庭の木が成長しすぎてしまってお困りではありませんか。
樹木の生命力はとても強いため、1回伐採しても残った切り株の根元から新芽が生えて成長してしまうことがあります。
せっかく切り倒したのに何度も成長してしまったら意味がありませんよね。
そんなとき、木の幹と根を枯らすことができれば、木の成長を止めて取り除くことができます。
でも、木を育てる方法ではなく、木を枯らす方法を考えるのって案外難しいものです。
そこでこの記事では、木の幹の枯らし方から残った切り株や木の根の枯らし方までを解説します。
これを読めば、ホームセンターなどで身近に手に入るものを使って木を枯らし、根まで残さず簡単に庭の木を取り除くことができます。
- 木の幹の枯らし方
- 切り株や木の根の枯らし方
- 塩や漂白剤を使うと土壌に悪影響
- 上手に木を枯らすためのポイントと注意点
木を枯らす方法は2種類
木の幹を枯らす方法は2種類あります。
- 除草剤を使う
- 巻き枯らしをおこなう
▼木を枯らす方法のメリット・デメリット比較
除草剤
- メリット
-
危険度の高い道具を使わない
- デメリット
-
周囲の植物にも影響を与える可能性がある
巻き枯らし
- メリット
-
1回の作業で完了する
- デメリット
-
刃物を取り扱うため怪我のおそれがある
それぞれの方法に必要なものと手順を解説しますので、ご家庭にある道具によって木を枯らす方法を選んでください。
簡単な作業で早く枯らすなら!:除草剤を使用する
枯らしたい木のまわりにほかの植物を植えておらず、薬剤を使用することに抵抗がないのであれば、除草剤を使う方法をおすすめします。
なぜなら、チェーンソーやノコギリなどの刃物を使わずに作業ができ、怪我の危険性が低いからです。
除草剤を使って木を枯らすために必要なものと手順は以下のとおりです。
- 電動ドリル
- 除草剤
- ビニールテープ・ラップ
- スポイト
- 軍手
- 木の幹に穴を開ける
- 穴に除草剤を入れる
- ビニールテープやラップで穴を塞ぐ
除草剤を使って木を枯らすにはまず、電動ドリルで木の幹に横から穴を開けます。
電動ドリルを使うときは怪我を防ぐため、軍手をつけておこなってください。
あとからその穴に除草剤を入れることを考慮し、斜め下に向かって穴を開けるとよいでしょう。
穴を開けたら、スポイトを使って穴の中に除草剤を注ぎ込みます。
最後に、穴をビニールテープやラップで塞ぎます。
たとえば木を枯らすことにも使える除草剤として代表的な薬剤「ラウンドアップマックスロード」では、樹木類には4回以下の使用で効果があるとされています。
ですが樹木の生命力は強いため、木が完全に枯れるまでは定期的に除草剤を注ぎなおす必要があります。
参考:除草剤ならラウンドアップマックスロード|適用雑草と使用方法(最終閲覧日:2023年8月28日)
除草剤の選び方としては、グリホサート系の薬剤がおすすめです。
枯れにくい木の根までしっかり薬剤が届き、枯死させる力があります。
ちなみにラウンドアップマックスロードも、グリホサート系の薬剤のひとつです。
商品名 | ラウンドアップマックスロード |
メーカー | 日産化学工業 |
価格 | Amazon:2,073円 楽天市場:2,121円 Y!ショッピング:2,280円 |
※価格は2023年8月28日時点のAmazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングでの価格(税込み・東京都への送料込み)です。
1回の作業で楽に枯らすなら!:木の皮をはがす
木の皮の一部をはがすことによって養分の通り道を遮断して木を枯らす方法もあり、これは「巻き枯らし」と呼ばれています。
巻き枯らしに必要なものと手順は以下のとおりです。
- バールや手ノコ
- チェーンソーやのこぎり
- 軍手
- チェーンソーで木の皮に切れ込みを入れる
- バールで木の皮を剥がす
まずはチェーンソーで木の皮をぐるりと一周するように横方向の切り込みを2本入れます。
チェーンソーを使うときは軍手を着用して、手や足の肌が出ない服装で作業してください。
地表から30㎝あたりに切り込みを入れ、約30㎝の幅になるように間隔をあけます。
次は縦方向に1本の切り込みを入れ、バールを使って切り口から木の皮をはがしていきます。
この1度の作業のあとは放置しておくだけで、少しずつ木は枯れていきます。
除草剤を使う方法は、何度か除草剤を注ぎなおす必要がありますが、木の皮を剥がす方法なら基本的にたった1度の作業で木を枯らすことができます。
