ピーマンの剪定をおこなうときは、不要なわき芽を取り除くということがカギとなってきます。というのも、不要なわき芽は主枝の栄養分を吸い取ってしまうため、ピーマンのできる数や質に大きく影響するからです。
また、おいしいピーマンを作るには正しい剪定方法を知るだけでなく、育て方も重要です。このコラムではピーマンの剪定方法や育て方をご紹介していきますので、ピーマンを育てている方はぜひ参考にしてみてください。
ピーマンの剪定
ピーマンの花は6月ごろに咲きます。ピーマンの剪定は、葉が混み合ってきて花が咲いたらおこないましょう。剪定をせずに放置しておくと風通しが悪くなり、害虫発生の原因になります。ピーマンの剪定は「わき芽取り」「摘花」「摘果」という方法でおこなっていきます。それぞれの方法について詳しくみていきましょう。
わき芽の取り方
根本から伸びる太い茎が主枝、主枝から分かれて伸びる葉や茎の付け根から出てくる芽がわき芽です。花が咲いたら一番最初に咲いた花の下にある勢いのあるわき芽を2本残し、伸ばしていきます。それより下にあるわき芽はすべて剪定はさみで取り除きましょう。
残した2本のわき芽が生長して側枝となって、主枝と合わせて3本仕立ての樹形が完成します。小さく仕立てたいという場合は、残すわき芽を1本だけにして、2本仕立てにしてもよいです。こうしておくと場所を取らずに育てられるのでおすすめです。
摘花・摘果の方法
一番最初に咲いた花を一番花といい、花を取り除くことを摘花といいます。また、一番にできた実を一番果といい、まだ小さいうちに実を取ることを摘果といいます。
ピーマンの花はまだ苗が小さいうちでも咲きます。花を摘み取ってしまうのは少しかわいそうな感じもしますが、苗が小さいうちは花を摘み取ることが大切です。というのも、そのまま花から実になると栄養が実にもっていかれて苗自体が弱ってしまうからです。
たとえば、5月~6月に花や実をつけたとして、新たな芽があまり大きく生長していないような苗では何回か摘花や摘果をしましょう。こうすることにより苗に力を蓄えさせることができます。
目安として、できたばかりの実から新しく出てきた芽の先まで20センチメートルくらいになったらそのまま育ててよいです。
ここまで摘花と摘果についてご紹介しました。しかし、ピーマンを確実に収穫したいけれど、なかなか摘花や摘果の見極めが難しいという方もいらっしゃるかもしれません。
そのようなときは業者へ相談してみましょう。業者に相談することによって解決する可能性があるかもしれません。
※1 対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。※2 手数料がかかる場合がございます。一部加盟店・エリアによりカードが使えない場合がございます。
よりおいしいピーマンを作るための3つのポイント
おいしいピーマンを作るためには、手をかけてあげることを忘れてはいけません。比較的育てやすいピーマンですが、水やりや施肥は的確におこないましょう。そのほか、病害虫にも目を光らせておくことが大切です。詳しくは以下で説明しますので参考にしてください。
水やりは十分におこなう
ピーマンは生長するのに十分な水が必要ですが、多湿も苦手です。頻繁に水やりをして多湿の状態が続くと、根腐れしてしまうおそれがあるからです。そのため、水やりの量とタイミングには注意を払いましょう。頻繁に少しずつ与えるよりも、土の表面が乾いてからたくさんの水を与えるようにしたほうがよいです。
高温が続く真夏は乾燥しやすいので、朝と夜の2回水やりをしましょう。また、ピーマンの葉に水をかけてもあまり水分を吸収しないので、土にだけかけるのがよいです。
追肥を忘れずに
苗を植える土には、有機肥料や化成肥料を混ぜておきます。それ以外に必ず追肥も忘れずにおこないましょう。ピーマンは6月~10月末の間収穫できますが、その間肥料を切らすことがないようにしておくことが大切です。
