ロウバイ(蝋梅)の剪定は、時期と落とす枝に注意しておこなうことが大切です。
ロウバイは新年を迎えるころに黄色い花を咲かせる木です。
「蝋梅」という字のとおり、花は蜜蝋(ミツロウ)のようにつややかで、梅にも似た甘い香りがします。
名前に「梅」とつきますが、ロウバイの種子には毒があり、梅の実のように食べることはできません。
花の美しさと香りを楽しむ木として冬の庭を彩っているのです。
そんなロウバイの花をきれいに咲かせるためにも、剪定は大切な作業です。
花芽がつく前の時期に不要な枝を切り落とすことで、ロウバイの成長をうながして花つきをよくすることができます。
正しい時期に適切な剪定をおこなって、ロウバイをきれいに育てましょう。
ロウバイに剪定が必要な4つの理由
ロウバイに剪定が必要な理由はおもに以下の4つです。
- その年に伸びた枝に花芽をつけるから
- 「徒長枝」には花芽がつきにくいから
- 「ひこばえ」がたくさん出てくるから
- 内側に伸びた枝が日光をさえぎってしまうから
ロウバイには、その年に伸びた枝に花芽をつけるという特徴があります。
つまり、前年に伸びた枝には花芽はつきません。
古い枝をそのままにしておくと、花のつかない余計な枝が増える一方になってしまうのです。
また、ロウバイには短い枝に花芽をつけるという特徴もあります。
「徒長枝(とちょうし)」という、幹や太い枝から上に向かって真っすぐ長く伸びた枝には花芽がつきにくいのです。
徒長枝に養分を取られてしまうと他の枝の花つきにも影響するため、短く剪定してあげる必要があります。
「ひこばえ」を放っておくことでも花づきが悪くなってしまうことがあります。
ひこばえとは、根元から生えてくる若い芽のことです。
ひこばえは何本も生えて成長も早いため、樹形を乱してしまううえ、花に必要な栄養まで吸い取ってしまいます。
内側に向かって伸びた枝も、日光をさえぎってしまうため剪定をおこないましょう。
ロウバイの剪定時期
ロウバイの剪定は「いつおこなうか」と「どの枝を切るか」というのがとても重要です。
ロウバイの剪定に適した時期と手順をご説明します。
ロウバイの剪定に最適なのは2月下旬~3月上旬
ロウバイの剪定に最適な時期は2月下旬~3月上旬です。
ロウバイは6月~7月ごろには、翌年咲く花の花芽をつけます。
それまでに余分な枝を切り落として、栄養や日の光を行き渡らせることで花つきをよくできるのです。
また、若い芽である「ひこばえ」は、3月~5月ごろに成長が盛んになります。
ひこばえが栄養を吸い取って太く成長してしまう前に、剪定をおこないましょう。
5月中旬~6月上旬にも剪定して日当たりをよくする
ロウバイの枝の成長は、5月~6月ごろになると緩やかになります。
それまでに勢いよく伸びた枝が密集しているようなら、間引いて日当たりをよくしてあげてください。
この時期に樹形を整えておけば、きれいな状態を長く保てるでしょう。
11月ごろの剪定は見栄えを整える程度に
ロウバイは12月~2月に花を咲かせます。
花がきれいに見えるように、11月ごろにも余計な枝を切って樹形を整える剪定をおこなう場合があります。
ただし、せっかくついた花芽を落としてしまっては本末転倒です。
11月ごろに剪定をおこなう際には、花芽を傷つけないように十分注意してください。
ロウバイの剪定方法
剪定に必要な道具
- 剪定ばさみ
- 軍手
- 脚立
剪定ばさみは、グリップにバネがついていて簡単に枝を切ることができます。
ご自分の手のひらと同じくらいの大きさのものを選べば扱いやすいでしょう。
ロウバイの高さは2mから4mほどになります。
脚立やはしごを使う際には転落しないように気をつけてください。
剪定道具の詳細はこちらの記事もご覧ください。
ロウバイの剪定手順
まずは、樹形のバランスも見ながらどの枝を落とすかを確認しましょう。
剪定によってできた切り口は傷口と同じです。
たくさん傷つければロウバイも体力を奪われますし、切り口から菌が侵入して病気になることもあります。
間違った剪定でロウバイを枯らさないために、切ってよい枝か判断するのが大切です。
切る枝が決まったら、栄養を多く吸い取ってしまう「ひこばえ」と「徒長枝」を順に剪定していきます。
ひこばえは2~3本残すくらいで、あとは根元から切り落としましょう。
徒長枝はつけ根から20cm程度を残して短く切り詰めます。
枝がたくさん込み合っている場所は、風通しも悪く日当たりもよくないので間引いてください。
以上が基本的なロウバイ剪定の方法です。
もしも「どの枝を切るべきか見分けられない」「忙しくてなかなか手入れができない」という方は、剪定のプロに任せてみてはいかがでしょうか。
プロに依頼すれば、適切な剪定を手間なくおこなえますよ。
