「庭木の剪定がうまくいかない……。」
せっかく庭木の剪定をしても、すぐに大きくなり、枝葉が生い茂ってしまっていませんか?
じつは、庭木の剪定は、コツさえつかめば、年に1回のお手入れだけで樹形をコンパクトに維持することができます。
庭木の剪定は、剪定時期、切るべき枝、切る箇所がとても重要です。
これらを見極めれば、庭木がすぐに大きくなるのを防ぐことができます。
庭木のお手入れを減らしたい方は、ぜひこの記事でご紹介する方法を試してみてください。
この記事では、庭木のお手入れが年に1回で済む剪定のコツをご紹介しています。
- 庭木の剪定時期
- 切るべき枝10種類
- 枝を切るコツ
- 剪定に最低限必要な道具
この記事を読んでいただければ、今後はすぐに枝葉が生い茂ることがなくなり、庭木のお手入れが格段にラクになりますよ。
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合同会社ガル事務所/最高経営責任者・ひきこもり支援相談士
庭木の剪定は年に1回春先だけでもOK
庭木の剪定は、見た目をそれほど気にしないのであれば、年に1回だけでの剪定でもOKです。
新芽が芽吹く前の3月下旬~4月下旬に樹形を乱す枝を切る剪定(間引き)をおこなえば、コンパクトな状態を維持することができます。
庭木のお手入れをなるべく減らしたいという方は、年に1回春先に剪定をおこなうとよいでしょう。
ただし、よりキレイな樹形を維持したいのなら、年に2回(春と秋)の剪定がおすすめです。
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キレイな樹形を維持するならば年2回(春・秋)剪定する事が理想です。
年1回の場合は新緑期に入る前の春先に弱剪定(間引き・透かし)にて 徒長枝や絡み枝やひこばえなどを枝払いして樹形を整えます。
新緑期は、枝が成長し始める5月を指します。
弱剪定は、不要な枝を取り除く剪定のことをいいます。
詳しくは、この記事の別章「キレイな樹形を維持するなら春と秋の剪定がおすすめ」で解説しているので、そちらもぜひご確認ください。
もし、木が大きく育ちすぎていて、一度小さく整えたいといった場合は、冬にコンパクトに整える強剪定をおこなうとよいでしょう。
冬は基本的に木の休眠期になるため、太い枝を切ってもダメージを最小限に留めることができます。
強剪定のやり方は、以下の記事で詳しく解説しているので、小さくしたい方はぜひ読んでみてください。
切るべき枝は10種類
庭木の剪定は、見栄えの悪い枝や、伸びている方向が悪い枝などを取り除くのが基本です。
切るべき枝は、不要枝と呼ばれ、おもに以下の10種類の枝のことを指します。
不要枝をしっかり取り除くことで、樹形が乱れるのを防ぎ、今後のお手入れがラクになります。
■ 立ち枝
上に真っすぐ伸びている枝。見栄えが悪くなる。
■ からみ枝
枝同士が絡まっている枝。枝同士がこすれて樹皮が傷つく。
■ 平行枝
同じような枝が平行に伸びている枝。見栄えが悪くなる。
■ 胴吹き枝
幹から出ている枝。見栄えが悪くなる。
■ 枝垂枝
下に伸びている枝。見栄えが悪くなる。
■ ひこ生え
株元から伸びている枝。1本で仕立てているなら不要。
■ 車枝
一箇所から複数生えている枝。樹形が乱れたり、枝葉が混みあったりする原因になる。
■ 内向枝
幹側に伸びている枝。風通し、日当たりを悪くする。
■ 徒長枝
勢いよく伸びている枝。見栄えが悪くなる。
■ 枯れ枝
枯れている枝。見栄えが悪くなる。
※1 対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。※2 手数料がかかる場合がございます。一部加盟店・エリアによりカードが使えない場合がございます。
枝はつけ根と芽の上で切るのがコツ
庭木の剪定は、不要枝を取り除く間引きをおこなってから、樹冠(樹木の上部の葉が生い茂っている部分)から出た枝を切り揃える切り戻しをおこないます。
- 枝の切り方
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- 間引き
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枝のつけ根から切り取る
