レモンに実をつけさせるためには、混み合っている枝葉や、実がつく可能性が低い枝を選んで剪定する必要があります。不要な枝をそのままにしていると、日当たりや風通しが悪くなりうまく成長できないだけでなく、病気や害虫が発生してしまうおそれがあるからです。
レモンを健康に育てるために、適した時期に剪定をおこないましょう。このコラムではレモンの剪定方法のほかに、レモンの収穫や育て方について解説していきます。現在レモンを育てている方も、これから育てるという方もぜひ参考にしてみてください。
レモンの剪定時期と方法
レモンに実をつけさせるためには剪定が重要ですが、正しい方法を知っておかなければかえって木を弱めたり、見栄えを悪くしたりといったこともあります。この章で解説する剪定時期と方法でレモンを参考にしていただき、剪定してみてください。
剪定に適した時期
レモンの剪定時期は、基本的に暖かくなってきたころの3月~4月となっています。6月以降は花が咲き、実がつき始めるため、剪定は避けるようにしてください。
また寒い時期に剪定するとレモンの木を弱らせ、最悪の場合枯れてしまうおそれもあります。そのため、暑い時期や寒い時期を避けた3月~4月ごろが剪定に適しているのです。
必要な道具とは?
剪定する際に必要なものは以下の通りです。
- 剪定バサミ
- 癒合剤
- 手袋
- ほうき
- ゴミ袋
レモンの木の高さによっては、脚立があると便利なので準備しておくとよいでしょう。
剪定方法
レモンの木は、苗を植え付けてから2年~3年ほどは剪定しなくても問題ありません。ただし、枝葉が気になるようなときは、風通しがよくなるように軽く剪定するのもよいでしょう。ただ剪定する際は、枝に生えているトゲが刺さらないように注意してください。
また剪定する前には、どのような樹形にするか決めておいてからおこなうと、樹形を乱すことなくスムーズに作業ができます。では、以下の手順で剪定していきましょう。
〇手順
- ほかの枝に絡まるように生えている枝や、地面に向かって生えている枝などを根元から切り取る
- 株元に生えている枝(ひこばえ)は、根元から切り取る
- 前年に実をつけた枝を切り取る
- 切り口に癒合剤を塗る
- 切った枝葉をゴミ袋に入れて処分する
枝に生えたトゲを切りたい場合は、切っても問題ありません。その際は刺さらないように十分注意しておこないましょう。レモンの剪定は、剪定時期とトゲを注意していれば自力でおこなうことは可能です。
しかし、うまく剪定できるか自信がなかったり、剪定する時間が取れなかったりする場合は業者に依頼するとよいでしょう。業者に依頼すれば、剪定から切った枝葉の片づけまでおこなってくれます。
業者に依頼する際は、一度弊社までご連絡ください。弊社では、お客様のご要望に沿った業者を弊社加盟店よりご紹介させていただいております。さまざまな植物の剪定をおこなってきた業者ですので、ご安心してお問い合わせください。
※1 対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。※2 手数料がかかる場合がございます。一部加盟店・エリアによりカードが使えない場合がございます。
実ったレモンを収穫しよう
レモンは通常、ハチなどによって自然受粉して実ができます。ただし、防虫ネットをしていたり室内でレモンを育てていたりする場合は自然受粉は難しいため、人の手で受粉させることが必要です。
人工受粉の方法は簡単で、筆や綿棒で雄しべの花粉を取り雌しべにつけるだけで完了します。うまく受粉し、実がついたら収穫時期にレモンを収穫しましょう。
収穫時期と方法
5月~7月に花が咲いてから約半年後の、11月中旬~2月ごろが最適な収穫時期です。レモンの実を収穫する際は剪定のとき同様、枝にあるトゲに刺さらないように、長袖と厚めの手袋を装着しておこないます。収穫方法は、ハサミやカッターで実のヘタ部分を切るだけです。
トゲに注意していれば簡単にできてしまう作業なので、お子さんがいらっしゃるご家庭の場合は、一緒に収穫してみてもよいでしょう。
レモンは9月~11月ごろにも花が咲きますが、レモンは寒さに弱いため、秋に咲いた花には小さな実しかつきません。木の体力を温存するためにも、9月~11月に咲いた花についた実は早めに摘み取ってしまうのがよいでしょう。
収穫したレモンの活用法
収穫したレモンは、料理や飲み物などにして楽しむことができます。
【例】
- レモンのはちみつ漬け
- 塩レモン(調味料として使用できる)
- レモネード
- レモンティー
また果汁や皮などを、キッチン周りの掃除やゴミ箱の臭い消しなどにも活用することが可能です。レモンの酸味が苦手という方は、料理ではなく掃除などで活用してみるのもおすすめなので、一度試してみてはいかがでしょうか。
レモンの栽培方法
レモンの実を収穫するためには、育てる環境などにも気をつけなければいけません。この章では、レモンの栽培方法をご紹介します。美味しいレモンの実を収穫するためにぜひお役立てください。
苗の植え付け
購入したレモンの苗木を植え付ける場合、温かくなってきた3月~4月におこないましょう。
【地植え(庭植え)する場合】
