基本的に、カツラの定期的な剪定は必要ありません。しかし、枝や幹が伸びすぎている場合は、形を整えるために剪定をおこなったほうがよいでしょう。
なぜなら、カツラは樹高10メートル以上に生長することもある高木であるため、放置しているとどんどんと枝や幹が伸びていってしまうからです。そうなると、手入れをおこなうのもひと苦労になります。
ここでは、カツラを剪定する時期や方法について解説。さらに、樹木として健康的に育てる栽培管理についても解説しているので、普段のお手入れの参考にしてみてください。
ただし、すでに剪定の難しい高木になっている場合はプロの力が必要です。
お庭110番にご相談いただき、早めの対応が可能な業者を見つけましょう。
カツラを剪定するうえで知っておきたいこと
カツラは比較的丈夫な植物のため、そこまで慎重に剪定する必要はありません。ただ、不必要に樹木に負担をかけないように、正しい時期や方法でカツラを剪定することは大切です。ここで、カツラの剪定時期や方法について紹介していきます。
カツラの剪定時期
カツラの剪定時期は12月~翌年3月の間です。この時期はカツラにとって休眠期とよばれるシーズンであり、秋に落葉しきって枝のみになっているため、剪定に最適になっています。
また、最初にお伝えしたようにカツラはそもそも定期的な剪定が必要ありません。そのため、冬の時期だからといって剪定しなければならないというわけではなく、邪魔な枝が出てきたときなど、カツラの剪定は必要に応じておこないましょう。
カツラの剪定方法
カツラの剪定では、「樹高を調整すること」と「不要な枝を切ること」がポイント。それぞれ、注意しておきたい点やコツについてご紹介しましょう。
剪定1.樹高を調整
カツラの樹木が高すぎて困っている場合は、どのくらいの樹高にするかを決めてから、枝の最頂部を切り取りましょう。目安としては、2~3mほどの樹高にするのがほどよく、今後の剪定もしやすいのでおすすめ。
カツラの樹高を決めたらメジャーなどで長さを確認しつつ、剪定バサミで枝を切っていきます。ただし、最頂部にある枝をすべて同じ高さで切りそろえるのではなく、半円を描く形となるように樹形を整えていきましょう。
剪定2.不要な枝を切る
風通しの邪魔をする枝や生長の悪い枝はカツラの生育によくないため、なるべく切っておくことが大切です。樹木全体を見渡して、以下のような不要な枝があれば剪定バサミで切りましょう。
【剪定しておきたい枝一覧】
- 上向きに伸びている枝(徒長枝)
- 下向きに垂れ下がっている枝
- ほかの枝に絡んでいる枝
- 枝同士が交差している枝
- 古くなっている枝
- 病気にかかっている枝
また、樹木をキレイに見せるポイントとしては、なるべく太い枝を優先して切ること。細い枝を多く残すことで、スッキリとした見た目になります。樹形にこだわりたい方はこの点も意識してカツラの剪定をしてみてください。
シンボルツリーの剪定は業者に任せよう
カツラは樹高が高くなりやすく、きれいな葉ができるので庭のメインとなるシンボルツリーとして大切にしているという方も多いでしょう。そんなカツラを剪定するのであれば、あえて自力でおこなわず、プロの剪定業者に依頼するのもひとつの手。プロの剪定業者であれば、カツラを的確に剪定をして、樹木をキレイに整えてくれるでしょう。
もし、「どの業者にカツラの剪定を任せればいいかわからない」という方は、お庭110番のサービスを利用するのがおすすめ。
お庭110番では、さまざまな植物の剪定が得意なプロを紹介するサービスをおこなっています。
もちろん、カツラの剪定が得意な業者も紹介可能ですので、剪定でお困りであればぜひご相談ください。
※1 対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。※2 手数料がかかる場合がございます。一部加盟店・エリアによりカードが使えない場合がございます。
カツラの魅力を引き出すための栽培方法
葉や樹形が美しいカツラを楽しむためには、日ごろの栽培管理に気をつける必要があります。カツラの剪定につづいて、基本的な栽培管理や注意点について解説していくので、参考にしてみてください。
カツラに最適な栽培環境を整えよう
