お庭の雑草を抜いていくのは大変な作業。除草剤で雑草を枯らすのが効率的で楽におこなえます。
しかし、いざ除草剤を使おうとしても
「除草剤はいつ使ったら効果が高いの?」
「種類がいろいろあって、どれを使ったらいいかわからない」
「除草剤を安全に使いたい」
とお困りの方も多いかと思います。
除草剤は撒くだけで簡単に雑草を枯らすことができます。
しかし、除草剤には多くの種類があり、目的も散布の方法も異なります。
また、より高い効果を出し、安全に使用するためには気をつけなくてはいけない点があります。
この記事では、除草剤の種類別の使い方や高い効果を出すポイントを詳しくお伝えしています。
この記事を読めば、目的に合った除草剤を正しく使用し、より高い効果を出すことができます。
それによって、雑草のないきれいなお庭が作れます。
目的によって除草剤の種類は変わる!
除草剤を正しく使用するには、まず除草剤の種類について知っておくことが大切です。
除草剤の種類は目的によって変わります。
大きく分けて、以下の2つがあります。
なかには、茎葉処理型で粒剤タイプのものがあるなど例外もありますが、今回は、茎葉処理型は液体タイプ、土壌処理型は粒剤タイプ、としてくわしく解説していきます。
- 液体タイプ(茎葉処理型)
-
今生えている雑草を枯らす
- 粒剤タイプ(土壌処理型)
-
これから生えてくる雑草を枯らす、雑草が生えるのを防ぐ
今生えている雑草を枯らすには液体タイプ(茎葉処理型)
液体タイプ(茎葉処理型)の除草剤は、雑草の葉や茎から除草剤の成分が吸収されるため、今生えている雑草を素早く枯らせます。
成分が土壌に落ちると不活性化するため、根から成分は吸収されません。
そのため、除草が終わった後に他の植物を植える予定がある土地での使用に適しています。
すぐに雑草を枯らしたい、という方におすすめです。
これから生えてくる雑草を予防するには粒剤タイプ(土壌処理型)
粒剤タイプ(土壌処理型)の除草剤は成分が土壌に移行し、根から吸収されます。
そのため、根からしっかり雑草を枯らすことができます。
また、地表から約1cmに、土壌に薬剤の成分が溶け込んだ処理層と呼ばれる層を形成します。
この層によって、雑草が生えてくるのを防ぐこともできます。
除草してきれいにした場所を維持したい、という方におすすめです。
種類別で異なる!散布の手順
ここでは除草剤の散布手順を詳しくお伝えしていきます。
液体タイプと粒剤タイプでは散布の手順が異なります。
より高い効果を挿すためにも、それぞれのタイプに合った正しい手順で散布していきましょう。
液体タイプの散布手順
液体タイプの散布手順は以下のとおりです。
- 雑草の背丈が高い場合は、30cm~1mほどの高さに刈り込む
- 必要があれば、除草剤を希釈する
- 噴霧器やジョウロでジグザクに散布し、ムラがないようにする
- 散布した箇所は踏みつけないようにする
液体タイプの除草剤は葉や茎から除草剤の成分を吸収されるため、雑草が生えている状態で散布します。
あまりにも雑草が生い茂っているとムラが出てしまうため、背丈が高い雑草は30cm~1mほどに刈り込んでおきましょう。
液体の場合は、粒剤に比べて薬剤が広がりやすいため、1回の散布で問題ありません。ジグザグに散布すると、ムラなく撒けます。
散布後に散布した箇所を踏んでしまうと、薬剤が雑草から落ちて効果が低下してしまいます。
散布後1日程度は、散布した場所の上を歩かないようにしましょう。
粒剤タイプの散布手順
粒剤タイプの散布手順は以下のとおりです。
- あらかじめ草刈りを済ませ、雑草がない状態にする。または、30cm以下に刈り込む
- 1回目は縦方向に、2回目は横方向に、ムラなく薬剤を撒く
粒剤の除草剤は雑草を根から枯らし、雑草の発生を防ぐことを目的としています。
ある程度雑草が育ってしまっている環境では効果が発揮できないためあらかじめ除草をしておきましょう。
粒剤の除草剤は液体の除草剤に比べてムラができやすいため、2回に分けて散布しましょう。
※1 対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。※2 手数料がかかる場合がございます。一部加盟店・エリアによりカードが使えない場合がございます。
より高い効果を出す散布のポイント
せっかく除草剤を撒くなら、しっかり雑草を枯らしてほしいですよね。
散布の仕方を間違えてしまうと思ったような効果が出ない、なんてこともあります。
ここでは、より高い効果を出す散布のポイントを3つお伝えします。
より高い効果を出すために、散布の際はぜひ参考にしてください。
均一になるように撒く
一部でも除草剤が散布できていない箇所があると、全ての雑草を枯らすことができず、除草剤の効果を発揮できません。