○準備するもの
- スコップ
- 腐葉土(または堆肥)
- レモンの苗木を支える棒(支柱)
〇手順
- 植え付けする場所に、穴の直径と深さが50cmほどになるように掘る
- 掘りあげた土に腐葉土や堆肥を混ぜる
- 掘った穴にレモンの苗木を植えて土を被せ支柱を立てる
- 最後に水を与えて植え付け完了
【鉢植えにする場合】
○準備するもの
- 鉢
- 土(市販の培養土でOK)
- 軽石
- 支柱にする棒
〇手順
- 鉢に軽石を敷き、土を3分の1くらい入れる
- 購入したレモンの苗を鉢に植える
- 苗木の周りに土を入れて固定する
- 強風などで苗木が折れてしまわないように、支柱を立てる
- 鉢の底から出るまでたっぷり水を与える
鉢で育てる場合は、根詰まりを起こさないように1年~2年を目安に植え替えが必要です。植え替え方法は植え付けのときとほとんど同じ手順です。ただ、用意する鉢はひと回り大きいものとなります。
また、腐り変色している根や長く伸びた根などをハサミで切り取るといった作業が新しい土に植える前にあるので、忘れないようにしましょう。
育てる環境
レモンは、水はけがよく、日が当たる暖かい場所に置いて栽培しましょう。レモンは寒さに弱いため、株元にワラなどを敷いて防寒対策します。
また、強風により葉が傷ついてしまうと実が熟さず落ちてしまうことがあります。そのため庭で育てる場合は、風を防ぐために風よけネットなどで対策しておきましょう。
水やりと肥料
レモンに水や肥料を与える場合、地植えと鉢植えで異なるため以下にまとめたことを参考にしていただき、実際におこなってみてください。
【水やり】
〇鉢植え
基本的には土の表面が乾いたら水を与えます。ただし、時期によって水を与える頻度は異なるので注意しましょう。以下に水やりの目安をまとめましたので、水を与えるときにお役立てください。
- 春と秋……3日に1回程度
- 夏……1日2回(朝と夕方)
- 冬……1週間に1回程度
〇地植え
基本的に水を与える必要はありません。ただし、日照りが長く続くようであれば土の乾き具合を確認して、乾いている場合は水を与えるようにしましょう。
【肥料】
〇鉢植え
2月~3月・6月・10月~11月に緩効性肥料か、有機肥料(油かすや鶏糞など)を与えます。
〇地植え
2月~3月・6月・9月~10月に緩効性肥料、または有機肥料(油かすや鶏糞など)を与えます。
注意すべき病害虫
レモンは病気や害虫が発生しやすいで注意する必要があります。ここでは3つほどご紹介するので、参考にしてください。
〇潰瘍(かいよう)病
潰瘍病は台風が通過したあとなどになりやすい病気です。被害としては、おもに葉や実などに褐色の点ができます。潰瘍病が発症した箇所をそのままにしていると被害が拡大してしまうので、早めに対処しましょう。
・対処法
潰瘍病には効果のある薬剤が少ないため、被害拡大を防ぐには発症した箇所をすべて取り除きます。その後、防風ネットなどで対策をして潰瘍病になってしまわないようにしておきましょう。
〇アゲハ蝶の幼虫
レモンの木にとって、アゲハ蝶の幼虫は葉を食い荒らしてしまう害虫です。アゲハ蝶の幼虫には、体長5cmほどになる種類もあり、1匹いるだけでもほとんどの葉を食べられてしまうおそれがあるのです。葉を食べられてしまう前に、アゲハ蝶の幼虫を発見したらすぐ対処しましょう。
・対処方法
アゲハ蝶の幼虫を退治する方法は、葉や枝などにいる幼虫を捕まえてほかの場所へ移動させたあとに防虫ネットで木を覆ってしまう方法か、薬剤を散布して駆除するかです。もちろん、捕まえて飼育するという手もありますが、虫が苦手な方は薬剤を散布する方法をおすすめします。
〇カミキリムシ
カミキリムシは体長3mm~20mmほどの大きさで、長い触角をもった昆虫です。カミキリムシによる被害は、植物の幹や枝などに穴を開けられてしまうことです。植物は幹や枝に穴が開くと、成長することができず枯れてしまいます。
また、カミキリムシは穴の中に卵を産み付けるため、孵化した幼虫が植物を食べてしまうこともあるのです。そのため、カミキリムシを発見したらアゲハ蝶の幼虫同様、すぐに対処しましょう。
・対処方法
カミキリムシを駆除するためには、まず木の根元周辺に穴が開いていないか確認します。カミキリムシは、地上から50cmほどの高さまでだと穴を開ける可能性が高いからです。穴を見つけたら、殺虫剤を散布して駆除しましょう。
散布しカミキリムシを駆除したあとは、被害に遭った枝を取り除きます。一度カミキリムシに穴を開けられてしまうと、回復することがないからです。
もしもカミキリムシの被害に遭ったのが木の主幹の場合は、そのまま木自体が枯れてしまうかもしれません。枯れてしまった木を放置しておくと倒木などの危険がありますので、業者に依頼して伐採してもらいましょう。
その際には、弊社までご連絡いただけましたら、弊社加盟店をご紹介させていただきます。弊社には植物の伐採や剪定だけでなく、消毒、害虫の駆除、植栽にも対応している業者が多く加盟しております。ご要望に合わせたピッタリの業者をご紹介することができますので、お庭のことでお困りになられましたらいつでもメールやお電話でお問い合わせください。