西洋ニンジンボクを剪定する場合は、枯れたり病気になったりしている枝を取り除き、適度な大きさを保つ程度にしておきましょう。なぜなら西洋ニンジンボクの枝は少なく、樹形が乱れるということはそれほどないからです。
このコラムでご紹介する剪定方法を参考にしていただき、西洋ニンジンボクを育ててみてください。また西洋ニンジンボクをうまく栽培するコツなども解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。健康的に育てて、素敵な花を咲かせましょう。
西洋ニンジンボクの剪定時期と方法
枝数は少ないものの、成長の早い西洋ニンジンボクは剪定をせず放っておくと大きくなりすぎることがあります。また、剪定には見栄えだけでなく、不健康な枝を取り除き、日当たりや風通しをよくして木の健康を保つ目的もあるのです。剪定で大きさと健康を適切に管理していきましょう。
この章では、剪定する時期や方法について解説していきます。
剪定に適した時期
剪定は枝を切る作業なので、木にとっては負担になります。そのため、木が体力に余裕のあるタイミングを選んでおこなわないと、弱って枯れてしまうこともあるのです。
西洋ニンジンボクは、2月下旬~3月ごろが剪定に適している時期となります。西洋ニンジンボクは冬になると葉を落とします。これは枯れているわけではなく、冬を乗り切るために栄養を枝先に送るのをやめて、体力を温存しているのです。栄養分は幹の中心部分に集中している状態ですので、枝を切っても負担が少ないのです。
枯れるなどして弱った枝はもちろん、成長して伸びすぎてしまった枝などもこの時期に取り除いてしまいましょう。
必要な道具と剪定方法
剪定を始める前に以下の道具を準備しましょう。
◆準備するもの
- 剪定バサミ
- 手袋
- 掃除道具
- ゴミ袋
これらは、ホームセンターやネット通販などで購入することが可能です。道具がそろったら、以下の手順で始めていきます。
◆手順
- 病害虫が発生している枝などは木全体を枯らせる原因になるので、剪定バサミで枝のつけ根から切り取る
- ほかの枝に絡みついている枝、内側に向かって伸びる枝などは、日当たりや風通しを悪くして成長を妨げるので、つけ根から切る
- 1本だけ極端に生長の早い枝は、栄養分を独占して木全体の成長を阻害するので、つけ根から切る
- 株元から新しく生えた若い枝も栄養分を独占するので、幹の数を増やしたくないのであればつけ根から切る
- 伸びすぎている枝がある場合は、全体のバランスに合わせて適度な長さで切る
- 最後に切った枝をほうきで集めゴミ袋に入れて処分する
剪定した枝で増やすことができる
西洋ニンジンボクを増やしたいときは、挿し木で増やすことができます。そのため、挿し木に使う枝(挿し穂)を剪定時に元気な枝の先端から2節~3節目で摘んでおきましょう。そのあと、切り口を斜めに切ります。
次に水を容器に準備して、1時間ほど挿し穂をつけておきます。その間に挿し木用の鉢に土を入れておきましょう。1時間ほどたったら準備した土入りの鉢に挿し穂を挿し、水を与えます。管理する場所は半日陰になる場所がよいです。
根が張るまで3ヶ月ほどかかりますので、その期間は水を切らさないように注意して管理しましょう。
西洋ニンジンボクをうまく栽培するコツ
西洋ニンジンボクは寒さや暑さに強いため、育てやすい植物とされています。ここでは、そんな西洋ニンジンボクの栽培方法についてご紹介していきます。7月~9月にきれいな花を咲かせますので、うまく育てて開花させてみてください。
育てる環境
西洋ニンジンボクは、日光が当たり空気の流れがよい場所で管理するようにしましょう。もし難しい場合は、午前中だけ日が当たる場所でも育てることが可能です。
水を与える頻度
地植えと鉢植えで水の与え方が異なります。以下にそれぞれの水を与える頻度を簡単にまとめましたので、参考にしていただき水やりをおこなってみてください。
地植えの場合
庭に西洋ニンジンボクを植えたら、根付くまでは水を与えます。根付いたら雨水だけで育つので、水を与える必要はありません。ただし、夏場のように日差しが強いと土が乾きやすいので、土の状態を確認して水を与えるようにしましょう。
鉢植えの場合
鉢植えでは水切れや多湿による根腐れを防ぐため雨に任せるのではなく、水やりの管理が必要です。頻繁に少しずつ与えるのではなく、土が乾いたタイミングで鉢底から溢れるくらいたくさん与えるのがポイントです。夏場は乾燥しやすいので、1日に2回水を与えてください。
肥料
成長期に芽の生育をよくするために、2月~3月に寒肥として緩効性肥料を与えましょう。開花時期である夏には、花が小さかったり、葉色が黄色くなってきたりしたら液体肥料を水で薄めて与え、体力を回復させるようにしましょう。
植え替え
西洋ニンジンボクの植え替えは、3月~4月の新芽を出す前の時期におこないます。以下に植え替え方法をご紹介しますので、参考にしてみてください。
◆準備するもの
- 鉢(今のものよりひと回り大きなもの)
- 鉢の底に敷くネット
- 軽石
- 土
- 手袋
- ハサミ
◆手順
- 用意した鉢の底にネットを敷く
- ネットの上に軽石を鉢の底から3cmほど入れる
- 土も軽石と同じくらい入れる
- 古い鉢から西洋ニンジンボクを抜き、古い土を根がほぐれるくらい落とす
