「ゴムの木を枝分かれした樹形にするにはどうやって剪定すればいい?」
「ゴムの木の葉が落ちてきたのは育て方が間違っているせい?」
とお困りではないですか?
ゴムの木を美しい樹形で健康に育てるためには、適切な剪定をおこなわなければいけません。
ゴムの木は生育旺盛で上へ伸びる力が強く、放っておくと葉が茂りすぎたり枝分かれしないで高さばかりが出てしまったりするからです。
普段のお手入れ方法によっても健康を損なって葉が落ちてしまうことがあるため、この記事を参考に正しい剪定や育て方を実践してください。
ゴムの木は春~秋に不要な枝を剪定して、風通しよく育てることが大切です。
枝分かれした樹形を作りたいなら、成長点を切る「摘心」もおこないます。
しかし、「切り方を失敗したらどうしよう」「樹液でかぶれてしまわないかな」と心配な方もいらっしゃるでしょう。
そんなときには剪定のプロに依頼してはいかがでしょうか。
お庭110番にお任せいただければ、手間をかけずに健康で美しいゴムの木に育てられますよ。
ゴムの木(フィカス)とは?
ゴムの木とは、クワ科フィカス属(イチジク属)に分類される植物の総称で、属名から「フィカス」とも呼ばれます。
名前のとおりゴム質を含む樹液を分泌する木で、枝や葉を傷付けると粘着質の白い液体が流れ出てきます。
天然ゴムの原料として育てられていましたが、質が悪いためゴムの採取には使われなくなりました。
現在天然ゴムの原料として利用されているのは、ほとんどがトウダイグサ科のパラゴムノキで、分類の違う植物です。
ゴムの木は耐暑性や耐寒性が強く、耐陰性(暗い場所でも育つ性質)もあって屋外でも屋内でも育てやすいことから、今では観賞用として人気を集めています。
観葉植物として人気の種類
ゴムの木(フィカス)にはさまざまな種類がありますが、単に「ゴムの木」と呼ぶときはインド原産のインドゴムノキ(フィカス・エラスティカ)を指すことが多いです。
インドゴムノキは豊富な園芸品種が作られていて、バーガンディーやデコラ、アポロなどが代表的です。
他に、フランス人の植物学者によって発見されたオーストラリア原産のフランスゴムノキ(フィカス・ルビギノーサ)も人気があります。
また、「フィカス属(イチジク属)」の名称からもわかるように、イチジクもゴムの木の仲間です。
ハート型の葉がかわいらしいウンベラータや、ベンジャミン(フィカス・ベンジャミナ)、沖縄の木として有名なガジュマルなどもゴムの木だというのは、意外に感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ゴムの木の剪定が必要な理由
ゴムの木を美しく育てるためには、定期的な剪定が欠かせません。
ゴムの木は成長が早く、放っておくと次のような状態になってしまうからです。
- 樹形が乱れる
- 日当たりが悪くなる
- 風通しが悪くなる
- 樹高が高くなりすぎる
枝葉が密集しているときは剪定が必要です。
見栄えの悪さだけでなく、葉が重なって光合成が阻害されたり、湿気がたまって病害虫が発生しやすくなったりして、ゴムの木の生育に影響が出てしまいます。
枯れている葉があるときにも、剪定をおこなって取り除きましょう。
※1 対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。※2 手数料がかかる場合がございます。一部加盟店・エリアによりカードが使えない場合がございます。
ゴムの木の剪定時期は春~秋の成長期
ゴムの木の剪定に適した時期は成長期の春~秋で、5月~9月頃が目安です。
休眠期の冬の剪定はゴムの木の体力を奪ってしまうため、暖かい時期におこなってください。
ただし、春~秋の間でも枝葉に勢いのない状態で剪定すると枯れてしまいます。
そのため、酷暑の真夏や、根詰まりを起こすなどして弱っているときの剪定も避けたほうがよいです。
「鉢植えのゴムの木が成長しすぎて根詰まりしてしまった」
というときには、植え替えをおこなって体力を回復させてから剪定しましょう。
ゴムの木の剪定方法と注意点
ゴムの木の剪定方法と注意点をご紹介します。
剪定には下記のものを準備してください。
- 剪定バサミ
- ゴム製またはビニール製の手袋
- 汚れてもよい服やエプロン
- 新聞紙
- ティッシュペーパー