- 切り戻し
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芽の上数ミリを残して切る
枝が残っていると、見栄えが悪くなったり、切り口から枯れ込むおそれがあるため、しっかり取り除きましょう。
間引き【つけ根で切る】
不要な枝を間引きをおこなうときは、つけ根で切ります。
細い枝は、木バサミでつけ根から切りましょう。
少し太い枝の間引きは、一度剪定バサミで枝をつけ根近くで切ってから、切り口が斜めになるように整えます。
斜めに切るのは、腐朽菌の進入、進行を最小限に抑えるためです。
斜めに切ることで、カルスと呼ばれるかさぶたのようなものが傷を覆いやすくなります。
また、切り口が下を向くように、手前から奥に向けて切るのもポイントです。
そうすることで、切り口が目立ちにくくなり、庭木全体の見栄えがよくなります。
無理に一度で切ろうとすると、枝の重みで幹が割けるおそれがあるため、2回に分けて切りましょう。
さらに太い枝の間引きをおこなうときは、ノコギリで枝のつけ根の筋状の部分より、少し前で切ります。
幹に近すぎたり、根を残しすぎたりすると、腐朽菌が侵入して腐朽(腐って崩れる)するおそれがあるため、避けましょう。
正しい位置で切れば、切り口を早く塞ぐことができます。
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付け根を切る場合、幹に近づき過ぎて切り口の表面積が広がらないように気を付けること。
また、斜め外側に向けて垂直に切り落とし切り口面をギザギザに傷付けないようにすること。
切り戻し【芽の上で切る】
間引きで不要な枝を取り除いたら、樹冠(樹木の上部の葉が生い茂っている部分)からはみ出た枝を切り揃える、切り戻しをおこないます。
芽の近く、ギリギリで切ると、芽が枯れるおそれがあるため、芽の上数ミリを残して切りましょう。
芽には、内芽と外芽がありますが、基本的に外芽を残して切ります。
内芽を残すと、枝が幹側に伸びてしまい、不要枝になることが多いからです。
切り戻しをするときは、樹冠より深い位置で切ると、切り口が目立ちにくくなります。
庭木の剪定に最低限必要な道具
庭木の剪定に最低限必要な道具は、以下の3つです。
- 直径1.5cmほどの枝は剪定バサミ
- 細い枝は木バサミ
- 太い枝はノコギリ
庭木に使用するハサミは、枝の太さに合わせて使い分けましょう。
高い位置にある枝は、脚立に乗って剪定します。
脚立を使って剪定するのが怖いという方は、長い柄の先にハサミがある高枝切りバサミを使うのがおすすめです。
安全面を考え、なるべく1人での作業を避け、2mを超えない程度を目安に剪定をしてください。
不安定な場所での脚立の使用は危険です。脚立を使用する際は、ロープなどで木の幹に縛り付け、安定させてから作業をおこないましょう。
剪定道具の種類や使い方は、以下の記事でも解説しているので、より詳しく知りたい方はぜひ読んでみてください。
直径1.5cmほどの枝は剪定バサミ
剪定バサミは、剪定でよく使われているハサミです。
直径1.5cmほどの太さの枝の剪定に最適です。
剪定バサミは、奥へ押すようにして切ると、少ない力でラクに切ることができます。
細い枝は木バサミ
木バサミは、直径1cmくらいまでの細い枝の剪定に最適なハサミです。
剪定の仕上げや、樹冠内部の枝を切るときに使います。
直径5mm以下の枝を切るときは刃先を使い、直径5mm以上の枝を切るときは、刃の根元あたりを使うと切りやすいです。
太い枝はノコギリ
剪定ノコギリは、剪定バサミで切れないような太い枝を切るときに使用します。
一般的な木工用の両刃のノコギリではなく、剪定用の片刃のノコギリを使いましょう。
枝をしっかり手で抑えてから、ノコギリを引いて切るのがコツです。
※1 対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。※2 手数料がかかる場合がございます。一部加盟店・エリアによりカードが使えない場合がございます。
庭木の高さ別!剪定にかかる費用の相場
庭木の剪定で失敗しないか不安という方は、プロに剪定を依頼するのもよいでしょう。