庭木として植えられるニセアカシアの木でも、巻き枯らしの方法で枯らすことに成功した例があります。
伐採したあと、新芽が生えてきてしまうことが多くありますが、巻き枯らしをおこなうことで萌芽数が減ったという結果が出ています。
また、地表から30㎝のあたりの樹皮を幅30㎝ではがしたときがもっとも効果的だったとの結果も残っています。
しかし、チェーンソーの取り扱いは初心者には難しく、深い知識がないままチェーンソーを使うと怪我や大きな事故の危険があります。
特に木の皮に切り込みを入れるという繊細な作業は、チェーンソーの取り扱いに慣れていなければ難しいです。
巻き枯らしの方法を検討するときは、チェーンソーの危険性をよく理解し、使用する際の服装や使い方をよく確認してください。
チェーンソーなどの道具を使い慣れていない方は、専門の業者に依頼するという方法もあります。
お庭110番では、伸びすぎた枝を剪定したり、不要な木を伐採したり、お庭に関するお困りごとの解決をお手伝いします。
24時間365日対応の無料相談窓口にお問合せいただければ、お庭に関するプロの業者をご紹介いたします。
※1 対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。※2 手数料がかかる場合がございます。一部加盟店・エリアによりカードが使えない場合がございます。
残った切り株や根を枯らす方法
木の幹を伐採して取り除いても、残った切り株や木の根をそのまま放置しておくとそこから新芽が生え、ひこばえとして成長してしまうことがあります。
そのため、幹だけではなく切り株や木の根も枯らさなければなりません。
ここでは、切り株や根を枯らす方法を解説します。
早く枯らしたい場合:除草剤を使用する
手っ取り早く切り株を枯らしたい場合は、幹を枯らすときと同様に除草剤を使う方法をおすすめします。
先ほど紹介したグリホサート系の除草剤は、葉や枝だけでなく地中の根まで枯らす強力な作用があるため、何度か除草剤を使うだけで効果が表れます。
- 切り株の断面に穴を開ける
- 穴に除草剤を入れる
- ビニール袋を被せて紐で縛る
除草剤で切り株を枯らす方法は、幹を枯らす方法と似ています。
まず、切り株の断面に電動ドリルでいくつか穴を開けます。
穴のなかに除草剤を入れ、薬剤が雨に流されないようにに大きなビニール袋を被せ、紐で縛って固定します。
除草剤が乾いたら、定期的に穴に注ぎなおします。
自然に分解させる場合:腐葉土で覆う
腐葉土を利用して処分する方法もあります。
腐葉土とは、枯れて腐った落ち葉を虫や微生物が分解することで土のように変化したもののことで、土壌の改良や肥料として使われます。
切り株が分解されて形が崩れ、徐々になくなっていくので、枯らした後の木の根の処分がめんどくさいという方にはおすすめの方法です。
- 切り株の周りに囲いを設置する
- 腐葉土を敷きつめる
- 定期的に湿らせる
まず、切り株の周りにレンガや板などで囲いを設置します。
そのなかに腐葉土を敷きつめ、水で湿らせて放置します。
腐葉土が乾いてしまうと効果がないため、定期的に湿らせるようにしましょう。
しばらく放っておくだけで自然に分解されてボロボロになり、土に還っていきます。
しかし、根が自然の力で完全に分解されるまでは時間がかかるため、枯れるまで辛抱強く待たなければなりません。
自然の力に任せる方法なので、除草剤を使うよりも長い時間がかかる可能性が高いです。
また、湿気の多い夏の時期には虫が発生することがあるため注意が必要です。
塩や漂白剤で木を枯らすと土に悪影響
ところで塩や漂白剤など、一般的な家庭にあるもので木を枯らすことができるという説がありますが、これらの方法で木を枯らすと土に悪影響を与えます。
塩や漂白剤を土に散布すると、その場所でほかの植物を育てることができなくなってしまいます。
また、塩や漂白剤が地中深くまで入りこむと、土だけでなく地中の配管に悪影響を与える可能性もあります。
特に漂白剤は、酸性のものと合わさると人体に悪影響のある塩素ガスが発生します。
塩素系の漂白剤を撒いた土に酸性の肥料を撒いた場合、有毒なガスが発生し、最悪の場合は死の危険性もあります。
1980年代には、家庭で塩素系の漂白剤に酸性の洗浄剤を混ぜたことにより中毒死してしまった例もあり、塩素系の漂白剤は酸性の物質と化学反応を起こしやすい物質で作られています。
塩や漂白剤が混ざった土が雨で流れると、もっと広い範囲に悪影響を及ぼす可能性もあるため、塩や漂白剤で木を枯らすのはやめましょう。
「除草剤にも健康被害があるのでは?」と思う方もいらっしゃると思いますが、除草剤は吸い込んだり触れたりしなければ健康被害は起こりません。
