刈っても抜いてもすぐ再生するスギナは強害雑草の代表格ですが、無農薬で駆除する方法や、除草剤でスギナだけを駆除する方法もあります。
しかし注意したいのが、やり方によってスギナが増殖してしまうケースです。
- 根っこを掘り返す
- 石灰や肥料で土壌改良する
- バーナーでスギナを焼く
このような方法を間違った認識のままでおこなわないよう、当記事でしっかり正解をおさえておきましょう!
スギナ予防もできる最強の駆除方法は除草剤+防草シートです。
庭の芝生や畑の作物に影響のない除草剤もあるため、どんな場所でもスギナを効率的に駆除できます。
除草剤や防草シートは、選び方ひとつで効果や耐久性が大きく変わるため、最大限の効果を引き出すポイントをお伝えします。
- 芝生や畑でスギナだけを枯らす除草剤と散布のコツ
- 無農薬でスギナを駆除する方法
- スギナの予防対策と、防草効果を長持ちさせるコツ
「地獄草」スギナ対策の嘘・本当
スギナはシダ植物トクサ科で、別名「ツギナ」「ホタルグサ」「ツクシンボウ」とも呼ばれ、初期の姿はみなさんご存じのツクシです。
ツクシの親しみあるイメージとは裏腹に、「地獄草」という異名も持っているスギナ。
ツクシはスギナの胞子茎で、広範囲に胞子を飛ばすことで繁殖し、しつこい栄養茎を大量発生させます。
さらに根茎と塊茎により地下でも繁殖し、広範囲に根深くはびこってしまいます。
駆除の難しさからか、実際には効果のない方法まで広く知られてしまうほど、スギナは厄介な雑草なのです。
スギナは土壌改良で駆除できる?
「スギナはやせた酸性の土地だけに生える」「肥沃な土壌になれば勝手に消える」という説があるため、土壌改善に励んだりそのまま放置したりする人もいるようです。
しかし実際は、土壌改善や放置ではスギナの根っこも胞子の拡散も収まりません。
スギナがご近所トラブルを招く前に退治したいものですが、それには正しい知識が必要となります。
「酸性土壌に生えるスギナには石灰や肥料が効く」と聞いたことがある方は多いと思いますが、ここに大きな誤解があることをご存じでしょうか。
生命力の強いスギナは、他の植物が育たないやせた酸性土壌でも旺盛に育ちます。
しかし、それはほかの植物の少なさから繁殖しやすかっただけのことで、じつは肥料などで中性~アルカリ性に土壌改良するとスギナはさらによく育つのです。
このような事実を知らずに対処をすれば、かえってスギナを増殖させることになってしまうでしょう。
スギナ対策のNG行為と注意点
スギナには厄介な特徴がたくさんあります。
次のような注意点をはじめ、本当に効果のある方法を知った上で作業されることをおすすめします。
- むしっても再生する
- 数ミリの根の切れ端から増殖する
- 刈ると胞子が飛んで増える
- 胞子には除草剤が効きにくい
- 冬の間も地中で成長を続ける
- 放置すると根の層は30cmを超える
また、もし最終的に除草剤を使うことになった場合、地表のスギナが短く刈ってあると薬剤が根まで浸透しないため、安易に刈らないよう注意が必要です。
庭の芝生や畑の「スギナだけ」を除草剤で駆除!
