ナス(茄子)は夏と秋の年2回収穫が可能な野菜ですが、収穫をうまく成功させるためにはナスの剪定をしっかりとおこなうことが大切。
ナスはとてもデリケートな野菜で、実が硬くなったり形が崩れたりするといったトラブルが発生しやすいです。そのため、ナスの剪定をして生育をサポートしておく必要があります。
ここでは、ナスの剪定時期や方法について解説。また、ナスをうまく育てるための栽培管理方法や、ナスに発生しやすいトラブルの対策についてもご紹介しています。この記事を参考にして、ナスの収穫が成功するように栽培してみましょう。
家庭菜園でナスの剪定をする方法!
ナスの剪定は家庭菜園でもおこなうことが可能です。そこで、ナスの剪定で覚えておきたい時期や剪定のコツについて解説していきます。
ナスの剪定時期と道具
ナスの剪定時期は5月と7月中旬~8月上旬ごろにおこないます。これらの時期のうちに、「わき芽かき」「摘心」「更新剪定」という方法で剪定が必要なので覚えておきましょう。なお、ナスの剪定では剪定バサミが必要になります。ナスの枝に負担をかけないように、できるだけ切れ味のよいものを用意するようにしてください。
ナスの剪定の基本とコツ
まずは、ナスの剪定の基本となる「わき芽かき」と「摘心」について見ていきましょう。それぞれの剪定方法について解説します。
わき芽かき
ナスは5月ごろを目安として花が咲きます。このとき、不要な芽を取り除く「わき芽かき」をおこないましょう。最初に咲いた花(一番花)を確認し、そこから下に数えて2番目までの芽を残して、3番目以降の芽をきれいに取り除きます。芽を摘み取る際は、剪定バサミを使って切り口が広がらないように気をつけながら作業をしましょう。
摘心
7月の中旬あたりの収穫時期に、ナスの枝の軸となる頂点の部分(主枝)を切り詰める、摘心という作業をおこないます。主枝を摘心することで、わき芽の生長がうながされるので、収穫量を増やしやすくなるのです。
秋ナスを収穫するなら更新剪定が必要
先ほど解説した方法でしっかりとナスの剪定をおこない、普段の栽培管理も徹底していれば家庭菜園でも夏の収穫を成功することが可能です。ただ、ナスを秋にも収穫したい場合は「更新剪定」もおこなっておきましょう。
更新剪定とは、新しくて元気な芽を出すために枝を切る作業のことをいいます。収穫後のナスは「なり疲れ」という状態になっており、元気がない状態になっていることが多いです。そのため、更新剪定で枝を切り詰める(切り戻し)ことでナスの元気を取り戻します。
ナスの更新剪定をするときは、伸びている枝から2分の1~3分の1の長さまでを目安として、枝をバッサリときっておきます。このとき、葉まですべて切らないように気をつけましょう。1つの枝に少なくとも2枚の葉を残すように切り詰めます。
また、ナスの根にも剪定が必要です。株元から30cmほど離れた位置にスコップを深く挿し込み、土の中に広がっている根を切ります。その後、化成肥料をナスにまくことで更新剪定の作業が完了です。
ナスの剪定はそこまで難しいものではありませんが、更新剪定の場合は少し手順が複雑です。もしナスの剪定についてわからないことがあれば、プロの剪定業者に依頼するのもよいでしょう。弊社では、お客様の植物に合わせた剪定が可能な業者をご紹介しています。業者依頼をスムーズに済ませたい場合は、ぜひご相談ください。
※1 対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。※2 手数料がかかる場合がございます。一部加盟店・エリアによりカードが使えない場合がございます。
ナスの栽培管理を徹底的におこなおう
おいしい実をたくさん収穫したいのであれば、ナスの剪定だけは不十分です。ナスはデリケートな植物のため水やりなどの栽培管理をキッチリとおこなわないと、実を十分につけることはできません。そこで、ここではナスを収穫するために重要な普段の栽培管理方法についてご紹介します。
支柱を使ってナスを仕立てる
ナスを収穫するにあたって、栽培用の支柱を使って生長を誘導させる「誘引(ゆういん)」とよばれる作業は重要になります。ナスは重量のある実を付けるため、支柱無しで育てると実の重量で枝が傾き、株に負担がかかってしまうのです。さらに、支柱を立てることは、ナスの生長に必要な「日当たり」をサポートすることにもつながります。
支柱を立てるタイミングは、ナスの植え付けから2週間後が目安です。この時期になるとナスの苗がある程度生長し、しっかりと地面に根付いていることが多いです。1本の園芸用の支柱を用意し、苗の近くに挿し込んでからヒモで軽く固定します。真上へしっかりと伸びるよう、支柱はまっすぐに立てましょう。
