庭木の伐採方法について調べていると「特殊伐採」という見慣れない単語を目にして困惑しませんか?
特殊伐採とは、簡単に言うと「木を切り倒さず伐採する」ことを指します。通常の切り倒す伐採と比べると難しいですが、狭い場所に生える木も伐採できるなど多くのメリットがあるのです。
ここでは以下の内容をご紹介していきます。
- 特殊伐採の基本的な手順
- 特殊伐採の費用相場
- 業者が特殊伐採をするために必要な勉強
最後まで読んでいただければ、特殊伐採が何なのかがわかるだけでなく、特殊伐採に対応できる業者もわかるようになります。「素人目でも庭木の伐採が難しそう……」「今すぐではないけれど伐採を考えている」という方も、ぜひご覧ください。
特殊伐採とは「木を切り倒さない伐採」
特殊伐採とは、木を根元から切り倒さず、木に登って上から順に少しずつ切っていく伐採方法です。「なぜそんな面倒な方法を?」と思われるかもしれませんが、特殊伐採をおこなう理由とメリットがあるからです。
- 木を切り倒さないので、近くに建築物や電線があっても巻き込まずに伐採できる
- クレーンや高所作業車などの重機が入れない狭い場所でも人力で伐採できる
重機に頼らず、技術と経験で伐採が難しい木も切る特殊伐採は注目の伐採方法です。「隣家や電線が近すぎて伐採できないだろう……」と考えてしまう一見伐採が不可能な庭木も、特殊伐採なら対応できるかもしれません。
特殊伐採の基本的な手順
特殊伐採は高いロープワーク(ロープの取り扱い方)技術を駆使して木に登り、上から順に伐採していきます。現場によって細かい方法は異なりますが、ここでは実際の特殊伐採の手順をご紹介します。
- 木に登る
- 引き上げたチェーンソーで枝を切り落とす
- クレーンで木を吊るしながら上から切っていく
- 根元を伐採するまで繰り返す
参考動画:特殊伐採 つるし切り(最終閲覧日:2021年10月12日)
また、場所によってはクレーンなどの重機を使わない場合もあります。その際はロープなどを駆使して安全に伐採した木を地面に下ろします。
参考動画:株式会社マルイチ 特殊伐採の現場 ~中央旧線/塩尻~(最終閲覧日:2021年10月12日)
特殊伐採の費用相場は木の大きさと難易度に左右される
特殊伐採を含む伐採費用は以下の要素から決まることが多いです。
- 木の高さ(m)
- 幹の太さ(m)
- 作業の難易度(1.0~3.0などの係数)
- オプション(処分・重機レンタル・誘導員の配置など)
例えば「木の大きさに応じた単価×難易度に応じた係数+オプションの費用」という式で計算します。
特殊伐採では作業難易度が高い木を伐採するので、通常の伐採と比べて高額になりがちです。実際の費用は現地で見積もってもらうのが一番ですが、ここでは伐採業者の公式サイトから大まかな相場を計算しました。
- 木の高さ:8m(一般的な2階建ての家の高さ)
- 幹回り:1.5m
- 伐採する木の重さ:約1.2t
- 重機は使用しない
- 作業難易度は最低と最高の値の中間を選択
オコマリ | 55,000円 |
LENNON FOREST CREATIONS | 47,500円 |
株式会社匠コーポレーション | 56,000円 |
TREESERVICE 空師.ngo | 100,000円 |
木村グリーンメンテナンス | 32,000円 |
※公式サイト最終閲覧日:2021年10月12日
これらの金額を平均した相場は58,100円となりました。特殊伐採の費用の目安としてぜひ参考にしてください。
ここまで特殊伐採の方法や費用についてご紹介しました。
なかには「伐採費用を節約するために自分で特殊伐採できないか?」と思う方がいるかもしれません。しかし、それはおすすめしません。特殊伐採の仕事は特別教育の受講が必要になるほど危険な作業だからです。
※1 対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。※2 手数料がかかる場合がございます。一部加盟店・エリアによりカードが使えない場合がございます。
特殊伐採を仕事にするには特別教育の受講が必要
平成28年の改正労働安全衛生規則より、仕事として特殊伐採をするにはロープ高所作業の特別教育を受ける必要があります。特別教育については労働安全衛生法にも記されており、ロープ高所作業も「特別教育の必要な対象業務」に含まれています。
第五十九条 事業者は、労働者を雇い入れたときは、当該労働者に対し、厚生労働省令で定めるところに
より、その従事する業務に関する安全又は衛生のための教育を行なわなければならない。
2 前項の規定は、労働者の作業内容を変更したときについて準用する。
3 事業者は、危険又は有害な業務で、厚生労働省令で定めるものに労働者をつかせるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務に関する安全又は衛生のための特別の教育を行なわなければなら
ない。引用元:安全衛生情報センター(最終閲覧日:2021年10月12日)
そんなロープ高所作業の特別教育では以下のことを習います。
引用元:厚生労働省(最終閲覧日:2021年10月12日)
教育科目 内容 時間 学科教育 1 ロープ高所作業に関する知識 ロープ高所作業の方法 1時間 2 メインロープ等に関する知識
- メインロープ等の種類、構造、強度、取扱い方法
- メインロープ等の点検と整備の方法
1時間 3 労働災害の防止に関する知識
- 墜落による労働災害の防止のための措置
- 安全帯、保護帽の使用方法と保守点検の方法
1時間 4 法令関係 法、令、安衛則内の関係条項 1時間 実技教育 1 ロープ高所作業の方法
墜落による労働災害防止のための措置
安全帯と保護帽の取扱い
- ロープ高所作業の方法
- 墜落による労働災害の防止のための措置
- 安全帯と保護帽の取り扱い
2時間 2 メインロープ等の点検 メインロープ等の点検と整備の方法 1時間
これらに違反すると会社や責任者が罪に問われるため、仕事で特殊伐採するなら特別教育の受講が必要です。
仕事とは関係なく自力で伐採するなら違反とはなりませんが、ロープで木に登っての伐採は通常の伐採より遥かに難易度が高いため、素人なら絶対にやめましょう!
特殊伐採に対応できる業者探しはお庭110番にお任せください
もしも伐採が必要になったら当サイト【お庭110番】にご相談ください。
お庭110番はお客様のご相談内容に応じて、お近くの伐採業者をご紹介します。「家よりも高い庭木を伐採してほしい」「住宅が密集している自宅の庭木を伐採してほしい」など、特殊伐採が必要かもしれないお悩みもぜひお伝えください。
また、業者による現地調査・お見積もりは無料(※)です。「まずは費用を知りたい」という方もお気軽にご相談ください。
※対応エリア・加盟店・現場状況等により記載内容の通りには対応できない場合がございます。
参考サイト
- HARD WOOD株式会社(最終閲覧日:2021年10月12日)
- FOREST JOURNAL(最終閲覧日:2021年10月12日)