無農薬でスギナ駆除をしたい方にも検討をおすすめしたいのが、スギナだけを枯らす除草剤を使う方法です。
成分が土に残留しないタイプなど希望に合った除草剤を使って、庭の芝生や花壇、畑の作物を守りながら楽にスギナを駆除しましょう。
場所ごとに適した除草剤の種類と、安全に散布するコツをご紹介します。
芝生のスギナ対策
芝生に生えたスギナだけを駆除する除草剤は、「茎葉処理型」の除草剤です。
さらに、茎葉処理型の除草剤にも種類があり、芝生の品種ごとに使用できるものとできないものがあります。
まずはご自宅の芝生が、高齢芝や野芝のようなわりと対応薬剤の多い日本芝なのか、MCPP液剤のような限られた除草剤が使えるブルーグラスなのかを確かめてください。
確認後、茎葉処理型の除草剤の中から対応薬剤を選ぶとよいでしょう。
中にはペントグラス、ペレニアルライグラス、トールフェスクのような、スギナ駆除で除草剤を使えない芝生もあります。
その場合は、除草剤をスギナだけに刷毛塗りしなくてはなりません。
芝生の種類の判別や除草剤の扱いに不安がある場合は、失敗をさけるためにも雑草駆除の業者に相談してみるのが安心でしょう。
畑や花壇のスギナ対策
畑のスギナは、ラウンドアップやサンフーロンのようなグリホサート系の除草剤で駆除できます。
これら「移行型」の薬剤は葉に塗るだけで根まで枯らせるため、手で抜くよりもかなり効率アップできます。
ラウンドアップは農耕地用として使われており、土に落ちた成分も分解されて無害になるため安心して使えます。
作物を気にしない花壇などで、もっと強力にスギナを駆除したい場合は土壌処理型を選ぶと予防効果も期待できます。
土壌処理型を使う場合は土に薬剤の成分が残るため、下記のような使用法がおすすめです。
- 筆や刷毛でスギナに直接塗る
- ビニール手袋+軍手を使って塗る
- ペットボトルをかぶせてスプレーする
筆は周囲の植物への影響を最小限に抑えられますし、【2】はビニール手袋の上から除草剤を染み込ませた軍手をはめることで、筆よりも早くスギナに除草剤を塗布できます。
また、【3】では底を抜いたペットボトルをスギナにかぶせ、その中へ除草剤をスプレーすることでさらに作業がはかどります。
畑のスギナも、このような方法をうまく使い分けて対処するとよいでしょう。
スギナに除草剤をまく時期
スギナ対策で除草剤を散布する場合は、適期を逃さずおこなうことが重要です。
5~6月、草丈が15~30センチメートルの時期に散布するのが最も効果的で、再生してしまったら草丈が15センチメートル以上に伸びるたび散布します。
適期は地域や気候によって左右しますので、出遅れないよう春には準備しておくとよいでしょう。
詳しくは除草剤の使い方をまとめた記事をご覧ください。
※1 対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。※2 手数料がかかる場合がございます。一部加盟店・エリアによりカードが使えない場合がございます。
無農薬!中耕でスギナの根っこを断つ
無農薬ででき、畑に最適なスギナ対策に「中耕」があります。
中耕とは、熊手などを使って土を軽く耕すことで、固くなった地表をほぐして通気性や排水性を改善するための作業です。
作物があり除草剤や防草シートが使えない場所では、定期的に中耕をおこないスギナの根っこを断つことで、再生を遅らせることができます。
ただ、スギナは地中に残った数ミリの根からも再生するため、こまめな中耕で根を断ち続ける必要があります。
しっかり継続できれば、無農薬での予防法としても効果を期待できるでしょう。
超エコ!グッズを使って抜き続ける
無農薬かつエコロジー的配慮もバッチリなのが、スギナをひたすら抜いて抜いて抜き続ける!という手段です。
草抜きが好きな人や、花壇のみなど範囲が狭い場合におすすめで、成功ポイントはスギナの再生力を上回る速さで抜き続けることです。
茎をむしり続ければスギナは光合成できず、やがて弱って再生しにくくなります。
ただ、抜くのが追い付かなければ千切った場所から余計に増えますし、抜くのをやめれば地中に残った塊茎から再発するため、そうさせない継続力が必要です。
なるべく雨のあとにおこないたい草抜きですが、スギナは待ってはくれません。
前もって水をまいておき、便利グッズなども味方にしてがんばりましょう!