しかし、いくらかかるものなのかわからないと、なかなか依頼しづらいですよね。
そこで、お庭110番は弊社加盟店の剪定費用データを集め、相場を出してみました。
以下は、木の高さ別の剪定費用相場をグラフにしたものです。
- 3m未満:11,500円
- 3~5m未満:19,500円
- 5~7m未満:39,286円
- 7m以上:55,071円
剪定費用は、木が大きければ大きいほど高くなりやすいです。
また、松の剪定など、技術が必要な樹木は高くなります。
剪定費用については、以下の庭木の剪定料金の相場の記事でも詳しくご紹介しているので、ぜひ読んでみてください。
庭木の剪定費用が高くなるケース
庭木の剪定は、以下のように依頼の条件や現場の状況によって、費用が高くなることがあります。
- 早急に剪定してもらいたい
- 作業当日に追加の作業を依頼したい
- 作業場所が散らかっている
- 要望が正確に伝わっていない
業者は依頼内容に合わせて予定を立てているため、すぐに剪定したい場合は費用が高くなりやすいです。
当日の作業の追加や、作業場所を片づける必要があるなどの予定外の作業も費用が高くなります。
また、要望が正確に伝っていない場合も、想定していた内容と違う作業になるため、費用が高くなります。
庭木の剪定費用が高くなるのを避けるためにも、これらのことに気をつけましょう。
庭木の剪定費用を安く抑える4つの方法
庭木の剪定費用をできるだけ安く抑えたい方は、以下の4つの方法をぜひ参考にしてみてください。
- 相見積りを取る
- 閑散期(1月~3月)に依頼する
- ゴミの処分は自分でする
- 作業をまとめて依頼する
順番にご説明します。
相見積りを取る
庭木の剪定を依頼するときは、最低でも2社以上は見積りを取りましょう。
設定している料金は業者によって異なるため、複数社の見積りを比較をすることで、より安く依頼できる業者を見つけることができます。
ただし、見積りは無料で受け付けていても、出張料やキャンセル料が発生するところもあります。
見積りを依頼する際は、事前に見積り以外の料金についても聞いておくことをおすすめします。
見積りの金額を確認するときは、費用相場より高すぎないか、安すぎないかも確認するとよいでしょう。
なにより、納得のいく金額で剪定してくれる業者を選ぶことが大切です。
お庭110番では、現地調査・見積りを無料※でおこなっている業者をご紹介しています。
※対応エリア・加盟店・現場状況等により記載内容の通りには対応できない場合がございます。
見積りを依頼する際は、ぜひお庭110番にもご相談ください。
※1 対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。※2 手数料がかかる場合がございます。一部加盟店・エリアによりカードが使えない場合がございます。
閑散期(1月~3月)に依頼する
閑散期の1月〜3月に依頼するのも、安く抑えるコツです。
1月〜3月は木の成長が止まるため、剪定の依頼も少なくなり、安くなりやすいです。
この時期は、大きな剪定に向いているため、年に1回の剪定でも、樹木の樹形が大きくなりすぎるのを防ぐことができます。
お盆前や年末前は親戚が集まる前にキレイにしたい人が多く、依頼が増加する傾向があるため、安く抑えたい場合は避けるとよいでしょう。
ゴミの処分は自分でする
剪定で切った枝や葉は、自分で処分すると安く抑えることができます。
業者に剪定を依頼した場合、枝葉の処分にもお金がかかるため、自分で処分をすればその分安く抑えられます。
枝の分別方法は、自治体によって異なりますが、可燃ごみとして捨てられることが多いです。
袋に入りきらない場合は、短く切ってまとめましょう。
作業をまとめて依頼する
剪定以外の作業も依頼する予定があるなら、まとめて依頼をしたほうが安く済みます。
剪定業者は、庭木の剪定以外にも、除草や芝生の刈込み、花壇の設置などが依頼できるところがあります。
そのような作業は、バラバラに依頼するより、まとめて依頼をしたほうが効率よく作業がおこなえるため、安く抑えることができます。
見積りを依頼する際は、事前に気になる場所や、してほしい作業を伝えておくとよいでしょう。
キレイな樹形を維持するなら春と秋の剪定がおすすめ
剪定は、年に1回だけでも十分です。