- 黒っぽくなっている根はハサミで切る
- 新しい鉢に西洋ニンジンボクを置く
- 土を鉢のふち3cm~4cm下のところまで隙間なく入れる
- 鉢の底から出るまでたっぷり水を与える
※1 対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。※2 手数料がかかる場合がございます。一部加盟店・エリアによりカードが使えない場合がございます。
病害虫に注意しよう
西洋ニンジンボクは病害虫に強い植物ですが、まったく病害虫が発生しないというわけではありません。この章では、西洋ニンジンボクに発生する可能性がある病害虫をご紹介します。
うどんこ病
うどんこ病は、枝葉の密集によって空気の流れが悪かったり、太陽の光が当たらなかったりなどが原因で起こる病気です。この病気になると、葉に白くうどん粉のようなカビが発生し、植物の生長を妨げてしまいます。
また胞子が風に飛ばされることにより、今度はほかの植物にくっついて増殖するため、発見したら被害が広がらないよう早めに対処する必要があります。うどんこ病の対処方法は以下のとおりです。
酢や重曹を散布する
早い段階でうどんこ病を発見した場合は、家庭にある酢や重曹でスプレーを作り散布することで治すことができます。
【酢でスプレーを作る場合】
スプレー容器に酢1mlを入れて水350mlで薄める
【重曹でスプレーを作る場合】
スプレー容器に重曹1gを入れて水500mlで薄める
スプレーができたら、発生箇所に散布するだけです。散布する頻度は1週間おきにおこなうとよいでしょう。
農薬や殺菌剤を散布
うどんこ病の被害が進行している場合は、農薬や殺菌剤を使って対処します。ただし、散布のタイミングや、散布する回数などは決められているため、それらを間違えると効果が発揮できなかったり、植物を枯らしてしまったりするおそれがあります。
薬剤を使う際には、あらかじめパッケージに記載されている使用方法をよく読んでからにしましょう。
うどんこ病になった箇所を取り除く
うどんこ病が発生してから時間がたってしまうと、無農薬や薬剤(農薬・殺菌剤)を散布しても改善されなくなる場合があります。そのようなときは、うどんこ病にかかっている葉を取り除き、被害が広がってしまうのを防ぎましょう。
アブラムシ
アブラムシは2~4mmほどの大きさの虫です。枝葉が密集して空気の流れが悪くなり、多湿の環境になると発生しやすくなります。また、窒素成分を好むため、窒素を多く含んだ化学肥料を多く与えていると発生してしまうことがあります。
アブラムシは植物の栄養分を吸ってしまいますが、1匹だと植物を枯らすまでにはいたりません。しかし、大量発生してしまうと植物の栄養が多く奪われてしまうため、枯れてしまうでしょう。
アブラムシが発生した際は、大量発生してしまう前に、早めに対処する必要があります。以下に対処法をまとめましたので、参考にしてください。
テープで取り除く
アブラムシが発生している箇所にテープを貼って取り除くだけです。ただし、粘着力が強いと剥がしにくく植物を傷つけるおそれがありますので、粘着力の弱いものを使用しましょう。
自作のスプレーや殺虫剤で駆除する
殺虫剤をアブラムシが発生している場所に散布して駆除します。使用する際は、パッケージに記載されている使用方法を確認してからにしましょう。
もし薬剤を使いたくない場合は、牛乳を散布する方法もあります。牛乳は薄めずに使うことが可能なので、ぜひ試してみてください。
アブラムシの発生を予防するには、うどんこ病のときと同じく日が当たり空気の流れがよい場所で育てることが大切です。また、アブラムシが付着していないかをこまめにチェックしておくと、大量発生する前に対処できるでしょう。
カイガラムシ
カイガラムシは植物の葉や枝などに寄生している、大きさ1mm~10mmほどの害虫です。種類はさまざまで、白く丸いものやフワフワしたもの、トゲのようなものがあるものがいます。暗くて湿った環境を好むため、枝が混み合っていると発生することがあります。
カイガラムシが発生すると、すす病という植物に黒いカビに覆われる、灰色や茶色っぽいカビが生えてしまうなどの被害が起こり、植物を枯らすことがあるのです。そうなってしまう前に、発見したら早めに対処しましょう。対処方法は以下のとおりです。
卵は拭き取り、幼虫は殺虫剤で駆除する
卵の段階で発見した場合は、ティッシュで拭き取ってしまいましょう。幼虫の段階のときは、殺虫剤で一気に駆除してしまいましょう。
成虫はヘラや歯ブラシで取り除く
成虫になると、硬い殻などで覆われているため殺虫剤を散布しても効果がありません。ですので、手作業で取り除く必要があります。そのときに使う道具が、使わなくなった歯ブラシやヘラです。これらを使用し植物からこすり落としましょう。
カイガラムシを取り除いたら、再度発生させないように薬剤を撒き予防しておくことをおすすめします。また枝葉が密集しないように剪定して空気の流れをよくしておきましょう。
もし剪定する時間がない場合や、剪定に自信がない場合は一度弊社までご連絡ください。弊社では、全国にある弊社加盟店からお客様のご要望に沿った業者をご紹介するサービスをおこなっております。
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