実がついたらひとつの株に対して化成肥料を10グラムほど用意し、土と混ぜます。固形の場合は2週間~3週間に1度、液体肥料を使う場合は水のかわりに週に1度ほど与えるようにしましょう。
病害虫に注意しよう
ピーマンがかかりやすい病気は、モザイク病、黄化エソ病があります。また、つきやすい害虫としてアブラムシ類やハダニがあげられます。それぞれの症状や予防法、対策などは以下の通りです。
モザイク病
モザイク病は葉や花に黄色の斑点ができる病気です。放置していると全体に広がっていき葉や実が変形していきます。アブラムシがこのモザイク病にかかるウイルスをもってくるので、アブラムシが寄り付かないようにすることが予防となるでしょう。
モザイク病になってしまった植物は、治ることはありません。そのため、株ごと抜きゴミとして処分しましょう。間違ってもそのまま、放置してはいけません。放置していると、そこからまたウイルスが広がってしまうおそれがあるからです。株を処分したら、使用したハサミや手指も消毒しましょう。
黄化エソ病
黄化エソ病は、葉が黄色や茶色になったり、茎に褐色の縦線が入ったりして枯れてしまう病気です。おもにアザミウマという昆虫により黄化エソ病のウイルスを媒介します。
アザミウマとは、2ミリメートル未満の体で黄色から黒っぽい色をした昆虫です。この病気もかかってしまったら、モザイク病と同じように株ごと抜いてゴミとして処分してください。
アブラムシ
アブラムシは1~4ミリメートルくらいの大きさで、色は緑や赤、黒などさまざまです。アブラムシがついているのを発見したら、モザイク病のウイルスをうつされているおそれがありますので、葉ごと取り除きましょう。
あまり多くつくようなら対策として、殺虫剤や木酢液を散布するとよいでしょう。木酢液は木材から炭などを作るときに出る成分を抽出した液体で、アブラムシは木酢液の強いにおいを嫌うといわれています。木酢液を植物の周囲に散布する場合は、植物に影響がないよう水で薄めるようにしましょう。
ハダニ
ハダニは0.5ミリメートルくらいの体で、葉の裏につくことが多いです。葉の裏に白や褐色の斑点ができて葉全体が白くなります。水に弱いので、見つけたらすぐに水をかけたり殺ダニ剤を散布したりしましょう。ハダニは殺虫剤では効果がないので、必ずダニ用の殺ダニ剤を使用してください。
ピーマン栽培は台風に注意しよう|台風が来る前にやっておきたい対策
ピーマンを収穫時期は台風の発生が多い時期でもあります。そのため、台風対策をしておかないとせっかく育てていたものが風で倒されて、枯れてしまうおそれもあるのです。いままで育ててきたものが台無しにならないようにしっかりと対策しておきましょう。
ピーマンの台風対策には、支柱を使って倒れないようにするとよいです。枝の本数に合わせて支柱を立てていきましょう。ご自分の育てているピーマンの大きさにあった支柱を枝の本数分と、麻ひもをホームセンターや100円ショップなどで調達してください。支柱の立て方は次の通りです。
【支柱の立て方】
・枝が3本の場合
- ピーマンを囲って三角形を描くように、3本の支柱を地面に立てます。支柱の尖っているほうを地面に軽く突き刺しましょう。
- それぞれの支柱を、主枝から側枝が枝分かれしている部分で交差させます。その位置で、支柱をさらに深くしっかりと地面に突き刺していきます。
- 主枝と2本の側枝をそれぞれ支柱に添わせて、麻ひもで緩く結びます。結び目が支柱側になるようにしておきましょう。
・枝が2本の場合
- ピーマンの左右の地面に2本の支柱を立て、主枝と側枝が枝分かれしている部分で交差させます。
- 支柱を地面にしっかりと深く突き刺します。
- 主枝と側枝をそれぞれの支柱に添わせて、麻ひもで緩く結びます。結び目が支柱側になるようにしておきましょう。