大切な芝生をきれいに保つのに効果的なエアレーション。土壌を改善することで、芝生のトラブルや病気の予防効果が期待できます。
しかし、エアレーションが芝生をきれいに保つのに効果的といわれても、使用する道具やエアレーションのやり方もわからない方が多いかと思います。
また、エアレーションは地道に穴をあけていく作業のため「しんどい」「もうやりたくない」と悲鳴をあげる方も少なくありません。
そこで今回は、芝生のエアレーションについて詳しく解説します。本記事を読むことでわかることは下記のとおりです。
- エアレーションをやるメリット
- エアレーションで使用する道具
- エアレーションの具体的な作業手順・エアレーションを少しでも楽に実践できる方法
エアレーションを実践して、芝生をきれいにキープしたい方はぜひ最後まで読んでみてください。
芝を張ってから2~3年以内ならエアレーションは不要
エアレーションをおこなう前に知っておきたいこととして、芝を張ってから2~3年以内であればエアレーションは必要ありません。
芝張りしたばかりのときはまだ土が柔らかく、エアレーションをしても大きな効果は期待できません。不必要に芝を痛めつける恐れがあるため、芝を張ってから2~3年以上経ってからエアレーションをしましょう。
エアレーションをやるメリット
エアレーションにはさまざまなメリットがあります。穴をあけて土壌を改善することで、病気の予防ができたり、芝生の成長を促進できたりと、さまざまな効果を得られます。
- 土壌に酸素を供給できる
- 根切りによって根の新陳代謝を促進できる
- 病気を予防できる
次で各メリットを順番に解説していきます。
土壌に酸素を供給できる
エアレーションは地面に穴をあけていくため、土壌の通気性がよくなり酸素を供給することができます。土壌に酸素を供給できることで、芝生の根や土にいる微生物の呼吸を助け、土壌の改善を促すことが可能です。
芝生は人が歩くたびに、どんどん土が圧迫され固まっていきます。土が固まったことで空気が入る隙間を失い、呼吸がしづらい・栄養を上手く吸収できない土壌へと悪化していきます。
つまり、固まって呼吸困難になってしまった土壌を柔らかくすることが、エアレーションの目的の一つです。
土壌が硬いままだと、芝生の成長を阻害し病気などのトラブルも発生しやすいため、年に1~2回エアレーションをして健康な土壌を保ちましょう。
根切りによって根の新陳代謝を促進できる
エアレーションで芝生を根切りすることによって、芝生の成長を促す効果があります。切った刺激によって根の伸びが促進され、より土中の深くまで根が根付くからです。
また、エアレーションで古い根を切ることにより、新しく生える根の成長を助け、芝生の根が正常な新陳代謝を保つことを助けられるメリットがあります。
病気を予防できる
エアレーションをすることで、排水性を高め芝生の病気を予防する効果が期待できます。
雨が降ったあとの土壌は水はけが悪く蒸れた状態です。そのため、芝生がどんどん弱っていき病気にかかりやすくなりますが、エアレーションをすることで排水性が向上し、水はけのよい土壌になります。
エアレーションで土をほぐして柔らかくし、水が染み込みやすい土質に改善することで、病気にかかりにくい土壌をつくることができます。
※1 対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。※2 手数料がかかる場合がございます。一部加盟店・エリアによりカードが使えない場合がございます。
エアレーションで使用する道具
エアレーションで使用する道具は下記のとおりです。
- 芝生に切れ込みを入れるローンスパイク
- 土壌に穴をあけ土を抜き取るローンパンチ
- 足に装着して手軽に穴をあけられるガーデンスパイク
下記の表に各道具の特徴をまとめましたので、よろしかったら参考にしてください。
エアレーション道具 | エアレーション効果 | 手軽さ |
---|---|---|
ローンスパイク | ○ | ○ |
ローンパンチ | ◎ | △ |
ガーデンスパイク | △ | ◎ |
※商品価格は通販サイト楽天の最安値を記載(2022年6月21日時点)
芝生に切れ込みを入れるローンスパイク
キンボシローンスパイクJr 1,180円+送料660円
スパイクを土に挿し込むローンスパイク。古い根を切ることで水や肥料の吸収をサポートし、新陳代謝を促進する効果が期待できます。しかし、体重をかけて足で踏み込む作業のため、相応の体力を必要とします。
体力に自信のある方におすすめです。
土壌に穴をあけ土を抜き取るローンパンチ
キンボシローンパンチX 2,780円
土壌に穴をあけるだけでなく、土まで抜き取ってくれるローンパンチ。ガーデンスパイクと比較して大きい穴をあけるため、作業が終わってから目土を入れてあげる手間がありますが、エアレーション効果が高いのが特徴です。
サクサクと芝生に穴をあけることができ、かき出した土を回収できる受け皿を設置できる利便性があります。
ローンパンチ補修〜
ドライヤーで注ぎ口を小さくしようとしたけど、近ごろのペットボトルはドライヤーぐらいでは縮まんのですね。?
