色鮮やかなブーゲンビリアの花で、お庭やベランダをいっぱいにできたら素敵ですよね。ただ、いざ育てていこうとすると「剪定はしたほうがいいの?」「いつ、どうやってすればいいの?」と疑問がわいてきます。
ブーゲンビリアのきれいな花をより一層楽しむためには、年に2回の剪定が大切です。適切な時期に枝を切ることで、お花の数や咲いている期間を増やせるのです。
このコラムでは、以下の点を解説します。
- ブーゲンビリアの最適な剪定の時期と方法
- ブーゲンビリアを育てていくのに必要なお手入れポイント
- トラブルが起きたときの対処方法
このコラムを読めばブーゲンビリアの育て方がまとめてわかり、毎年たくさんの花を咲かせて楽しむことができますよ。
ただし、もしあなたが今「大きく育ちすぎて手に負えない」「フェンスや壁にきれいに誘引したい」などのお悩みを抱えているなら、一度樹木のプロに相談してみるのがおすすめです。プロなら素人では難しい大きなブーゲンビリアの剪定はもちろん、住宅のテイストに合わせた最適な誘引方法をコーディネートしてもらうこともできます。
花を楽しむために最適な剪定時期は夏と冬
ブーゲンビリアの剪定に最適な時期は、夏の6月ごろと、冬の12月ごろです。
この時期に剪定をすることで、花を咲かせるために必要な環境を整えることができます。それぞれの時期に剪定をする目的を確認しましょう。
夏の剪定で開花期間を延ばす
夏に花が咲いたあとの6月ごろに剪定をすることで、秋にもう一度花を咲かせられます。
本来ブーゲンビリアは季節に関係なく、年中花を咲かせる植物です。しかし原産地である熱帯地域と違って日本には寒い冬があるので、その間は花を咲かせられないのです。逆に言えば、日本でも暖かい時期には繰り返し花を咲かせることができます。
ただ、ブーゲンビリアの花の芽は新しく伸びた枝の先端につくので、夏に花が咲いた枝をそのままにしておくと秋の花を咲かせることができません。
そこで花が咲いた枝を切ることで新しい枝が伸び、次に咲く花の芽がつくのです。また、種を作り始める前に花を摘むことで体力の消耗を防ぎ、秋の花を咲かせやすくする効果もあります。
夏の花が咲き切った直後を目安に剪定をしましょう。
冬の剪定で花数を増やす
秋の花が咲き終わった12月ごろに剪定をしておくと、翌春の花の数が増えやすくなります。
沖縄など温暖な地域を除いて、日本のブーゲンビリアは冬の間に休眠をします。寒さに耐えるために生長を抑えるのです。そのときに花や古い枝がついたままだと栄養が分散し、体力を消耗してしまいます。また、枝が混み合っていると春に生長を再開してからも日当たりが悪くなり、新芽の生長が遅れてしまうのです。
そこで休眠に入る前に不要な枝を整理しておくことで残った枝に栄養を集中させることができ、効率よく体力を温存できます。枝同士の間隔が広くなることで日当たりもよくなり、春になってから新しい枝を伸ばしやすくなります。枝が増えれば、花もたくさん咲きやすくなるのです。
そのため、秋の花が咲き切ったころに剪定をしておきましょう。
ブーゲンビリアの剪定方法は切り戻しと間引き
時期によって剪定の目的には違いがあるので、剪定の仕方も夏と冬とで違いがあります。それぞれ見ていきましょう。
夏は切り戻しで長さをそろえる
切り戻しは、伸びた枝の長さを元に戻すように途中で切る剪定方法です。全体の枝の長さを均等にそろえるようなイメージで、花の咲いた枝を短く切っていきましょう。花が咲いた枝を途中で切ることで、そこから新たに芽が伸びて次の花が咲きます。
枝を切るときは、葉のすぐ上の位置で切ると新しい芽が出やすくなります。
夏の生長期には、飛び出すように伸びる枝が出やすいです。こういった枝を残すと樹形のバランスを崩すので、短い枝に合わせて切ってしまいましょう。
枝の長さをそろえることで樹形が整い、開花時に花の位置もそろって見栄えがよくなります。
冬は間引きで不要な枝を切る
間引きは、不要な枝を根元から切り落とす剪定方法です。生育を妨げる枝や樹形を乱している枝を取り除いていきます。枝の数を適度に減らすことで日当たりと風通しがよくなり、春から枝や芽が生長しやすくなります。
不要な枝とは、以下のような枝です。
- 内側で込み合う小枝
- 全体から飛び出すように伸びた枝
- ほかの枝に絡まる枝
- 内向きや下向きに伸びる枝
- 枯れた枝や病気の枝
また、秋に咲いた花は一緒に切り落としておきましょう。花をそのままにしておくと種ができ、体力を消耗してしまいます。
※1 対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。※2 手数料がかかる場合がございます。一部加盟店・エリアによりカードが使えない場合がございます。
ブーゲンビリアの年間お手入れスケジュール
ブーゲンビリアには剪定以外にも、必要なお手入れがいくつかあります。それぞれのお手入れをいつ、どのようにおこなえばよいのか解説していきます。