除草剤の有効成分であるグリホサートは、水と比べて気化しにくい物質であることも確認されています。
マスクや手袋を着用して正しく作業をおこなえば、除草剤が健康に影響を与える可能性は低いのです。
木を枯らすことを考えている場合は自宅にある塩や漂白剤は使用せず、除草剤を購入するようにしましょう。
参考:掛川貞夫.塩素系製品による家庭内事故と今後の課題.1990
※1 対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。※2 手数料がかかる場合がございます。一部加盟店・エリアによりカードが使えない場合がございます。
より上手に木を枯らすポイントと注意点
木をうまく枯らすためにはいくつかのポイントと注意点があります。
木の生命力は強いため、正しい方法で作業をおこなわないと効果が弱くなることがあります。
作業を始める前に、ポイントや注意点をチェックしておきましょう。
4月~8月に作業する
木を枯らす作業は4月から8月の間におこなうことがポイントです。
なぜなら、冬に時期になると乾燥によって木の皮が硬くなり、皮をはがしたり幹に穴を開けたりする作業が難しくなってしまうからです。
木を枯らす作業は、樹皮がやわらかい春から夏のうちにおこなってください。
常緑樹は枯れにくい
常緑樹は枯れにくいということには注意が必要です。
樹木には常緑樹と落葉樹があります。
常緑樹は1年を通して葉がついている木で、落葉樹は冬になると葉が枯れ落ちる木です。
例えばスギやヒノキやマツは1年中葉があり、常緑樹に該当します。
葉を茂らせたまま冬を越すことのできる常緑樹と、冬になると葉を落とす落葉樹では生命力に差があります。
そのため、生命力の強い常緑樹は落葉樹と比べると枯れにくい傾向にあるのです。
常緑樹を枯らそうと考えている場合は、枯れるまでに時間がかかります。
除草剤を何度か散布しなおし、枯れるまでじっくり待ちましょう。
木が枯れるまでは注意が必要
木が枯れるのを待っている間にも注意しなければならないことがあります。
木が枯れると幹の内部がスカスカになり、突然思いがけない方向に倒れてしまう危険があるため、あらかじめ周囲の安全を確認しておかなければなりません。
また、除草剤を使用した場合は健康被害にも注意が必要です。
除草剤を撒いたことを知らずに近寄ったり触れたりしてしまうと、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
除草剤を撒いた場所には「除草剤使用中」などの注意書きを貼り、人やペットが触れないように気を付けましょう。
木が枯れるまでにかかる時間
木が枯れるまでにかかる時間は枯らす方法によって異なりますが、樹皮をはがす巻き枯らしの方法だと約半年から1年ほど、除草剤を使う方法だと約1年ほどで枯れていきます。
しかし木が枯れるまでの時間には個体差があり、先ほど解説したように、常緑樹であるか落葉樹であるかによっても違いがあります。
常緑樹を巻き枯らしで枯らそうとすると2年程度かかることもあります。
丈夫で枯れにくい常緑樹を枯らす場合には、濃度の高い除草剤を使うとよいでしょう。
木を枯らすには根気よく待つことも大切です。
もっと早く木を取り除きたいという方には、木を伐採し、残った切り株を抜根するという方法もあります。
巻き枯らしや除草剤を試してみても効果が表れないときは、専門家に依頼して伐採や抜根をしてもらうとよいでしょう。
お庭110番にご相談いただければ、樹木に関するプロが丁寧に伐採や抜根をおこないますので、枯れるまでの長い時間を待たなくてもすぐに木を取り除くことができます。
伐採や抜根で木を除去する方法にご興味を持たれた方は、ぜひご相談ください。
まとめ
木を枯らす方法には、除草剤を使う方法と木の皮をはがす方法の2種類があります。
除草剤を使う方法は簡単な作業で枯らすことができるのがメリットで、木の皮をはがす方法は基本的に1度だけの作業で済むことがメリットです。
それぞれの手順は以下のとおりです。
- 木の幹に穴を開ける
- 穴に除草剤を入れる
- ビニールテープやラップで穴を塞ぐ
- チェーンソーで木の皮に切れ込みを入れる
- バールで木の皮を剥がす
もし、「木が枯れるまで待てない!」「早く木を取り除きたい!」という場合は、木を切り倒すことも1つの手です。
もし木を切り倒すことでお困りの際は、お庭110番にご依頼ください。
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