アイスバーグは木立性(ブッシュ形)とつる性があるため、種類によって剪定方法を変えましょう。種類ごとに生長スピードや特性、適切な時期が異なるからです。
とくに、つる性のアイスバーグは剪定とともに、見た目をよくみせたり、花つきをよくさせたりするための『誘引』作業も同時におこなう必要があります。
このコラムでは、まずアイスバーグの種類を紹介した後、それぞれの剪定方法がわかるようになっています。育成中のアイスバーグの種類にあった剪定を施すようにしましょう。最後には、アイスバーグを鉢植えで育てる方法についてもご紹介しています。
アイスバーグの種類
先述のとおり、アイスバーグには木立性(ブッシュ形)とつる性が存在しています。剪定時期や方法が異なるため、育てているアイスバーグがどちらかわからないという方は、まずはそれぞれの特徴について知っておくとよいでしょう。
【木立性】アイスバーグ
木立性とは、茎が自立して生長するタイプのことを指します。支柱などは使わずに鉢植えで育てることが可能です。木立性のバラは、ブッシュ・ローズとも呼ばれます。
また、木立性のバラのなかにもいくつか分類があり、アイスバーグはフロリバンダ系に該当します。フロリバンダとは「花を束ねる」という意味をもち、開花時にたくさんの花が房咲きになるのが特徴です。そのほかにも、フロリバンダは季節を問わず何回でも咲く四季咲き性であるという特徴があります。
フロリバンダの代表格としては白い花を咲かせるアイスバーグが有名ですが、そのほかにも以下のような種類があります。
- ピンク・アイスバーグ:淡いピンク色の花びらをしている
- ブリリアント・ピンク・アイスバーグ:濃い目のピンクの花びらをしている
- バーガンディ・アイスバーグ:赤ワインのような奥深い色合いの花びらをしている
木立性のアイスバーグを育てている方は、「【木立性(フロリバンダ)】の剪定 」で剪定方法をご確認ください。
【つる性】アイスバーグ
つる性とは、茎が真っすぐ自立して立つことができないタイプのことです。そのため、支柱やアーチなどに添わせて栽培する必要があります。アイスバーグにはつるアイスバーグという種類があり、これはつる性に該当します。栽培中のアイスバーグに支柱などを添わせているなら、つるアイスバーグの可能性が高いでしょう。
つる性のアイスバーグを育てているという方は、「【つる性(クライミングローズ)】の剪定 」で剪定方法をご確認ください。
【木立性(フロリバンダ)】の剪定
アイスバーグの種類がわかったところで、次は木立性のアイスバーグの剪定時期や方法について解説していきましょう。ここでは、とくにフロリバンダ系のアイスバーグの剪定方法について解説しています。
本格的な剪定時期は1月~2月
最適な剪定時期は、アイスバーグの活動が鈍くなる1月~2月ごろです。完全に休眠状態にさせるため、剪定の1~2週間前までに葉はすべてむしっておくようにしましょう。
その後、株全体の高さが2分の1から3分の1ほど残るように切り落としていきます。株の高さを低くしておくことで、日光が均一に当たるようになり、根の活性化につながるためです。
また、栽培中のアイスバーグが四季咲き性の場合、8月下旬~9月上旬にかけて軽めの剪定を施すことがあります。秋の開花時期をそろえるためです。全体の高さが4分の3程度になるように枝先を軽く切り落とし、枯れ枝や弱弱しい枝があれば、取り除いておきましょう。
鉛筆より細い枝は切り落とす
株の高さを低くできたら、次は鉛筆よりも細い枝はすべて切り落としていきましょう。そのほか、以下のような枝も同時に切り落としておきます。
- 細く弱った枝
- 枯れ枝
また、やわらかすぎる枝は花を咲かせない枝であるため、太い枝であってもつけ根から切り落としておきます。重なり合っている枝もつけ根から切り落としておきましょう。
新芽が出た後のお手入れ
剪定後、1~2カ月経つと枝先に新芽が出てくるはずです。芽が伸び悩んでいる枝を放っておくと病気を引き起こす原因となるケースがあるため、新芽の上で切り落としておきましょう。芽がまったくつかない枝は残しておいても花が咲かないため、つけ根から切り落とすようにします。
【つる性(クライミングローズ)】の剪定
続いて、つる性のアイスバーグの剪定時期や方法について解説していきます。木立性のアイスバーグとは剪定時期が少し異なるため、その点に注意しながら剪定をおこなうようにしてください。
剪定時期は12月~1月
つる性のアイスバーグも冬の時期に剪定をおこないますが、フロリバンダよりも少し早めの12月~1月ごろに剪定をします。後述する誘引作業も同時期におこないます。これ以降になって寒さが増すと、枝が硬くなって曲げにくくなるからです。
新しい枝は残して不要枝は切り落とす
新しく伸びた太い枝のことをシュートといいます。このシュートから元気な芽が出て大きな花を咲かせるため、シュートを残すようにしましょう。そのほかの枯れ枝や弱った枝はすべて切り落としていきます。
誘引の際は間隔を空けておこう
誘引の際、枝同士の間隔が狭いと日当たりが悪くなり、つぼみがつきにくくなります。指の太さほどの枝は手のひら程度、鉛筆以下の太さの枝ならこぶしひとつぶん程度の間隔が空くように誘引しましょう。支柱やアーチに誘引する際は、花を咲かせたい位置に枝がくるように、水平や放射状になるようにひもで縛っていきます。
アイスバーグの剪定に困ったら……
アイスバーグはうまく剪定できれば、花つきがよくなり、たくさんの美しい花々を咲かせることができます。しかし、花つきが悪いようであれば剪定に問題があることも……。剪定のコツがつかめずお悩みの際は、業者に相談してみてはいかがでしょうか?
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アイスバーグの育て方~鉢植え編~
ベランダなど限られたスペースでアイスバーグを育てたい場合、木立性(ブッシュ形)なら鉢植えで育てられるためおすすめです。ここでは、鉢植えで育てる際に気を付けることをご紹介しています。
鉢植えで気を付けること
アイスバーグを鉢植えで育てるなら、根が張りやすい10号サイズの深型の鉢が適しています。また、植え替えを楽にするためには、プラスチック製の上げ底で底面に排水口がついている軽い鉢がおすすめです。
用土は、赤玉土やバラ専用として市販されている水はけのよい土を使うとよいでしょう。植え付け後は、肥料を定期的に与えるようにします。
- 1~2月:油かすなどの有機肥料を与える
- 3月4月6月:芽を出させるために即効性の化成肥料を与える
- 5月(開花ピーク時):1~2週間に一度、液肥を与えておくと活発に開花する
- 9月:株を回復させるために化成肥料を与える
以上、アイスバーグの剪定方法から鉢植えで気を付けてほしいことをご紹介してきました。このコラムを参考にアイスバーグを剪定して、きれいな花をたくさん咲かせることができれば幸いです。
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