しかし、よりキレイな樹形を維持するなら、年に2回(春・秋)に剪定するのがおすすめです。
剪定時期の目安は、樹木の種類によって異なります。
庭木の種類 | 強剪定 | 弱剪定 |
---|---|---|
常緑広葉樹 | 3月~6月 | 9月~11月 |
常緑針葉樹 | 3月~4月 | 9月~11月 |
落葉広葉樹 | 12月~3月 | 9月~11月 |
落葉針葉樹 | 12月~3月 | 9月~11月 |
強剪定は、太い枝を切って、コンパクトにする剪定です。
弱剪定は、不要な枝を取り除く剪定です。
年2回の剪定は、樹木の種類に適した時期・方法でおこないましょう。
常緑広葉樹は3月~6月、9月~11月
常緑広葉樹は、一年中緑の葉をつけている広葉樹(平たい葉を持つ樹木)です。
常緑広葉樹は寒さに弱いため、冬が終わったタイミングの3月〜6月に強剪定をおこないます。
真夏に太い枝を切ると木が弱るため、避けましょう。
弱剪定は、9月〜11月におこないます。
シマトネリコ、ツバキ、キンモクセイ、サカキ、クロガネモチ、アオキなど。
常緑針葉樹は3月~4月、9月~11月
常緑針葉樹は、一年中緑の葉をつけている針葉樹(針のような尖った葉を持つ樹木)です。
新芽が出る3月〜4月に強剪定をおこないます。
夏の剪定は枯れるおそれがあるため、9月〜11月に弱剪定をおこないます。
マツ、スギ、ヒノキ、ゴールドクレストなど。
落葉広葉樹は12月~3月、9月~11月
落葉広葉樹は、冬に葉を落とす広葉樹(平たい葉を持つ樹木)です。
日本で庭木として利用されている針葉樹のほとんどが常緑性です。
落葉広葉樹の樹形を小さくしたい場合は、12月〜3月に太い枝を切ります。
葉が生い茂っている真夏に枝を切ると弱ってしまうため、9月〜11月に弱剪定をしましょう。
サクラ、カエデ、ウメ、ケヤキなど。
落葉針葉樹は12月~3月、9月~11月
落葉針葉樹は、冬に葉を落とす針葉樹(針のような尖った葉を持つ樹木)です。
落葉針葉樹は寒さに強いため、12〜3月に太い枝を切りましょう。
9月~11月に枯れ枝を落とすなどの弱剪定をおこないます。
カラマツ、メタセコイア、ラクウショウなど。
庭木の形をより美しく仕上げるならお庭110番にお任せ!
「庭木を一度プロの人に整えてほしい。」
「庭木を今度お手入れしやすいように整えてほしい。」
このようなご要望は、ぜひお庭110番にお聞かせください。
お庭110番では、全国に加盟している剪定業者の中から、ご相談内容に合った業者をご紹介しています。
ご連絡いただければ、ご紹介した剪定業者が現地に向かい、見積りを提示いたします。
相見積りも大歓迎※ですので、お気軽にご相談ください。
※対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。
※1 対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。※2 手数料がかかる場合がございます。一部加盟店・エリアによりカードが使えない場合がございます。
まとめ
庭木の剪定は、年に1回だけの剪定でもOKです。
新芽が芽吹く前の3月下旬~4月下旬に剪定をおこなえば、コンパクトな樹形を維持できます。
ただし、よりキレイな樹形を維持したい場合は、年2回(春と秋)の剪定がおすすめです。
剪定は、不要な枝を取り除く間引きと、樹冠からはみ出た枝を切る切り戻しをおこないます。
間引きは枝のつけ根から切り取り、切り戻しは芽の上数ミリを残して切るのがコツです。
枝を切るときは、枝の太さに合ったハサミを使って切りましょう。
庭木をより美しく整えたい場合は、剪定のプロに任せるのがおすすめです。
お庭110番では、剪定業者を多数ご紹介しています。
剪定業者をお探しの際は、ぜひご連絡ください。
商社での切花の輸出入業務の経験を活かし、25歳のときに独立。以来お花と樹木に30年以上関わり続けている。ひきこもり支援相談士としての活動では、お花や樹木に触れることで情緒の安定や老人介護施設での痴ほう療養に貢献する『園芸療法』や、過疎地での独立就農支援のための花卉栽培技術指導に力を入れている。東日本大震災の際にはボランティア活動として花苗栽培と植込みを行うなど、造園業界に新風を吹かせるべく、日夜奮闘中。