樹液で床や地面を汚さないように、新聞紙を敷いてから作業を始めてください。
切り口から垂れてくる樹液は、ティッシュペーパーで押さえればじきに止まります。
剪定道具の詳細はこちらもご覧ください。
道具のあとは、不要な枝を間引く剪定と、切り戻して高さを調節する剪定の2種類の剪定方法を確認していきましょう。
不要な枝を切って樹形を整える
ゴムの木の剪定は、枝葉を間引く剪定が基本です。
不要な枝や葉を切って、樹形や日当たり、風通しをよくしてあげましょう。
次のような枝葉を優先的に切ってください。
- 徒長(間延び)している枝
- 内向きに伸びている枝
- 枯れた枝葉
- 重なっている枝葉
- 黄色くなった古い葉
まずは勢いよく伸びて飛び出している枝を切ると、樹形を調節しやすいです。
その後、内向きの枝や交差した枝、傷んだ枝葉を間引いて、枝葉の重なりがなくなるようにしましょう。
不要な枝は、再び伸びてこないように付け根から切ることがポイントです。
逆に「ここはもっと伸ばしたい」という枝は、芽や節のすぐ上で切り詰めると成長が促されます。
剪定後のゴムの木は、幹の形を変えて曲げ仕立てにしてもおしゃれですね。
針金で固定して好みの形に曲げましょう。
幹のやわらかい品種なら、手で何度か癖を付けるだけでも自然な曲線が作れますよ。
主幹を切り戻して枝分かれさせる
「室内で育てやすいようにゴムの木の高さを調節したい」
「まっすぐ1本の幹で伸びているゴムの木を枝分かれさせたい」
というときには、成長点を切る摘心(てきしん)をおこないます。
成長点とは、植物の幹や根の先端にある細胞分裂が活発な箇所です。
ゴムの木は主幹(一番太い幹)の先端の成長点に成長が集中して、上へ上へと伸びる性質があります。
そのままだと側枝(主幹から生える枝)が育ちにくいですが、成長点を切り落とすと上への成長が止まるぶん、力が分散されて切り口の下から脇芽が伸びてくるのです。
摘心をおこなうと切り口のすぐ下だけでなく、幹の途中の潜伏芽(せんぷくが)も成長を始めて、枝分かれした豊かな樹形のゴムの木に育ちます。
潜伏芽とは休眠状態にある芽で、幹や枝から少し出っ張っている部分です。
切り口を傷めないように注意する
ゴムの木の剪定をおこなう際は、切り口を傷めないように注意しなければいけません。
切り口の細胞を潰したり切り口から雑菌が入ったりすると、その後の成長に悪影響をおよぼします。
切れ味のよい清潔な剪定バサミで、ひと思いに切ってください。
また、湿気が多いと雑菌が繁殖しやすくなるため、湿度の低い晴れた日の剪定がおすすめです。
大きな切り口は癒合剤(植物の傷口にを保護する薬)を塗っておきましょう。
ゴムの木の樹液には触らない
ゴムの木の樹液は人の肌には刺激が強く、皮膚が弱い方だとかぶれてしまいます。
また、ゴムの木の樹液(ラテックス)に含まれるたんぱく質に対して強いアレルギー反応を示す人もいます。
天然ゴムに触れる機会の多い人ほどラテックスアレルギーを発症しやすいため、なるべく触らないようにすることが大切です。
参考:日本薬学会環境・衛生部会|ゴムノキの逆襲:ラテックスアレルギー(最終閲覧日:2023年8月30日)
ゴムの木の剪定時には手袋を装着して手を保護し、汚れてもよい服やエプロンを身に着けましょう。
剪定後のハサミが樹液でベタベタになったときには、刃物クリーナーや刃物オイルを使用してしっかりと拭き取ってください。
「肌が弱いから手袋をしていても心配……」
「切る場所を間違えてしまいそうで不安……」
という方は、お庭110番にご相談ください。
日本全国の優秀なプロが的確・安全にゴムの木を剪定いたします。
※1 対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。※2 手数料がかかる場合がございます。一部加盟店・エリアによりカードが使えない場合がございます。
ゴムの木の育て方の基本とコツ
ゴムの木は丈夫ですが、育て方を間違えると枯れてしまうこともあります。
より健やかに育てるためのお手入れの基本とコツを覚えておきましょう。
鉢植えは適度な日当たりの場所に置く
ゴムの木の鉢植えは、日当たりのよい場所に置きましょう。
ゴムの木は耐陰性がありますが、基本的には日光を好む植物です。
