バイカウツギを剪定するときは、花が咲き終わってから6月~7月ごろまでに済ませておきましょう。8月になると次の年の花芽を作り始めます。8月以降に剪定をおこなうと枝と一緒に花芽も切り落としてしまい、花が咲かなくなるおそれがあるのです。
きれいな花を咲かせるためにも、このコラムでご紹介するバイカウツギの剪定に適した時期と方法を参考にして、剪定をおこないましょう。また、栽培方法なども解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
バイカウツギの剪定方法とは?
バイカウツギの剪定を失敗しないために大切なのは、まず適切な時期と方法を知っておくことです。それぞれ詳しく解説していきます。
剪定時期
バイカウツギは8月ごろから、花を咲かせるための花芽を作り始めます。花芽は冬を越し、翌年の5月~6月ごろに開花期を迎えます。花芽ができてから花が咲くまでの間に剪定をすると、誤って花芽の準備をしている枝を切り落としてしまうおそれがあるのです。
そのためバイカウツギの剪定は、花が咲き終わってから花芽を作り始める間の、6月~7月下旬ごろにおこなうのが最適です。この間に剪定をすれば花芽を切り落としてしまうことはないので、翌年の花付きに悪影響を与えなくて済みます。
必要な道具と手順
剪定を始める前に、まずは必要な道具をそろえましょう。
- 準備するもの
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- 剪定バサミ
- 癒合剤
- 作業用手袋
- 掃除道具
- ゴミ袋
基本的には、上記の道具があれば問題ありません。ただ、剪定する箇所に手が届かなったり太い枝があったりした際に、脚立や剪定ノコギリがあると便利です。では、剪定の手順をご紹介します。
- 手順
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- 古い枝(花付きが悪くなった枝)を株元から切り取る
- 長く伸びて樹形を乱している枝や、ほかの枝を邪魔するように生えている枝は根元から切り取る
- ある程度枝を切ったら終えたら、一度バイカウツギ全体のシルエットを確認し、はみ出しているところがあれば表面に沿って切りそろえていく
- 剪定後、切った枝の切り口に雑菌などの侵入を予防するため癒合剤を塗る
- 最後に切った枝葉をゴミ袋に入れて処分する
剪定した枝でバイカウツギを増やそう
バイカウツギを剪定した枝は、挿し木にして増やすことができます。挿し木用に使う枝は茶色く固くなっている部分を選びましょう。
挿し木に適している時期は、開花する前の3月~4月と開花後の6月~7月です。どちらでも挿し木はできますが、剪定後に挿し木をしたい方は剪定時期である6月~7月がおすすめです。
3月~4月に挿し木する場合は、前の年にあらかじめ挿し木用の枝を切っておきましょう。では、挿し木方法について解説していきます。
- 準備するもの
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- 鉢
- 挿し木用の土(赤玉土がよい)
- 発根剤
- ハサミ
- 手順
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- バイカウツギの枝を8cm~10cmほどの長さで切り取る(切り口は斜めにする)
- 挿し穂(切り取った枝)を水が入った容器に1時間ほどつける
- 挿し穂を水につけている間に鉢に土を入れて、挿し木するところに穴を開けておく
- 1時間つけた挿し穂の切り口に発根剤を塗る
- 土に挿し穂を挿し、倒れないように土で固定する
- 鉢の底から水が出るまでたっぷり与える
バイカウツギの剪定を自力でおこなうのが不安だという方は、業者に依頼することを検討してみてはいかがでしょうか。業者は木に負担をかけない剪定の方法を熟知しているので、安全に樹形を整えることができます。
弊社にご相談いただければ、剪定実績のある業者を弊社加盟店よりご紹介させていただきます。「まずは相談からしたい」という方でもご利用できますので、お気軽にご連絡ください。
※1 対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。※2 手数料がかかる場合がございます。一部加盟店・エリアによりカードが使えない場合がございます。
バイカウツギの栽培方法
バイカウツギを育てるのに大切なのは剪定だけではありません。栽培環境や水やり、肥料の与え方などもうまく育てるためには大切なことです。ここでは、栽培方法をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
育てる場所
バイカウツギは、日が当たる場所で育てると花付きがよくなります。ただし西日が苦手なので、夕方には日陰になる半日陰が最適でしょう。
水やりの頻度
地植えの場合、降雨だけでも充分育つため水を与える必要はありません。ただし、雨が降らない日が続くときは水を与えましょう。鉢植えの場合、土の表面が乾燥したら水をたっぷり与えます。とくに夏場は乾燥しやすいので、朝と夕方の2回を目安に水やりをしましょう。
用土
バイカウツギに使う土は、鉢植えと地植えで異なります。そのため、自分がどちらで育てるかを決めてから土を選ぶようにするとよいでしょう。
鉢植えの場合
赤玉土3:黒土6:腐葉土1で混ぜた土か、市販の培養土を使う。
地植え(庭植え)の場合
植える場所の土に腐葉土や堆肥を混ぜたものを使う。
肥料の与え方
1月~2月に寒肥として緩効性肥料などを与えます。そうすることで、花芽が増えたり、一年間健康を保ったりすることができます。また、開花後にバイカウツギの疲労回復として緩効性肥料を与えましょう。
植え付け・植え替え
バイカウツギの植え付けと植え替え時期は、どちらも2月~3月が適期となっています。地植えした場合は植え替えの必要はありません。しかし、鉢植えした場合は2年~3年に1回、根詰まりを防ぐために植え替えをおこないましょう。
では、植え付け方法について解説していきます。
地植えの植え付け方法
- 準備するもの