ブーゲンビリアお手入れスケジュール | |||||||||||
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1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
植え付け・植え替え | |||||||||||
施肥 | |||||||||||
剪定 | 剪定 | ||||||||||
誘引 | 誘引 | ||||||||||
挿し木 | |||||||||||
冬越し | 冬越し |
植え替えは5月~7月
ブーゲンビリアを鉢植えで育てる場合、2~3年に1回程度、鉢の植え替えが必要です。生長したブーゲンビリアにとって鉢が小さいと、根詰まりを起こして枯れる原因になります。そのため、ひと回り大きな鉢に植え替えるのです。
植え替えは、気温が20~25度程度に暖かくなる初夏以降におこないましょう。苗をお庭に植え付ける場合も同様です。
鉢植えの手順
鉢を傾けて側面を叩き、株の根元を掴んで引っぱるときれいに抜けます。
鉢を軽くゆすりながら入れていくと隙間が埋まりやすくなります。
鉢底から出てくるくらいたっぷり水を与えましょう。
水やりは2~3日に1回が目安
基本的に乾燥した環境を好むブーゲンビリアには、頻繁な水やりが必要ありません。水を与えすぎると土が湿った状態が続き、根腐れの原因になります。
生長するために水分を必要とする春~夏は2~3日に1回、土の表面が乾いたころに水やりをしましょう。休眠中で水分の消費が少ない秋~冬は1週間に1回ほど、土の表面が乾いてさらに2~3日ほどおいてから水やりをします。
水やりをするときは、鉢底から水が出るくらいまでたっぷりと与えるのが基本です。土の表面が湿っていても内部まで水が浸透していないと、水切れを起こしてしまいます。
また、冬場は温度の低下で弱ることを避けるために、できるだけ暖かい日中に水やりをしましょう。
剪定と同時にしておきたい誘引
つる性の植物であるブーゲンビリアの枝をきれいな形に整えるには、つるを支柱やフェンスに絡ませる誘引が必要です。枝を調整するお手入れなので、誘引は剪定と同時にしておくのがおすすめです。
誘引をするときのポイントは、つるを横方向に向けることです。つるは放っておくと上方向に伸びますが、そうすると1本のつるに1つの花しか咲きません。ブーゲンビリアの花は枝の先端にしかつかないからです。つるを横向きにすることでつるの途中から分枝が伸び、それぞれの枝に花を付けて花の数を増やすことができるのです。
誘引の方法には、支柱を立てて巻き付ける方法、フェンスやオベリスクなどに絡ませる方法、壁に沿わせる方法などがあります。支柱を使う「あんどん仕立て」は作業が簡単で、つるも横向きになるのでおすすめです。
つるにはとげがあるので、作業時はケガをしないよう手袋などを着用しましょう。
あんどん仕立ての手順
剪定した枝を利用する挿し木
挿し木とは、切り落とした木の枝を土に挿して根を出させ、木を増やすことです。枝が新しい根を出すには十分な暖かさが必要なので、6月~8月ごろが適期です。夏の剪定で出た切り枝を利用するのがおすすめです。
園芸店やホームセンターなどで販売されている挿し木用の培養土、発根促進剤などを使うとより成功率が高まりますので、事前に用意しておきましょう。
挿し木の手順
枝は軟らかい枝よりも、固くなっている枝を選びましょう。
浸かる切断面を斜めに切っておくと、水を吸い上げやすくなります。
5月~10月に施肥
肥料は、基本的にブーゲンビリアの生長期にあたる春~秋にかけて、2ヵ月おきに与えます。
5月には、植え替えと同時に元肥(もとごえ)という施肥をします。元肥はブーゲンビリアが生長しやすいように、あらかじめ土に栄養を混ぜ込んでおくことです。
元肥の効果が切れてくる7月以降に追加で与える肥料が追肥です。追肥は土に混ぜ込むのではなく、土の表面に置いておきます。水やりのたびに少しずつ土に染み込んで穏やかに効果を発揮します。
肥料は、いずれも粒状などの固形緩効性肥料を使いましょう。効き目の強い液体肥料などを使うと、肥料やけを起こすおそれがあります。
寒くなったら冬越し
熱帯原産の植物であるブーゲンビリアは寒さに弱いので、冬場に最低気温が10度を下回る地域では防寒対策が必要です。気温が低くなって霜がついたり凍ったりすると、ブーゲンビリアは枯れてしまいます。
気温が低くなる10月ごろから対策をしていきましょう。本格的に寒くなってから急に暖かい場所に移動すると、環境の変化に耐えられず弱ることがあります。
鉢植えであれば、暖かい室内に取り込むのが一番です。室内では10度以上の室温を保つようにし、南側の窓辺など日がよく当たる場所においてあげましょう。