これでも使用に支障は無いからいいか
2lペットボトルは容量が大きくていいね。? pic.twitter.com/lpiiux0hBR— kanya 109 (@kanya901) May 23, 2022
受け皿を設置すればエアレーション後にわざわざ土を回収する手間が省けるため、後片付けが楽になります。
手間や時間がかかってもしっかりエアレーションをしたい方におすすめです。
足に装着して手軽に穴をあけられるガーデンスパイク
ガーデンスパイク 2,480円
足に直接装着し、芝生を踏みつけるだけでエアレーションができる手軽さが魅力です。歩きながら芝生に穴をあけられるため、運動しながらエアレーションもできてしまいます。
ただ、あけられる穴が小さいこともあり、ローンパンチなどと比較するとエアレーションの効果はあまり期待できないため、手軽にエアレーションをしたい方におすすめです。
エアレーションの作業手順
ここからはエアレーションの具体的なやり方について解説します。エアレーションに取り組む前の準備や、穴あけ後の芝生へのケアなどについて詳しく解説していくため、正しい方法を把握してからエアレーション作業に取り組みましょう。
エアレーションの作業手順は下記のとおりです。
- 芝刈りをする
- 穴を開けていく
- 抜いた土を回収する
- 目土後に水やりをする
順番に解説します。
芝刈りをする
まずは伸びた芝生を刈ることから始めます。
芝生が伸びていて、土が見えにくい状態で穴あけをするのは非効率です。エアレーションでは穴を均一な間隔であけていきますが、芝刈りをしていないと草が邪魔をして穴あけした位置が見えづらいため作業しづらいです。
事前に芝刈りをしておくことで、エアレーション作業が楽になります。
穴をあけていく
芝刈りが終わったらいよいよ穴をあけていきます。
穴をあける間隔は、5cm間隔で均一にあけましょう。間隔をさらに狭くして、穴を多くあければあけるほどエアレーションの効果も高くなりますが、それだけ時間と労力がかかります。
また、穴は深くあけた方がエアレーションの効果がより高くなります。穴を深くあけることで、古くなった根の奥底まで刺激を与えることができるため、根の新陳代謝を促すことが可能です。
ただ、穴を深くあけるのも時間と労力がかかるため、ご自身の体力と相談しながら無理のないようにおこないましょう。
上記で紹介した穴あけ道具を使った動画がありますので、よろしかったら参考にしてください。
抜いた土を回収する
穴あけが完了したら、土壌から取り出した土が散乱するため、目土をまく前に土を片付けましょう
また、水やりをしてからエアレーションをした場合、土は湿っているためホウキなどで掃くと時間がかかりますが、トンボを使えばスムーズに片付けることができます。
「抜いた土を片付けるのが面倒くさい」という方は、先ほど紹介した「ローンパンチ」に受け皿を装着して作業すると片付けの手間を減らせます。効率よく作業したい方は試してみてください。
目土後に水やりをする
散乱した土を片付けたら、目土をまいていきます。土中の乾燥を防ぎ、根が紫外線に当たってダメージを受けることを防ぐ効果があるため、欠かさないようにしましょう。
また、日頃から土壌の水はけがよくないと感じているようであれば、通気性の高い目砂をまいておくとその後の管理が楽になります。
最後は、ブラシなどを使って目土を均一にならし、水を芝生全体にまんべんなく与えれば作業完了です。
※1 対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。※2 手数料がかかる場合がございます。一部加盟店・エリアによりカードが使えない場合がございます。
エアレーションの適切な時期は春と秋
エアレーションの実施に適した時期は春と秋で、反対に適さない時期は夏と冬です。
紫外線の強い夏にエアレーションをすると、土中の根に大きなダメージを負わせてしまいます。また、冬は休眠時期に入っているため、エアレーションをしても土壌改善効果は期待できません。
さらに細かくいうと、エアレーションの適切な時期は暖地型と寒地型で少し異なるため、次で順番に解説します。
暖地型芝生は3~6月と9月
暖地型は地温が15度以上の時期にエアレーションをおこなうのが適切で、目安としては3月中旬ごろ〜6月と、休眠前の9月ごろです。
なお、この時期で最もおすすめするエアレーションをおこなうタイミングは5月です。梅雨入り前に土壌の通気性を改善しておき、梅雨に備えるとよいでしょう。
寒地型芝生は3~5月と9~10月
寒地型は地温が5度以上の時期にエアレーションをおこないます。目安としては3月中旬~5月ごろと、9月半ばから10月ごろです。
5度以上からエアレーションをおこなえるため、割りと季節に左右されることなく作業ができますが、暑さに弱く22度以上になると夏枯れを起こすおそれがあります。
そのため、真夏の時期にエアレーションをおこなうと芝生に大きなダメージを与えるため、真夏の時期は避けましょう。
芝生のエアレーションに関するよくある質問と回答
これまで芝生のエアレーションについて解説してきましたが、まだまだエアレーションについて疑問点などもあるかと思います。ここでは、芝生のエアレーションについてよくある質問に回答します。
- エアレーションをやりすぎるとどうなる?
