煙がたっているように見える姿からスモークツリーと呼ばれる樹木は、人気のあるシンボルツリーのひとつです。
育てやすくかわいらしいスモークツリーですが、メリットばかりではありません。
シンボルツリーにしようと考えている方は、魅力的な部分だけでなくデメリットも事前に確認しておきましょう。
- スモークツリーをシンボルツリーにするメリット
- スモークツリーではできないこと
- スモークツリーを育てる際のポイント
スモークツリーがシンボルツリーにおすすめな理由
庭を彩る植物のメインとなるシンボルツリーには、存在感のある樹木がよく選ばれます。
そのため、かわいらしく華やかでボリュームのあるスモークツリーはシンボルツリーにぴったりです。
基本情報 | |
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分類 | 雌雄異株の落葉樹 |
原産地 | 南ヨーロッパ、ヒマラヤ、中国 |
樹高 | 3~4メートル |
開花時期 | 5~8月 |
スモークツリーのふわふわした部分を花だと思っている方がいるかもしれませんが、じつは花ではなく細かい毛が密生する花柄(かへい)と呼ばれるものです。
房状に咲く花のあとに見られ、実のつかない不稔花に細かい毛が生えます。
ただし、綿菓子のような花柄が見られるのは雌株のスモークツリーだけです。
雄株を購入しても花が咲くだけで綿菓子のような花柄は見られないため、購入の際は間違えないよう注意してください。
また、スモークツリーがシンボルツリーに向いている理由はかわいらしい見た目だけではありません。
シンボルツリーに選ばれる3つの理由もチェックしておきましょう。
1.初心者向けの育てやすい樹木
スモークツリーがシンボルツリーに向いている理由のひとつは育てやすさです。
育てやすさのポイントは大きくわけて2つあります。
・さまざまな環境に適応する
日本は地域によって気温に大きな差があります。
しかし、スモークツリーは暑さにも寒さにも耐性があるため、日本全国ほぼすべての地域で栽培可能です。
また、病害虫に強いため、特別な病害虫対策も必要ありません。
水はけのいい土壌と日当たりがよく強風を避けることができる場所だけ確保しておきましょう。
・日常的なお手入れが楽
樹木の生長具合を左右するのは水と肥料ですが、スモークツリーは両方ともあまり与える必要がありません。
植えつけ後は土が乾いたら水やりをおこないますが、ある程度生長すれば雨だけで育ちます。
真夏の強い日差しで過剰に土が乾燥しているときだけ水やりをしましょう。
肥料は植えつけの際に堆肥や腐葉土を混ぜておけば基本的に不要です。
生育の悪さが気になる場合のみ12~3月に緩効性の肥料を与えて、新芽の育つ春に備えましょう。
2.品種によって色味が異なる
スモークツリーには、花柄や葉の色が異なるさまざまな種類があり、選ぶ品種によって庭の雰囲気が変わります。
代表的な品種を5種類ご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
また、どうしてもお気に入りの品種が見つからない場合は、他の樹木の色や雰囲気もチェックしてみましょう。
ロイヤルパープル
美しい赤紫色の葉が特徴的な品種です。
インパクトのある色味で庭を彩りますが、地域によってはまったく綿菓子のような花柄にならないこともあります。
グリーンボール
名前はグリーンボールですが、緑とピンクが混ざった色の花柄になる品種です。
色味は日の当たり具合で変わり、日向の部分はピンク色、日陰の部分は緑色になります。
フレーム
生長が早く、花をたくさん咲かせる品種です。
花柄の色はピンクがかった赤色で、葉は秋になると鮮やかな赤やオレンジに色付きます。
グレース
花柄も葉も赤紫色で、シックなイメージの品種です。
ロイヤルパープルに似た色味ですが、葉の色が少し淡く、花柄は綿菓子のようになります。
ゴールデンスピリット
黄金色の葉が魅力的な品種です。
夏には緑がかった色の葉になり、秋にはオレンジから赤色へと紅葉します。
ピンクがかった花柄がつきますが、基本的には葉の観賞を楽しみたい方におすすめです。
3.インテリアにも使える
スモークツリーは、庭に植えるだけでなく家の中でも楽しめます。
ドライフラワーにもできますし、花柄を少し切って花瓶などに入れて飾ってもきれいです。
スモークツリーの花柄だけでなく、他の植物と合わせることもできます。
お好きな花と合わせてインテリアにも活用してみてはいかがでしょうか。
※1 対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。※2 手数料がかかる場合がございます。一部加盟店・エリアによりカードが使えない場合がございます。
スモークツリーは目隠しに不向き
スモークツリーは、単純に美しい葉や花柄を観賞するのが目的であれば、シンボルツリーにおすすめの樹木です。
しかし、家の敷地内の様子を見せないための目隠しの役割を求める場合は適していません。
スモークツリーを含む落葉樹は、冬になると葉を落とすため、枝の間から敷地内の様子が見えてしまいます。
また、写真からもわかるように、スモークツリーは特に枝が細くて繊細です。
強風などで枝が折れやすいため、密に枝葉を茂らせて目隠しをする役割が必要な場合は、常緑樹など他の植物で補いましょう。
美しいスモークツリーには剪定が必要
スモークツリーの樹高は比較的低いですが、生長が速いため剪定を怠るとあっという間に横に枝葉を広げてしまいます。
庭に納まる大きさであれば問題ありませんが、隣家にまで枝葉が伸びるのはトラブルの原因になります。
また、枝が増えれば風通しも悪くなります。
いくら強いといっても病害虫被害にまったく遭わないわけではありません。
適切な時期に適切な方法で剪定をして美しく健康な状態を保ちましょう。
・剪定時期
12~3月の落葉期が剪定に適した時期です。
生長が早く枝葉もよく茂るため、サイズが大きくなってきたら毎年欠かさずおこないましょう。
・剪定方法
基本的には、短い枝を残して伸びすぎた枝を切ります。
また、絡み合った枝や枝が多く混み合っている部分も切りましょう。
花芽を落とすと翌年の花付きが悪くなるため注意が必要です。
皮膚の弱い方は樹液に注意
スモークツリーはウルシ科の樹木です。
毒性の強い他の植物ほどの影響はありませんが、皮膚の弱い方はまれに樹液が触れて肌がかぶれてしまうことがあります。
心配な方は樹液に直接肌が触れないよう手袋をするか、プロに任せて樹木に触らないなどの対策をとりましょう。
スモークツリー剪定の相談は【お庭110番】へ
スモークツリーは毎年剪定をして樹形や生長具合を管理する必要があります。
しかし、人によっては肌がかぶれるおそれがある危険な作業です。
肌の強い方でも、切りすぎて花付きが悪くなるなどのトラブルは考えられます。
剪定を自分でおこなうことにわずかでも不安がある方は、お庭110番にご相談ください。
剪定への対応はもちろん、スモークツリーだけでなく、まわりの庭木に関しても気になることがあれば対応いたします。