全体にしっかり薬剤が行き渡るように、均一になるように撒いていきましょう。
縦方向や横方向にS字を描くようにジグザグに撒いたり、縦方向と横方向で2回撒いたりすることで、ムラを減らせます。
また、噴霧器や散粒機などの道具を使用することも効果的です。
希釈量を守る
液体タイプの除草剤のなかには、希釈して使用するものがあります。
枯らしたい雑草の種類によって薬の量が変化します。
薄めすぎると雑草を枯らす効果が低くなり、濃すぎると費用が無駄になります。
商品ラベルに書かれている規定の量の薬剤を規定の量の水で薄め、希釈目安をしっかり守って使用しましょう。
粒剤タイプの除草剤も、雑草の種類によって散布する量が変わります。
商品ラベルをしっかり読み、散布量をしっかり守りましょう。
粒剤タイプは土をしっかり耕す
粒剤タイプ(土壌処理型)は、地表に処理層を作ることで、防草効果を発揮します。
この処理層をうまく作るために、土の塊は丁寧に細かく砕きます。
土壌表面に凸凹がなくなるように、しっかりと土を耕しましょう。
散布のタイミングは種類によって変わる
除草剤の種類ごとに散布に適したタイミングがあります。
ここでは、それぞれの散布に適した条件・タイミングを詳しく解説します。
正しいタイミングで除草剤を散布すれば、効果を最大限に発揮できます。
液体タイプは晴れの日が続くときに撒く
散布後すぐに雨が降ってしまうと、成分が吸収されず水で流されてしまいます。
散布前後に晴れが続くタイミングで撒くようにしましょう。
液体タイプの除草剤は、葉や茎から成分が吸収されます。
濡れていると成分を吸収できず、効果が得られません。
従来の除草剤は、散布後6時間程度は雨による影響で効果が落ちる、と言われてきました。
しかしメーカーによっては、雨の影響を受ける時間が短時間で済む除草剤もあります。使用する除草剤がどの程度の時間、雨による影響を受けるのかしっかり確認してください。
粒剤タイプは風が強いときは避け、雨上がりに撒く
粒剤タイプは、土壌に溶け込む前に風に飛ばされたりしないように、風が強い日は避けましょう。
液体タイプとは異なり、極度に土壌が乾燥しているときは避け、土が湿っている状態で撒くのがベストです。
土が湿っている状態で撒くことで、土壌に除草剤が染み込みやすくなります。
そのため雨上がりに撒くのがベストですが、晴れが続く場合は雨の代わりにジョウロなどで水をかけても大丈夫です。
散布する際の注意点
除草剤の使用方法を間違えたり安全対策を怠ったりすると、薬害や健康被害が出てしまうおそれもあります。
ここでは、除草剤を散布する際に気をつけていただきたい点を2つお伝えします。
使用する除草剤の説明書をよく読み、正しく安全に使用しましょう。
安全対策をしっかりおこなう
除草剤を使用する際には取扱説明書をよく読み、濃度や散布回数をしっかり守ってください。
また、直接皮膚や粘膜に触れないような服装で散布をおこないましょう。
人やペットに優しい除草剤も多くありますが、自身での安全対策もしっかりおこなうことが大切です。
粒剤タイプは斜面になっている土地では使用しない
粒剤タイプの除草剤を斜面になっている土地では使用しない理由は、以下の2つです。それぞれ詳しく解説します。
- 粒剤が下に転がり落ちる
- 土壌流出を起こす
粒剤が下に転がり落ちる
粒剤タイプの除草剤を斜面になっている土地で使用してしまうと、傾斜に沿って除草剤が下へ転がり落ちてしまいます。
下の土地に田畑や河川があると悪影響を与えるおそれがあります。
土壌流出を起こす
粒剤タイプ(土壌処理型)の除草剤は、根を枯らす薬剤です。
斜面の植物の根は、表面の土を固定する役割を担っているため、除草剤で根を枯らしてしまうことにより土壌流出を起こすおそれがあります。
以上の2点の理由から、斜面に粒剤タイプ(土壌処理型)の除草剤を散布するのは避けるようにしましょう。
周囲に枯らしたくない植物がないか確認する
周囲に雑草以外の植物があると雑草と一緒に枯れてしまうため、必ず確認してください。
粒剤タイプ(土壌処理型)の除草剤は根を枯らすため、周囲の庭木にも影響を与えます。
樹冠より1m以内には散布しないようにしましょう。
芝生の場合は選択性除草剤を使う
芝生にも雑草が生えてきてしまうことがありますが、芝生に除草剤を撒くと一緒に枯れてしまいます。
芝生の雑草を駆除したい場合は、選択性除草剤と呼ばれる除草剤を使用するようにしてください。
除草剤には、すべての植物に作用する非選択性のものと、特定の植物にのみ作用する選択性のものがあります。芝生には、芝生用の選択性除草剤を使用しましょう。
値段 | 4,240円(2022年6月10日現在) |
散布面積 | 100~200㎡(約30~60坪) |