スギナ駆除におすすめの草抜きグッズ
季節や体力的な面で、草抜きの継続が難しくなる場合もあるかと思います。
大変なときは気軽に業者の手を借り、以降は自力でキープといった選択肢もありますので、無理のない方法でスギナ根絶を目指してくださいね。
※1 対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。※2 手数料がかかる場合がございます。一部加盟店・エリアによりカードが使えない場合がございます。
注意が必要なスギナ駆除対策
スギナ対策にはさまざまな方法がありますが、中には見当違いな方法や、労力と効果がつり合わないものもあるため注意が必要です。
【誤認あり】石灰や肥料で土壌改良する方法
無農薬でのスギナ対策として、石灰や肥料による土壌改良があげられています。
しかしこれは、「スギナはやせた酸性土壌を中心に生える」=「肥料で中性~アルカリ性の肥沃な土壌にすれば退治できるのでは?」という誤解によるものでした。
冒頭でもお伝えしたように、スギナも他の植物と同様に肥沃な土壌のほうがより育つため、石灰や肥料をまいて放置する方法はおすすめできません。
土壌改良で駆除を試みるのであれば放置を避け、常に栄養たっぷりの土でほかの植物を旺盛に育てることで、スギナが生える余地のない状態にすることを目指すほうがよいかもしれません。
【すぐ再発】バーナーでスギナを焼く
刈った場合よりは再発が遅いようですが、バーナーでスギナを焼いても地中の根は枯れません。
また、焼き畑農業というものがあるように、ミネラルたっぷりのスギナを焼くことで栄養価の高い灰が土壌を活性化し、さらに元気なスギナが生えるという悪循環になるおそれも……。
火災の危険もあるため、おすすめしかねる方法です。
【ハイリスク】スギナを熱湯や塩で駆除
スギナに熱湯をかける方法は、一部の範囲に一時的な対処としておこなう以外は不向きです。
スギナの生えた一帯に熱湯をまくのは相当な労力が必要で、何度も往復すれば火傷のリスクも伴います。
お湯は流れて広がっていくため、周囲の植物へも影響しやすいです。
また、相当深くまで熱湯を染み込ませなければ、地表のスギナは枯れても根は枯らせず再発するため、労力に見合った結果は期待できないのです。
塩でスギナを駆除する方法もハイリスクなため、おすすめできません。
スギナが枯れるほどの大量の塩をまくことで、地中の塩分が配管や建物の基礎を劣化させるおそれがあり、雨で近隣にまで影響が出ることもあります。
塩は分解されず土壌に残りスギナ以外の植物も育たなくなるため、今後何も植えないと断言できるかも考慮する必要があります。
※1 対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。※2 手数料がかかる場合がございます。一部加盟店・エリアによりカードが使えない場合がございます。
駆除後のスギナ予防対策
スギナは非常に再生力が強いため、予防対策もセットでおこなわなければ駆除した意味がなくなってしまいます。
効果の高さと持続性でおすすめなのは、防草シートを使った予防法です。
他にも「除草剤で予防する」「人工芝を敷く」「ブロックやコンクリートを施工する」といった選択肢もありますが、ここでは費用面で無理のない方法をご紹介したいと思います。
除草剤を地面に染み込ませて予防する
スギナがまた生えてくる前に、除草剤を地面に染み込ませることで再発を予防します。
除草剤は『庭の芝生や畑の「スギナだけ」を除草剤で駆除!』で解説したように、芝生や花壇など場所によって使い分けが必要です。
駆除時に使用したものがあればそれを使うとよいでしょう。
ただ、広範囲に除草剤をたびたび散布する労力や、子供やペットへの影響が気になる方もいらっしゃるかと思います。
そういった場合は草抜き+防草シートでの予防が最適でしょう。
防草シートで予防する
防草シートは、太陽光を遮ることで雑草が生えない環境を作ります。
安いコストで広範囲をカバーできる点がメリットですが、選び方・敷き方を間違えると防草効果や耐久性が大幅ダウンしてしまいます。
ここでは、防草シートを最大限に活かすためのポイントをお伝えします。
スギナに適した防草シートの種類は?
