葉は葉が多くなってきたときや害虫や病気の被害を受けている葉を見つけたときにおこないます。とくに病気の葉はほかの部位まで被害が広がる可能性もあるため、なるべく早い段階で適用をしておきたいところです。
また、梅雨により高温多湿となりやすい「6~7月ごろ」はとくに注意が必要。多くの害虫や病気による被害は、湿度の上昇によりリスクが高まるためトマトの株を頻繁にチェックしておくと安心できるでしょう。
ここまでご紹介をした3種のトマト剪定方法を実行し、ある程度の大きさまでトマトの実が成ってきたら、そのタイミングで摘果もおこなっていきましょう。摘果とは、複数成ったトマトを間引きすることをいいます。あまり育っていないトマトを摘果することによって、ほかのトマトに栄養が渡ることとなりおいしいトマトを作ることができるのです。
摘果をしておきたいトマトの特徴は、病気や害虫の被害に遭っているもの、あまり生長していないものです。収穫までに生長度合いを気にしつつトマトの数を減らし、最終的には一房に3~4個のトマトを残す形で摘果をしていきます。
※1 対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。※2 手数料がかかる場合がございます。一部加盟店・エリアによりカードが使えない場合がございます。
大玉トマトと少し違う!芯止まり性ミニトマトの剪定
ミニトマトの多くは「芯止まり」とよばれる、上ではなく芽が横に伸びていく品種であるため、一般的な大玉トマトとは少し違った剪定をします。ここで、芯止まりが多い「ミニトマトの剪定方法」についてご紹介していきます。
ミニトマトの剪定手順
芯止まり性品種のミニトマトは下から2段目の花房(第2花房)までには多くの花を咲かすことが多いのですが、それより上にある枝や葉にはあまり花房がつくことはありません。そのため、第2花房よりも上にある葉を一枚残し、残りのものは摘心しておきます。
そうすることで、下の花房に栄養が行きやすくなるため、新芽や花房の生長をサポートすることができるのです。なお、すべてのミニトマトが芯止まりとは限りません。ミニトマトの剪定をおこなうときは、芯止まり・非芯止まりどちらの品種であるかよく確認しておきましょう。
今回ご紹介したとおり、トマトの剪定はおいしい実を収穫するためにとても重要な作業です。剪定をおこなう頻度や種類が多いですが、家庭菜園を成功させるためにも、根気よくおこなっていきましょう。
また、トマトの剪定が面倒だと感じる、やり方が分からないといった場合は植物剪定のプロに相談するのもひとつの手段。弊社を利用することで、トマトの剪定が得意なプロに依頼をすることが可能です。