また、一番花が咲いたタイミングで、わき芽を広げるために「3本仕立て」という方法でさらに誘引していきます。すでに1本立てた支柱はそのままに、「X」の字になるように斜めに2本の支柱を追加して、枝分かれした芽をヒモで固定すれば完成です。なお、栽培スペースの関係で3本仕立てが出来ない場合は、別の方法で誘引するのがよいでしょう。
水やり・肥料
ナスはほかの野菜よりも多くの水を必要とする植物です。ほかの植物と同じように水やりをすると、栄養が足りなくなってしまうこともあるので十分に注意するようにしてください。基本的には、地面が乾いてきたタイミングで水があふれるほど与えていきます。
土が乾燥しやすい夏の時期の水やりは毎日おこないましょう。水やりの時間帯としては、温度が低くなってきた夕方から早朝にかけてまでが最適。反対に、夏の昼間は日光や温度が高く、根に負担がかかりやすいので水やりに適していません。
また、ナスは肥料もしっかりと与える必要があります。植え付け直後から根付いた時期に追肥をはじめて、2~3週間ごとに1回を目安に化成肥料を与えておきましょう。肥料切れを起こさずに注意しながら追肥をすることで、ナスに十分な栄養を届けることができます。
ナスの収穫までに気をつけたいトラブルを解説
ここでは、さまざまな原因によって起こるナスのトラブルを紹介します。収穫前に気をつけて栽培していくことで、質のいいナスを収穫しやすくなるでしょう。
石ナス・つやなし果
石のように硬くなったナスを石ナスといい、独特のツヤがなく見た目が悪い状態のナスをつやなし果といいます。一応これらのナスを食べることは可能ですが、実が硬くて食べにくいうえに、味もあまり期待できません。
そのため、おいしいナスを収穫するために石ナス・つやなし果の対策をしましょう。まず石ナスですが、そもそも石ナスは「受粉不良」が原因でおこります。受粉がしっかりとできるように、専用のホルモン剤をナスに使用しておきましょう。
また、つやなし果の原因は「水不足」であることが多いです。普段の水やりの量・ペース・水やりの時間帯を見直してみてください。なかなかうまくいかない場合は、土の上にかぶせて蒸発を抑える「マルチシート」を使用してみるのがよいでしょう。
天狗ナス・双子ナス
ナスの栽培管理に何らかの問題があると天狗ナスや双子ナスとよばれる、変わった形のナスができやすくなります。これらのナスを料理にして食べることは可能ですが、気になるのであれば今までの栽培管理を見直してみるとよいでしょう。
たとえば、栽培温度が低すぎる・水分不足・肥料の与えすぎといった要因が考えられます。一概に変形ナスの原因を突き止めることは難しいですが、普段の栽培管理を振り返って良くないところは直すことが、変形ナスの数を減らすことにつながります。
病害虫によるナスの食害
ナスの収穫時期に寄ってくる病害虫には十分に気をつけましょう。病害虫はナスの葉などから養分を吸い取ったり、ナスの実に穴を開けて食害をしたりしてくるやっかいな存在です。とくに、以下3種の病害虫には気をつけるようにしてください。
1.ニジュウヤホシテントウ
オレンジ色で黒いまだら模様のてんとう虫です。一般的なてんとう虫と違って草食性であり、ナスの葉を食べてボロボロにしてしまいます。見つけ次第、捕獲して処分しましょう。黒くて長いトゲの生えた幼虫も同様に注意が必要です。また、その他のてんとう虫は「アブラムシ」を食べてくれる益虫が多いで、できれば駆除しないことをおすすめします。
2.アブラムシ
葉や茎に小さな虫がびっしりついていたら、それはアブラムシかもしれません。葉やナスの実から集団で吸汁する害虫なので、ナスの生育に悪影響を与えてきます。もしアブラムシを見つけたら、粘着力が弱めのガムテープなどを使用して、アブラムシをくっつけて取り除きましょう。
3.ナスノミハムシ
体長2~3mm程度で黒いツヤのある体を持っている病害虫です。こちらもニジュウヤホシテントウと同様に葉を食い荒らします。ガムテープに貼り付けて駆除するのが手軽ですが、数が多すぎる場合は専用の薬剤を使って駆除するのがよいでしょう。
これらの病害虫被害は、発見が遅れると葉がボロボロになり取り返しのつかない事態になることもあります。そのため、定期的な水やりやナスの剪定のタイミングで病害虫被害のチェックをおこなったほうがよいでしょう。また、病害虫の駆除がなかなか進まない場合は、早めに業者に相談することをおすすめします。
ちなみに、弊社ではナスの剪定だけでなくナスにとって脅威となる病害虫の駆除ができる業者を紹介することも可能です。もし何かお困りでしたら、ぜひ弊社へご相談ください。