スギナはシートを突き抜けやすいため、不織布タイプの防草シートが適しています。
布目のある織布タイプを敷いてしまうとスギナの再発を防げません。
不織布の中でも、繊維を圧着したフェルトのような短繊維タイプと、ポリエステル製のマットのような高密度タイプなどがあり、密度が高いほど防草効果はアップします。
防草シートは種類も価格もさまざまですが、スギナ対策では値段だけで決めず、シートの種類や場所との相性(駐車場使用の可・不可など)をしっかり確認してから購入しましょう。
効果が長持ちする防草シートの敷き方
広範囲に防草シートを敷くのは大変な作業ですが、コツを知らなかったばかりに隙間や破れが発生してしまうケースは少なくありません。
せっかくやるのであれば効果的に、少しでも長持ちするように施工したいですよね。
ここであらかじめ手順とポイントをチェックしておきましょう。
【1】シートの施工は除草後におこなう
【2】枯れ草や石を除去し平らに整地する
【3】風に注意し少しずつシートを広げる
【4】隙間予防で10cm以上重ねて敷く
【5】ピンで50cm~1m間隔で固定する
(打つ場所にチョークで印をすると早い)
【6】角のある場所は重点的にピンを打つ
【7】駐車場利用ならシートの保護のため砂利を敷く
こういった作業はつい大雑把になりがちですが、防草シートは範囲が広いからこそ「徹底的に丁寧に」を心がけた方が後々のためになります。
除草や整地をせずにシートを敷けば短期間で破れやすくなりますし、くぼみに砂埃がたまれば雑草が生えてしまいます。
整地はスコップや立ったまま使える三角ホーなどを活用しながら進めるとよいでしょう。
シートを重ねる幅や、留めピンの数を省くとシートが浮いて破れやすくなるため、張り直し時期が早まってしまいます。
雑草対策のプロの手を借りる
個人ではスギナの駆除やシート施工が難しい場合は多々あります。
そういった場合、雑草対策をおこなっている業者を利用すると、要望に沿ったタイプの薬剤やシートを教わることができ、実際に目の前で施工する様子も見ることができます。
長く防草効果を維持できるうえ、次回からの参考としても大いに役立つでしょう。
※1 対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。※2 手数料がかかる場合がございます。一部加盟店・エリアによりカードが使えない場合がございます。
スギナ対策の費用相場
スギナ対策を自力でおこなう場合のコストは、除草剤・草抜きグッズ・防草シートなどの購入費用+自分の時間ということになります。
電動のアイテムや、張り直しなどを見越して多めに防草シートを買うとすれば、自力でもコストが数万円にのぼるケースもありそうですね。
業者に雑草対策を任せる場合、費用は依頼先によって大きく変わります。
除草業者をはじめ、植木屋やシルバー人材センター、何でも屋など依頼先はさまざまです。
詳しくは草刈りの費用相場をまとめた記事をご覧ください。
業者に安く雑草駆除を依頼するには?
コストを徹底的に抑えたい場合は、除草業者を中心に見積りを取ってもらいましょう。
なぜなら、料金設定が時給換算で割高になりがちなシルバー人材センターや植木屋さんよりも、料金が「1平方メートル○○円~」のように明確な業者の方がトータルコストの概算がしやすく、費用を抑えやすくなるからです。
特にスギナの場合は密度や根の深さによって、1㎡にかかる時間が全く変わってきますので、時間で料金が計算されるシステムではかなりの費用になるおそれがあります。
除草業者の料金は、目安として1㎡3,000円~10,000円台の業者が中心です。
その中で、例えばお庭110番のように
根まで抜く草取り / 1㎡830円(税込)~
草刈り機での除草 / 1㎡390円(税込)~
という料金設定の業者もあり、差額に戸惑う方も多いでしょう。
雑草駆除はどうしても費用の差が大きくなりがちです。
実際に見積りを取って他社と比較することで、良心的な業者を見分けることができますので、ぜひお気軽に無料相談などを試されてみてくださいね。