雑草が生える前から生え始めに散布する、粒剤の除草剤です。
除草効果と防草効果に加え、肥料が配合されている商品のため、雑草を駆除しながら芝生を生育することができます。
※1 対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。※2 手数料がかかる場合がございます。一部加盟店・エリアによりカードが使えない場合がございます。
除草剤散布をする際にあると便利な道具
ここでは除草剤を散布する際にあると便利な道具と、散布する際の服装について解説します。
なかには、容器からそのまま散布できる除草剤もあります。
すでにお持ちの除草剤、これから購入する除草剤に合わせて、必要な道具を用意してください。
噴霧器・ジョウロ
液体の除草剤は、噴霧器やジョウロを用いることで、ムラなく散布できます。
噴霧器とは、水や薬液などの液体を霧のようにして散布する機械のことです。
手動式のもの、電動式のもの、充電式のもの、種類はさまざまです。
手動式のものは安価ですが、自力でハンドルを回さなくてはいけません。
電動式のものの方が作業は楽ですが、値段は高価になります。
ジョウロを使用する際は、水やり等に使用するジョウロとは別で、除草剤散布専用のジョウロを用意することをおすすめします。
通常のジョウロでも問題ありませんが、除草剤散布専用のジョウロだと、狭い部分にも散布しやすい構造になっている商品が多くあります。
値段 | 848円(2023年2月16日現在) |
容量 | 5.5L |
除草剤を撒きたいところにだけピンポイントに撒くことができる、除草剤散布用のジョウロです。
本体が半透明で目盛りがついているため、希釈がしやすく量もわかりやすくなっています。
散粒機
粒剤の除草剤は、散粒機を用いることでムラなく散布できます。
散粒機とは、粒剤タイプの除草剤を散布する際に使用する機械のことです。
散粒機にも噴霧器同様、手動のものや電動のものがあり、さまざまです。
商品によっては、ボトルからそのまま散布するものや散布容器が付属しているものもあります。
必要に応じて用意するか検討しましょう。
値段 | 5,420円(2022年6月13日現在) |
容量 | 8L |
ハンドルを回して除草剤を散布する、手動の散粒機です。
散布量調整レバーがついており、8段階に散布量を調整することができます。
散布する際の服装
除草剤を使用する際には、以下の服装で除草剤が直接皮膚に触れないようにしましょう。
- 長袖、長ズボン
- 長靴
- 手袋
- マスク
- ゴーグル
噴霧器などの道具を用いて広範囲に除草剤を散布すると、目や口に入ってしまうおそれもあります。
ゴーグルやマスクを着用し、薬剤を吸い込まないように注意しておこないましょう。
また、晴れの日に作業する場合は日よけの帽子などを被り、熱中症にも注意してください。
おすすめの除草剤
これから除草剤を購入する、という方に向けておすすめの除草剤をタイプ別にご紹介します。
購入の際にぜひ参考にしてください。
おすすめの液体タイプの除草剤
値段 | 695円(2022年6月10日現在) |
散布面積 | 50~100㎡(約15~30坪) |
すでに希釈してあるため、そのまま使用できます。
また、シャワータイプのため容器を傾けるだけで散布することができ、ジョウロなどを用意する手間いらずの商品です。
前述のとおり、処理後6時間以内に雨が降ると効果が落ちてしまうので、天気予報を確認してから散布しましょう。
おすすめの粒剤タイプの除草剤
値段 | 2,450円(2022年6月10日現在) |
散布面積 | 最大600㎡(約180坪) |
ササ、スギナなどのしつこい雑草にもよく効き、しっかり根まで枯らしてくれます。
効果が6ヵ月間続くため、散布回数が少なくて済むのがポイントです。
雑草のお困りごとはお庭110番までご相談ください
除草剤は正しい使い方をすれば、安全に高い効果を出すことができます。
また、効率的に楽に除草作業がおこなえます。
しかし、あらかじめある程度雑草を除草しなくてはいけなかったり、道具や薬剤を準備しなくてはいけなかったり、除草剤を撒く以外の作業も多くあります。
「自分では除草剤を扱える自信がない」「除草したいけど、時間がなかなか取れない」
など、雑草に関するお困りごとはお庭110番にお問い合わせください。
お客様のご希望に添えるお庭のプロをすぐに手配いたします。
相談・見積りは無料※で承ります。
※対応エリア・加盟店・現場状況等により記載内容の通りには対応できない場合がございます。
お庭110番は全国24時間365日【受付】対応可能ですので、お客様のご都合のいいときにお気軽にお問い合わせください。
参考文献
農文協編『今さら聞けない 除草剤の話 きほんのき』農山漁村文化協会.2021