カツラは丈夫な植物であるため、半日くらいの時間日が当たる「半日陰」でも育てることができます。ただ、日陰の環境下だと花付きが悪くなり、秋にみられる黄葉もしにくいためできるだけ日の当たる環境で育てるのがよいでしょう。
また、適度に湿った土を好む特徴もあるため、用土も湿り気のあるものを選ぶ必要があります。たとえば、赤玉土をメインに腐葉土を混ぜたものが用土として最適です。
水やり・肥料のポイント
水やり・肥料は適切なタイミングで適量を与えることが、カツラを健康的に育てるポイントとなります。それぞれ、どうすれば最適なのか見ていきましょう。
水やり
カツラの水やりは、庭植え(地植え)と鉢植えで方法が違います。まず庭植えについては、植え付け直後の根付いていない場合を除いて、基本的に水やりの必要がありません。ただ、夏は土がいつもより乾燥しやすくなっているので、高気温になりやすい昼間を避けながら1日1回水を与えましょう。
また、鉢植えの場合は土の状態を確認して、乾いたタイミングでたっぷりと水を与えていきます。夏の場合は庭植えと同じく、乾燥に気をつけながら水やりをすることが大切です。
肥料
肥料は、基本的に若木のうちに与えます。2月~3月の時期に、骨粉や油かすなどが入った有機質肥料を寒肥(かんごえ)として与えるようにしてください。寒肥をおこなうことで、若木がしっかりと生長できるようにうながすことができるのです。
病気や病害虫は早期発見が大切
カツラは街路に植える樹木として採用されるほど丈夫な植物です。そのため、基本的には病気・病害虫被害の心配はあまりありません。しかし、万が一被害が発生したときのことを考え、代表的な病気・病害虫を知っておいたほうがよいでしょう。たとえば、以下の病気・病害虫が発生していないかカツラの剪定やメンテナンス時にチェックしてみてください。
カツラで気をつけたい病気・病害虫 | ||
---|---|---|
名前 | 見た目・被害例 | 対策方法 |
うどんこ病 | ・白いカビができる ・光合成ができなくなる | ・病葉を取り除く ・湿度を正常に保つ |
ハダニ | ・0.5mm程度のダニ ・葉に取り付き吸汁する | ・ハダニに霧吹きをかける |
アブラムシ | ・2~4mmで水っぽい見た目 ・枝や葉から吸汁する | ・粘着テープで捕獲する ・駆除剤を使用する |
カイガラムシ | ・2~10mmで殻に覆われている ・枝にくっつき吸汁する | ・ブラシなどで落とす |
また、病気・病害虫は被害の早期発見と対策が肝心です。とくに梅雨の時期は湿度が高くなり、病気・病害虫が発生しやすくなるため、念のため気をつけておくことに越したことはありません。
カツラの特徴はシンボルツリーとして最適
記事を読んでいる人のなかには、新しく育てる植物としてカツラを検討しているという方もいらっしゃるかもしれません。もし、将来的にカツラを育ててみたいのであれば、庭の中心となるシンボルツリーとして育てることをおすすめします。その理由となる、カツラの特徴を最後に解説していきましょう。
季節ごとに葉や枝が楽しめる!
カツラの魅力としてまず注目したいのが、ハートのようなかわいらしい葉の形。この葉が枝分かれをするように生えていくので見た目が美しく、見る人に癒しを与えてくれるでしょう。さらに、普段は明るい緑色の葉をしているのですが、秋になると「黄葉(おうよう)」という現象がおこり、きれいな黄色の葉が楽しめるのです。
また、黄葉をしたカツラの葉はキャラメルのような甘い香りがするのも大きな特徴。そして、冬には落葉し、長くてスリムな枝があらわとなります。このように、カツラの木は季節ごとに楽しむことができ、大きく育つ樹木のためシンボルツリーとして最適なのです。
庭木として育てるなら「株立ち種」がおすすめ
カツラには、1本の幹が伸びる「単幹種」と、1本の根元から複数の幹が伸びる「株立ち種」があります。もし、庭木のシンボルツリーとして育てるのであれば、株立ち種がおすすめです。株立ち種は根元から広がるように伸びていくので、単幹種よりも見た目として目立ちます。
また、株立ち種は枝が多くなるので、カツラを剪定するときの手間が気になるかもしれません。そのため、剪定をプロに任せてみるのもよいでしょう。
なお、お庭110番のサービスを利用することで、株立ち種のカツラの剪定が得意な業者に依頼することが可能です。剪定の必要性を感じたときに、ぜひご利用ください。