※1 対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。※2 手数料がかかる場合がございます。一部加盟店・エリアによりカードが使えない場合がございます。
ロウバイの栽培方法と手入れの仕方
挿し木より種まきがおすすめ
ロウバイは「挿し木」といって切り取った枝を土に挿す方法でも増やすことができます。
ただし、なかなか根を出さないという難しさがあります。
そのため、じっくり時間をかけられるのであれば、種から育てるほうが比較的簡単でおすすめです。
種まきに最適なのは9月ごろです。
夏~秋に実ったロウバイの種を、小粒の赤玉土や種まき用の培養土にまきます。
種から育てる手順は以下のとおりです。
- 育苗ポットや育苗トレイに土を入れる
- 土に指で種の3倍ほどの深さの穴をあける
- 穴に種を入れて土をかぶせる
- 土が乾かないように水やりをおこなう(秋~春)
- 発芽して本葉が3枚~5枚生えたら苗木を鉢に植え替える(春)
鉢に植え替えるときの土は、小粒の赤玉土と腐葉土を8:2ほどの割合で混ぜたものがよいでしょう。
ロウバイは発芽から2年~3年で30cm~60cmに成長し、およそ5年で花をつけます。
水と肥料の与え方
種まき後の土や実生(発芽したばかりの植物)には、秋~春のあいだにも乾かないように水を与えます。
しかし、庭木として地植えをしているロウバイであれば、水やりは基本的には必要ありません。
真夏に土が干上がってしまうようなときにのみ、適宜水を与えてください。
鉢植えのロウバイは、土の表面が乾いたら水やりをしましょう。
つねに土が湿っていると根腐れをおこしてしまうので、乾いたら与えるというのがポイントです。
肥料は4月~5月ごろと、12月ごろの年2回与えると花つきよく育つでしょう。
市販の緩効性肥料(効果がゆるやかに長く続く肥料)か、油かすなどの有機肥料を与えてください。
病気かな?と思ったら確かめること
ロウバイは病気の心配はほとんどありません。
ただし、次のような症状があらわれたときには、手入れの仕方や環境に問題がないか確かめてください。
- 葉が茶色くなる
- 葉に黒い斑点が出る
- 花が咲かない
ロウバイは病害虫に強い木です。
葉に発生する異常のほとんどは病気や害虫によるものではなく、水はけの悪さや土が硬く締まっていることが原因と考えられます。
水やりの頻度や土壌の水はけを見直してみてください。
また、日当たりが悪い場合にも葉が変色することや、花つきが悪くなってしまうことがあります。
ただし、日当たりがよすぎる環境では、強い日差しによって葉焼けを起こしてしまう場合もあります。
適度な日当たりにすることが大切なのです。
水はけや日当たりといった環境は整っているのに花が咲かないときには、鳥害も疑ったほうがよいでしょう。
「ヒヨドリ」などの鳥に花芽を食べられてしまっているかもしれません。
つぼみがつく時期には、防鳥ネットを張るなどして花芽を守りましょう。
ロウバイ剪定の業者依頼のコツ
ロウバイの剪定を業者に依頼する場合、どのような業者に頼めばよいのでしょうか。優良な業者を選ぶポイントと、業者に任せるメリットについてもご紹介します。
剪定は枝を切るだけじゃない!プロに任せたほうがよい理由
ロウバイの剪定は、むやみやたらに枝を切ればよいというものではありません。
枝ぶりや花のつき具合を見ながら、剪定する枝をきちんと選ぶ必要があるのです。
伸びすぎた枝や密集した枝、花芽のつかない枝など、不要な枝を見極めて剪定をおこなうことで、花つきのよい健康なロウバイに育てることができるでしょう。
しかし、どの枝を切るべきかの判断は、剪定の知識や経験がなければ難しいものです。
プロであれば、美しい樹形に整えてもらえるのはもちろん、ロウバイの成長を促す適切な剪定をしてくれます。
また、ロウバイの健康状態や育て方についてなど、アドバイスをもらうこともできます。
ロウバイのことで気になることがあるという方は、プロに相談してみてはいかがでしょうか。
見積りを取って比較しよう
ロウバイの剪定を業者に依頼する際には、見積りをとることをおすすめします。
作業後に追加料金を請求されるということがないように、かかる費用の総額を明確に提示してくれる業者を選びましょう。
複数社に見積りを依頼して比較すれば、費用もサービスもより納得して依頼することができるはずです。
その際に、丁寧な対応をしてもらえるかどうかというのも確認しておくと安心ですね。
お庭110番でも無料お見積り・ご相談を受け付けております※ので、お気軽にお問い合わせください。
※対応エリア・加盟店・現場状況等により記載内容の通りには対応できない場合がございます。