日照不足になると葉が内側に丸まってしまうことや、枝が徒長してひょろひょろになってしまうことがあります。
観葉植物として室内で育てる場合には、明るい窓際に置いてください。
ただし、夏場は長時間直射日光を受けると葉焼けして枯れてしまうおそれがあります。
そのため、午前中だけ日が当たる場所に置くか、レースのカーテンで日差しをやわらげるのがおすすめです。
また、室内では空調にも注意してください。
エアコンの冷暖房の風が葉に当たると乾燥して枯れることがあるからです。
鉢植えを屋外に置く場合は、雨がかからない場所を選びましょう。
葉が雨にぬれると蒸れて病害虫が発生しやすくなってしまいます。
日の向きや季節によって置き場所を変えるときには、段階的に慣らしながら移動させなければいけません。
ゴムの木は急激な環境の変化に弱いため、日当たりや温度が大きく異なる場所へ急に動かすと弱って葉を落としてしまいます。
水やりは土が乾燥したときだけ
鉢植えのゴムの木の水やりは、土が乾燥したときにだけおこないます。
春~秋は土の中に指を入れてみて、乾いているのを確認したら受け皿にたまるくらいたっぷりと水を与えましょう。
水がたまったままにしておくと雑菌が繁殖するため、水やり後には受け皿の水を捨ててください。
冬は成長が落ち着くため、たくさんの水を与えると土が湿り続けて根が腐ることがあります。
冬は水やりの頻度を下げて、土の表面が乾いた2~3日後に水を与えるくらいで十分です。
ゴムの木の水やりは多すぎても少なすぎても生育に影響します。
次のような症状を見つけたら、水やりの頻度や量を見直してみてください。
原因 | 症状 |
---|---|
水不足 | 葉が枯れる 葉が丸まる 葉が落ちる |
根腐れ | 葉がしおれる 葉が茶色く変色する |
肥料は与えすぎない
春から秋の成長期には、液体肥料を10日~半月に1回与えます。
固形肥料を与える場合は、1ヵ月に1回、株元から少し離した土の表面に置きましょう。
肥料を与えすぎると肥料焼けを起こして根が傷んでしまうので、成長が鈍る冬には施肥の必要はありません。
病害虫に気を付ける
ゴムの木は比較的病害虫に強い植物です。
しかし、剪定をしないで葉が茂ると、ジメジメとした環境を好む害虫や、カビが原因の病気、害虫の排せつ物が原因の病気が発生してしまうことがあります。
害虫・病気 | 特徴 |
---|---|
カイガラムシ | 植物の葉や茎の汁を吸う害虫。 体長2~10mm程度で、大量発生することもある。 幼虫は薬剤で駆除できるが、成虫は名前のとおり貝殻のように硬い外殻があり薬剤が効きづらい。 そのため、カイガラムシを見つけたら葉や枝ごと切り取るか、つまようじや歯ブラシを使って落とすとよい。 |
ハダニ | 植物の葉の裏に寄生するダニの仲間で、体長0.3~0.5mm程度ととても小さい。 吸われた葉は葉緑素が抜けて小さな白い斑点ができ、被害が進行するとかすり状になる。 ハダニは水に弱いため、霧吹きで葉水(はみず)をするとよい。 水だけでは対処できないときは、専用の薬剤で駆除する。 |
すす病 | カイガラムシやハダニの排せつ物に糸状菌(カビの一種)が生え、葉がすすで覆われたように黒くなる病気。 変色した葉は光合成ができなくなって枯れてしまう。 発病した部分をなるべく早く切り取って処分し、殺菌剤で対処する。 害虫の駆除も同時におこなわなければいけない。 |
炭そ病 | 炭そ病菌(糸状菌)によって引き起こされる病気。 葉や枝に黒色や灰色の斑点ができ、やがて穴が開いて枯れる。 病気が伝染しないように、炭そ病にかかった枝葉はすぐに取り除いて処分し、専用の薬剤を散布する。 |
褐斑病 | 糸状菌によって引き起こされる病気。 褐色や黒褐色の斑点が葉にあらわれ、徐々に大きくなってやがて枯れる。 炭そ病と同様に、発病した部分を取り除いて伝染を防ぐ必要がある。 広がると株全体が枯れてしまうため、初期に専用の薬剤を散布して対処することが大事。 |
剪定で風通しをよくすることが害虫や病気の予防になります。
ゴムの木の葉や枝の様子を普段から観察し、異変に早く気付いて対処することも大切ですね。
成長に合わせて植え替える
生育旺盛なゴムの木を鉢植えで育てるなら、1~2年に1回程度植え替えをおこなう必要があります。
