ミニバラの剪定時期は、5月~8月、10月~11月、1月~2月です。時期ごとに剪定方法が異なるので、間違えないようにしましょう。なぜなら、形を整えるための剪定だったり、栄養分を行き渡らせるための剪定だったりと、時期によって剪定の目的が違うからです。
剪定方法を間違えてしまうと、きれいに花が咲かなくなるおそれがありますので注意しましょう。本コラムでは、ミニバラの剪定方法についてご紹介していきます。また剪定以外にミニバラの育て方なども解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
時期ごとのミニバラの剪定方法
その時期に適した剪定をおこなうことで、形を整えたり、きれいな花を咲かせたりすることが可能になります。ここでは、時期ごとの剪定方法をご紹介していきます。
春~秋の剪定は軽めにおこなう
春から秋は花が咲き終わったあとに剪定をおこないます。咲き終わった花を摘み取っておくことで、次に咲く花により多くの養分を回すことができるのです。花が完全にしぼんでしまうよりも少し早いくらいのタイミングがおすすめです。
剪定時に必要なる道具は剪定バサミです。また、剪定の際に出るゴミを入れる袋も用意しておくとよいでしょう。では、手順についてご紹介します。
◇手順
- 咲き終わった花のついている枝から分かれている小さな枝のなかに、5枚の葉がついている枝を探しましょう。5枚葉の付け根には、次に咲く花の芽があります。
- 枝の1番先にある5枚葉の上約5mm~10mmのところを、剪定バサミで切ります。花芽を切ってしまうと、次の花が咲かなくなってしまうのです。
また、四季咲きの品種の場合、秋に全体の枝を3分の2ほどの高さにそろえて切ります。そうすることで、次の開花時期がそろいやすくなります。早めに摘み取ってしまった花の部分は、切り花などにして楽しむとよいでしょう。
1月~2月はしっかり剪定する
この時期は、先ほどご紹介した春~秋のおこなう剪定よりしっかりおこないます。この時期のミニバラは休眠期に入るので、思い切って枝を切りつめても大きなダメージにはなりにくいのです。葉が茶色に変色したり枯れ落ちたりしているのが、休眠のサインです。まだ休眠していない枝を強く剪定すると弱ってしまうのでよく確認しましょう。
◇手順
- 休眠している枝に葉が残っている場合は枝だけになるように葉を摘み取ります。こうすることで水分の蒸発を防ぎ、体力を温存させるのです。
- 枝を全体の2分の1ほどの位置で切ります。
剪定後は切った枝などを放置せず、ちゃんと掃除するようにしましょう。そのままにしておくと、病害虫の発生につながってしまいます。
休眠期前は剪定しない
11月の花が咲き終わったあとは、花がらを摘む程度にしておきましょう。葉はすべて残しておいてください。葉を残しておくことで少ない日照時間で光合成をおこない、休眠期の間に春に花を咲かせるための力を蓄えます。その際に緩効性の肥料も与えておきましょう。
挿し木でミニバラを増やそう
ミニバラは小さめの花を咲かせます。また花の色も豊富です。そのため、育てているうちにもっと増やしたくなることでしょう。そこでこの章では、ミニバラの増やし方について解説していきます。ミニバラを増やすことをご検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。
挿し木とは
ミニバラを増やす方法として「挿し木」という方法があります。挿し木とは、増やしたい植物の枝を切り、別の鉢に用意した土に刺して増やすことです。挿し木をおこなうのに適した時期は、5月下旬~6月下旬ごろと9月~11月上旬ごろです。
必要な道具
挿し木をおこなう際に以下の道具を準備しましょう。
◇準備するもの
- ハサミ
- 手袋
- 鉢
- 用土
- 容器(コップなど)
- 剪定のときに切った枝
用土は、水はけがよく肥料成分が含まれていないものを選びましょう。肥料成分が含まれている用土を使うと、挿し穂が発根する前に腐ってしまう場合があります。ミニバラの挿し木に向いている用土は、赤玉土や鹿沼土、パーライトなどです。
手順
必要なものが準備できたら、以下の手順で挿し木をしていきましょう。
◇手順
- 剪定で切った枝や茎などを2節~3節に分け挿し穂を作ります。
- 挿し穂を水の入った容器に1時間ほどつけておきます。
- 鉢に土を用意し、たっぷりと水をかけておきましょう。
- 土に挿し穂を挿す穴をあけ、そこに刺し穂を挿します。
- 最後にもう一度水をたっぷり与えましょう。
挿し穂を挿したあとは、倒れないように根元の土をやさしく押さえます。また、何本か刺す場合は葉が重ならないように注意して挿しましょう。重なってしまうと、光合成ができなくなったり、風通しが悪くなって病害虫を発生したりといったおそれがあります。
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ミニバラの育て方
ミニバラの花をきれいに咲かせるためには、剪定以外に育てる環境や、水やりの頻度などにも気をつけなければいけません。ここでは、剪定以外のミニバラの育て方をご紹介していきます。すでに育てているという方は確認として、育てることを検討している方は参考としてご覧ください。
育てる場所
ミニバラを育てる場所は、日当たりがよいところを選びましょう。ただし、梅雨の時期は雨が当たらない玄関や軒下に置いておきます。また夏は、直射日光を避けるために半日陰になる場所で育てるようにします。
水やりの方法