関東より西の比較的温暖な地域では、霜や雨を避けられるベランダや軒下でも越冬が可能です。鉢をひと回り大きな鉢に入れて二重にしておくと、保温効果があります。鉢や土が凍っていないかこまめにチェックをしましょう。
地植えの場合、株元をバークチップやビニールシートなどで覆い、土が凍らないよう保温をします。
※1 対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。※2 手数料がかかる場合がございます。一部加盟店・エリアによりカードが使えない場合がございます。
困ったときに役立つアドバイス一覧
植物を育てているときには、疑問や不安がたくさんありますよね。トラブルが起こってしまったときや、もっとこんなことがしてみたいと思ったときに役立つよう、いろいろな状況に応じた対処法をまとめました。ぜひ参考にして、ブーゲンビリアの栽培を成功させましょう。
花が咲かない
ブーゲンビリアの花が咲かないというトラブルは、以下の原因が考えられます。
- 水やりのし過ぎ
- 肥料の与えすぎ
- 日当たりが悪い
- 夜に明るい場所に置いている
水や肥料を必要以上に与えていると枝を伸ばすのに体力を使い過ぎてしまい、花が咲かなくなることがあります。肥料は必要最小限にし、水は十分に乾燥してから与えましょう。
ブーゲンビリアが花を付けるには十分な日光が必要です。ただし、夜に家の明かりや街灯などで光が当たっているとブーゲンビリアの生育リズムが崩れ、花を付けにくくなります。日中はよく日が当たり、夜は暗くなる場所に置きましょう。
トゲだらけになっている
トゲが増えてしまうのは、おもに水と肥料の与え過ぎが原因です。ブーゲンビリアのトゲは、花芽が変形したものです。枝が生長しすぎると花芽が花になれずに取り残され、トゲになってしまうのです。とくに春からの生長期には、水やりを控えめにしましょう。
また、トゲは切り落としても問題ありません。大きなものは剪定の際にできるだけ取り除いておきましょう。
葉が落ちる
冬場にブーゲンビリアの葉が落ちてしまうのは正常な反応です。寒さに耐えるために葉の量を減らして、体力を温存しているのです。適切に冬越し対策をしておけば、春に再び葉を付けてくれます。
ただし、春~秋の時期に葉が落ちる場合は注意が必要です。原因には、以下のことが考えられます。
- 根詰まりを起こしている
- 日当たりが悪い
根詰まりは根の生長に対して鉢のサイズが小さく、根がいっぱいに広がってつまってしまうことです。根詰まりをすると水分の吸収がうまくできず、栄養が不足して葉が落ちるのです。ひと回り大きな鉢に植え替えをしてあげましょう。
また、日当たりが悪い場合も栄養不足が起きます。十分に日があたる場所に移動させましょう。
葉が変色・変形している
葉が黒や白、黄色に変色している、ぶよぶよになっている場合、以下の原因が考えられます。
- 根腐れを起こしている
- 病害虫が発生している
水や肥料の与えすぎなどで根が傷んでいると、水分を十分に吸収できなくなります。また、土にカビなどの病原菌が発生していることで株が病気にかかっているおそれもあります。
この場合は、清潔な新しい土に植え替えてあげましょう。植え替えの際に、傷んで黒くなっている根や変色・変形した葉は切り落とします。
病気から回復させるためには殺菌剤の使用も検討しましょう。
地植えにしたい
ブーゲンビリアを地植えで育てられる条件は、以下のとおりです。
- 冬場の最低気温が5度よりも高い地域
- 日当たりのよい場所
- 水はけがよい土壌
寒さに弱いブーゲンビリアには、とくに気温と日当たりが重要です。比較的耐寒性の高い品種もありますので、園芸店などで相談してみるのがおすすめです。
大きくしたい
生長期に水をたくさんあげると、枝が伸びて株が大きくなります。ただ、枝を伸ばすことに体力を使い過ぎると花が咲かなくなることが多いです。枝を生長させたいのか、花を咲かせたいのか、どちらかに集中させてお手入れの方法を変えましょう。
小さくしたい
地植えで育てた場合、ブーゲンビリアは最大3メートルほどまで生長します。大きくなりすぎてしまった株を小さくしたい場合には、夏に強めの剪定をして全体を短く整えましょう。それぞれの枝の葉が3枚程度になる位置まで、思い切って切り落としましょう。
ブーゲンビリアを健康に育ててきれいな花を咲かせるには、置く場所や水やりなど日頃の管理がとても重要です。
ただ、病気にかかったときや大きくなりすぎたときなど、自分では対処できないこともあります。そのときは樹木のプロに相談してみるのがおすすめです。
プロはブーゲンビリアの状況や栽培環境を観察して状態を把握し、弱っているときにも的確な対処をして回復させてくれます。剪定や誘引が自分でできそうにないときにもお任せすることができますよ。
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