小さい鉢のままで育てていると根詰まりを起こして水を吸えなくなってしまうため、ひと回り大きな鉢に植え替えてください。
植え替えに適した時期は、成長期の5月~9月頃です。
- 新しい鉢の鉢底に園芸用ネットと鉢底石を敷く
- 鉢の1/3ほどの高さまで土を入れる
- 古い鉢からゴムの木を慎重に取り出す
- 根を優しくほぐして傷んだ部分を切り取る
- 新しい鉢にゴムの木を入れて隙間を土で埋める
- 土を棒で突いたり鉢を軽くたたいたりして隙間をなくす
- たっぷりと水やりをする
植え替えには用土の通気性や排水性を改善する意味もあるため、必ず新しい土を用意してください。
植え付け用の土は、水はけのよい小粒の赤玉土に腐葉土を3割ほど混ぜたものや、小粒の赤玉土と観葉植物用の培養土を半分ずつ混ぜたものが適しています。
「きちんと育てているつもりなのにゴムの木の元気がない」
「葉が枯れてきて心配だからプロに剪定してほしい」
という方は、お庭110番にお任せください。
ゴムの木の状態を見極めて、プロが適切なお手入れをおこないます。
育て方に疑問がある方は、施工時にプロにお気軽に質問してくださいね。
正しいお手入れを知れば、ゴムの木をより美しく育てられますよ。
※1 対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。※2 手数料がかかる場合がございます。一部加盟店・エリアによりカードが使えない場合がございます。
ゴムの木は挿し木や取り木で増やせる
ゴムの木は挿し木や取り木で増やすこともできます。
挿し木は切り取った枝を水や土に挿して発根させる方法、取り木は枝や幹に付けた傷から発根させる方法です。
具体的な手順を解説していきます。
挿し木の手順
挿し木に最適な時期は、生育旺盛で暑さも厳しくない5月~6月頃です。
挿し木に使う枝は、若すぎず古すぎず成熟してしっかりとした枝を選んでください。
- 枝を3~4節ほどの長さで斜めに切る
- 葉は先端の2枚だけを残して半分ほどの大きさに切る
- 枝葉の切り口を洗い流す
- 枝の切り口を1時間ほど水に漬ける
- 土を入れた園芸用ポットに1節以上埋まるように枝を挿す
- たっぷりと水やりをする
- 風通しのよい半日陰で土が乾かないように水やりをして管理する
- 2~3週間ほどして発根し、本葉が2枚以上になったら鉢に植え替える
葉を減らして小さく切るのは、蒸散(水蒸気が放出される現象)によって枝が乾燥するのを防ぐためです。
土は挿し木用に配合された市販品か、小粒の赤玉土を使用しましょう。
枝の切り口に発根促進剤を塗っておくとより発根しやすくなります。
取り木の手順
取り木も5月~6月頃が最適な時期です。
取り木をおこなうときは、水苔(ミズゴケ)やビニールシート、ビニールタイ、カッターナイフを準備してください。
- 潜伏芽の少し上にぐるりと1周カッターで切れ込みを入れる
- 切れ込みから3~4cmの高さにも平行に1周切れ込みを入れる
- 幹の硬い芯が見えるようにしっかりと皮を削り取る
- 皮をはいだ部分に軽く湿らせた水苔をたっぷりと巻き付ける
- 水苔の上からビニールシートを巻き付ける
- ビニールタイでシートを固定する
- 風通しのよい場所で水苔が乾かないように水やりをして管理する
- 1ヵ月ほどして発根したら切り取って鉢に植え付ける
皮をはいだ部分に発根促進剤を塗ったり、水に溶かした活力剤を与えたりすると発根しやすくなります。
ゴムの木の育て方に迷ったときはお庭110番にご相談ください
お庭110番では庭木の剪定だけでなく、観葉植物の剪定や植え替え、病害虫予防の消毒のご依頼にも受付対応しています。
「ゴムの木を自分で剪定してみたけどおしゃれな形にならない……」
「ゴムの木の葉が枯れてきたからなんとかしてほしい!」
など、ゴムの木の育て方にお困りの際には、お庭110番にぜひご連絡ください。
お電話でのご相談は24時間365日無料で受け付けており、剪定のプロによるお見積りも無料※でおこなっています。
剪定や植え替えの施工時には、普段のお手入れ方法についてプロのアドバイスを聞くこともできますよ。
※対応エリア・加盟店・現場状況等により記載内容の通りには対応できない場合がございます。
「まずは費用を見てから考えたい」という方も、どうぞお気軽にお電話ください。