- エアレーションの道具は別のもので代用できる?
- 疲れないためのコツはある?
順番に回答します。
エアレーションをやりすぎるとどうなる?
エアレーションをやればやるほど効果があると思うかもしれませんが、やりすぎると芝生の根を痛めてしまい、土壌がどんどん悪化していきます。
へたをすると、エアレーションをやる前より土壌を悪化させかねないため、やりすぎるのは避けましょう。回数の目安としては、1年に1~2回やれば十分です。
また、エアレーションを頑張りすぎることで、芝生のお手入れが嫌になり投げ出す方も少なくありません。無理をしたことでお手入れを投げ出してしまい、芝生の状態を悪くしていたら本末転倒です。
ご自身が無理のない範囲で、芝生のお手入れをするとよいでしょう。
エアレーションの道具は別のもので代用できる?
結論をいえば、エアレーション専用の道具以外でも可能です。100均のアイテムでも代用はできるため費用が浮きますが、エアレーションの道具を使うのと比較して多大な時間や労力がかかります。
かかる時間や労力のことを考えると、代用することはおすすめしません。しかし、少しでも費用を抑えてエアレーションをやってみたい方もいるかと思いますので、下記にエアレーションができる100均アイテムをまとめます。
- ドライバー
- スコップ
- フォーク
- 熊手
上記のアイテムでもエアレーションはできますが、しゃがんで作業する必要があったり、あけられる穴のサイズが小さかったりと労力がかかるわりに、土壌改善の効果もあまり期待できません。
エアレーション専用の道具のほうがはるかに作業が楽で時短になるため、エアレーション専用の道具を使うことをおすすめします。
疲れないためのコツはある?
疲れないためのコツとしておすすめなのは、エアレーションをおこなう前に水やりをすることです。芝生の土が濡れていると穴あけにかける力が少なくてすむため、効率よくエアレーションをおこなえます。水やりが面倒ということであれば、雨が降った日の翌日にエアレーションをおこなってください。
また、穴をあける間隔を広くすると、単純にあける穴の数が減るため労力が少なくすみます。ただし、穴をあける数が減るとエアレーションの効果も下がるため注意が必要です。ご自身の体力と相談しながら、穴をあける間隔を調整するとよいでしょう。
まとめ
今回は、芝生のエアレーションについて解説しました。
本記事の要点をまとめると下記のとおりです。
- 芝を張ってから2~3年以内ならエアレーションは不要
- エアレーションの適切な時期は春と秋
- 夏と冬にエアレーションをやるのは芝生に負担がかかるためNG
- エアレーションは年間で1~2回やれば十分
エアレーションは、芝生をきれいに保つうえでとても重要な作業です。少なくとも1年に1回はエアレーションをして、大切な芝生を健康に育てていきましょう。
芝生のエアレーションはお庭110番にお任せください
芝生のエアレーションを楽にするコツなどを紹介しましたが、面倒かつ体力を使うことにかわりありません。また、いくらエアレーションをしても芝生の病気などのトラブルが解決しないこともあるかもしれません。
芝生のお手入れでお悩みの方はぜひ当サイト「お庭110番」にご相談ください。ご要望に応じて芝生のエアレーションや芝刈りや張替え、芝生をはじめお庭のお手入れに対応できる最適な業者をご紹介いたします。
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※対応エリア・加盟店・現場状況等により記載内容の通りには対応できない場合がございます。