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- スコップ
- 腐葉土や堆肥
- 手順
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- バイカウツギを植え付ける場所に根鉢の3倍ほどの穴を掘る
- 土に腐葉土などを混ぜる(水はけをよくするため)
- 購入してきた苗がポット苗の場合は軽く根を崩し、根が麻などで包まれている場合はそのまま土に植える
- 水をたっぷり与える
鉢植えの植え付け方法
- 準備するもの
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- 鉢
- 鉢の底に敷くネットと軽石
- 土(赤玉土と腐葉土を6:4で混ぜたものか、培養土)
- 手順
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- 鉢の底にネット→軽石の順番で敷き、土を入れる
- 購入してきた苗を鉢に植える
- 土を被せる
- 鉢の底から水が出るまでたっぷり与える
植え替え
鉢植えをしたバイカウツギの植え替え方法は、植え付け方法とほとんど同じです。ただ、植え替えする鉢はひと回り大きいものが必要です。もとの鉢から苗を引き抜いたら、黒く変色した根や長くなった根をハサミで切り取ってから新しい鉢に植えます。
植え替えをしないと根詰まりを起こし、枯れてしまう原因となりますので、忘れずにおこなうようにしましょう。
※1 対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。※2 手数料がかかる場合がございます。一部加盟店・エリアによりカードが使えない場合がございます。
注意すべき病害虫
バイカウツギを育てていると、病害虫が発生してしまうことがあります。とくに注意する病害虫は「うどんこ病」と「カイガラムシ」です。この章では、2つの病害虫について解説していきます。発生した際に役立てていただければ幸いです。
うどんこ病
うどんこ病とは、植物の葉に白いうどん粉のような糸状菌(カビ)が発生する病気です。この病気は、土に潜んでいる糸状菌が風に飛ばされて植物の葉につくことが原因で発生します。
うどんこ病を放置していると植物が枯れてしまう原因となりますので、発見した際は早めに対処しましょう。以下では、植物への被害と対処法についてまとめましたのでご覧ください。
発生した場合の被害
植物の葉に5mmほどの白い点ができます。白くなったところは光合成ができなくなり、葉色が変色してしまったり、枯れてしまったりする原因につながります。
対処法
- 酢や重曹を散布する
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うどんこ病の症状が軽い場合は、水で薄めた酢や重曹を散布して病気の進行を止めることが可能です。
- 農薬や殺菌剤を散布する
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酢や重曹で病気の進行を止められない場合は、市販で購入できる農薬や殺菌剤を使用します。ただし、農薬などには決められた散布回数やタイミングがあるので、使用前には必ずパッケージに記載されている使用方法を確認しましょう。
- うどんこ病が発生している箇所を取り除く
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うどんこ病が発生して時間がたつと治すことが難しくなるため、発症している箇所をハサミを使い切り取りましょう。そうすることで、被害が拡大するのを防ぐことができます。
カイガラムシ
カイガラムシは、植物の枝や茎などに寄生し栄養分を吸ってしまう害虫です。体長は1mm~10mmほどで白い殻で覆われているもの、綿みたいにふわふわしているものなどがいます。このカイガラムシが発生ことによる植物への被害や、その対処法について、以下からご紹介していきます。
発生した場合の被害
- すす病が発生する
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カイガラムシの排泄物により、黒いすすのようなカビが発生します。この病気になると、植物の生長が遅くなったり、枯れたりしてしまいます。
- アリやアブラムシが寄ってくる
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カイガラムシの排泄物には糖分が混ざっており、その糖分に誘われてアリやアブラムシが寄ってきます。そのため、カイガラムシを発見した場合は早めに駆除しましょう。
対処法
対処法はカイガラムシが卵、幼虫、成虫の場合で異なってきます。
- 卵の場合
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カイガラムシの卵は、ティッシュを使って拭き取ります。
- 幼虫の場合
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カイガラムシの幼虫を発見した場合は、発生している部分から少し離れた位置で殺虫剤を散布しましょう。散布する前には、必ずパッケージに書かれている注意事項などを確認しておいてください。殺虫剤を使いたくない場合は、古い牛乳を薄めずそのまま散布する方法もあるので、試してみてください。
- 成虫の場合
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成虫は殺虫剤が効きにくいため、ヘラや歯ブラシなどを使いこすり落とします。また、剪定できそうであれば剪定しましょう。
バイカウツギに発生する病害虫は、日照不足や風の通りが悪くなったことなどが原因となります。病害虫の発生を防ぐためにも、バイカウツギのお手入れは怠らないようにしましょう。
万が一、病害虫が発生し困ったときは業者に相談しましょう。その際は、一度弊社へご連絡ください。弊社でご紹介する業者は、剪定以外にも害虫駆除や消毒なども対応できます。お客様のご要望に沿った業者をご紹介させていただきますので、ぜひご利用ください。