水やりは土の表面が乾燥したらおこないます。その際に与える水の量は鉢底からあふれるくらいです。頻度としては、夏は1日に2回ほど(朝と夕方)、冬は3日に1回ほどになります。
肥料
植え替え後や剪定のときには、緩効性肥料を与えます。また7日~10日に1回を目安に液体肥料を与えましょう。そうすると葉色と艶、花つきが変わりよくなります。
植え替え
ミニバラの植え替え方法についてご紹介します。まずは必要なものを準備しましょう。
◇準備するもの
- ひと回り大きい鉢
- 用土(小粒の赤玉土と腐葉土を7:3で混ぜたもの)
- 鉢底ネット
- 鉢底石
◇手順
- 用意した鉢に鉢底ネット→鉢底石の順番で入れていきます。
- 赤玉土と腐葉土を混ぜた土を鉢に入れて、高さを調節します。
- 鉢からミニバラを土ごと抜き、根を傷つけないように軽く土を落とします。
- 新しい鉢にミニバラを植え、土を被せます。
- 水をたっぷり与えましょう。(2回~3回に分ける)
ミニバラに発生する病害虫
ミニバラでは以下の病害虫が発生するおそれがあります。原因や対処法、予防法についてまとめました。
◇うどんこ病
うどんこ病にかかった植物の葉には、白い粉のようなものが現れます。発症する時期は5月~11月ごろです。
・原因
土や落ち葉に潜んでいるカビが原因です。人の目には見えないカビが風に飛ばされることによって、植物の葉に付着し増殖していきます。
・対処法
植物がしっかりしており症状が軽度な場合は、重曹やお酢を水で薄めた自作のスプレーを散布し自然に直すことができます。症状が進行してしまっている場合は、農薬や殺菌剤を使用します。使う際は、パッケージなどに記載されている使用方法を確認してからにしましょう。
「発症してから時間が経ってしまった」「農薬などを散布しても症状が抑えられない」場合は、発生している部分をハサミなどで取り除きましょう。そのままにしていると、被害が拡大してしまい、植物自体がダメになってしまいます。
・予防法
うどんこ病を発症させないためには、水はけのよい土で育て、風通しを悪くする葉や枝は取り除くことが大切です。またこまめに植物の状態を確認することで、すぐに対処することができるでしょう。
◇黒点病(黒星病)
黒点病は、植物の葉や茎に黒色の斑点が発生する病害です。この斑点部分が広がり、葉を落としてしまいます。対処せずそのままにしていると、植物は弱り花を咲かせることができなくなります。
・原因
黒点病も先ほどご紹介したうどんこ病と同じくカビが原因です。とくに発生しやすい時期が梅雨です。湿度が高く気温も高めになるため、カビにとっては繁殖しやすい環境になります。
・対処法
黒点病になってしまうと治すことができないため、被害が広がらないよう黒点病にかかった部分を取り除き、薬剤を散布しましょう。
・予防法
黒点病にかからないためには剪定時に切り落とした枝や葉をゴミ袋に入れて処理するなど、風通しをよくしてカビが発生しない環境にしましょう。
◇ハダニ
ハダニは体長0.5mmほどの害虫です。「ダニ」とついていますが、じつはクモの仲間です。ハダニは3月~10月にかけて、植物の葉に発生して栄養分を奪ってしまうのです。
・原因
ハダニは20度~35度くらいの乾いたところを好みます。ハダニはクモのように糸を出し風に乗せて飛ぶので、気付かないうちに衣類などを介して植物につくこともあります。
・対処法
ハダニの数が少ない場合は、粘着力が弱めのテープで除去しましょう。粘着力が強いと葉を傷める可能性があります。テープで対処できない場合はダニ用の殺虫剤か、牛乳を2倍に薄めた牛乳スプレーを散布しましょう。
もし牛乳スプレーを使用する際は、散布した箇所を水洗いすることを忘れないようにしてください。悪臭やカビが発生する原因となります。
・予防法
ハダニは水に弱いため、葉が乾燥しないように葉水を与えるようにしましょう。そうすることで、ハダニを防止することが可能です。また発生する時期になる前に、薬剤を散布しておくもの効果があります。
◇アブラムシ
アブラムシは体長約4mmの害虫です。3月~10月にかけて活動し、繁殖をおこなうため、放っておくといつの間にか大量発生するおそれがあります。
・原因
アブラムシが発生する原因のひとつは、窒素肥料の量が多いことです。アブラムシは窒素成分を好み、窒素を多く含む化学肥料などを狩状に与えると発生しやすくなるといわれています。また、枝葉が密集するなどして風通しが悪く高温多湿な環境になっていることも原因のひとつです。
・対処法
アブラムシを発見したら、ピンセットやテープ(粘着力が弱いもの)などで取り除いたり、歯ブラシでこすり落としたりする対処法があります。また牛乳スプレーを散布するのもよいでしょう。その際は、原液のままでも問題ありません。
ただし、散布したあとは必ず水で洗い流してください。そのまま放置してしまうと、悪臭や雑菌が繁殖するなどのリスクがあります。
・予防法
アブラムシを発生させないためには、肥料を与える際にパッケージなどに記載されている注意書きなどを読み、肥料を与える適切な量や頻度を把握しておきましょう。また葉が生い茂ったり、枝が混み合っている場合は剪定し風通しをよくすることをおすすめします。
これら以外にも植物に寄せ付けないために忌避剤(木酢液)を散布したり、防虫ネットをかけておいたりすることでも予防することは可能です。
ここでご紹介した病害虫の対処や予防をしても、改善されないという場合は一度弊社までご相談ください。弊社に加盟している業者は、剪定実績だけではなく、植物に発生する病害虫に関する知識があります。
ご紹介させていただいた業者が適切に対処・予防をいたしますので、ご安心ください。