クレマチスは手入れの仕方を間違えると、花が全然咲かなくなってしまうほど扱いが難しい植物です。もし花が咲かなくて困っているのであれば、まずはクレマチスの剪定方法を見直してみましょう。
なぜなら、クレマチスの剪定はタイプによって方法が違ってくるからです。この記事では、タイプ別で異なるクレマチスの剪定方法について詳しく解説します。ほかにも、花を咲かせるために気をつけたい栽培方法のポイントなども解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
クレマチスの剪定前に確認しておくべき注意点
まずは、クレマチスの剪定前にチェックしておきたいポイントについて解説します。クレマチスの剪定で失敗しないためにも、この章の内容をしっかりと把握しておきましょう。
適した時期に剪定をおこなう
クレマチスの剪定は花が咲き終わったあとと、春の入りはじめのタイミング(花後と春先)でおこなっていきます。これらの時期にクレマチスの剪定をおこなう理由は、「余計な栄養が流れるのを防ぐ」ため。とくに花後の剪定は重要であり、剪定せずそのままにしておくとクレマチスに種ができるので、その種に養分が奪われてしまうのです。
また、春先の剪定ではすでに役目を終えた枝を取り除くためにおこないます。不要な枝を取り除くことで、花を咲かせるために重要な養分を必要な場所に回すことが可能です。
方法を間違えると枯れるおそれがある
クレマチスの剪定では、枝を根元からバッサリと切ってしまうことをいう「強剪定」をおこなわないのが基本。これから伸びていく必要な枝に強剪定をおこなうと、クレマチスの株に大きな負担がかかり、場合によっては枯れる原因になるかもしれません。
また、枝を切る場所にも注意が必要です。たとえば枝の節目の位置で切ると、新芽や枝が枯れやすくなってしまいます。そのため、クレマチスを剪定するときは、節と節の間(真ん中)を狙って切ることを意識してみましょう。
咲き方の「タイプ」を把握しておく
クレマチスには、「新枝咲き」「旧枝咲き」「新旧枝咲き」の咲き方が違う3つのタイプがあり、それぞれ適切な剪定方法が異なってきます。ここから、タイプ別での特徴をご紹介しますので、自身のクレマチスがどのタイプなのか確認してみましょう。
新枝咲き
新枝咲きタイプは、新しく伸びてきた若い枝にのみ花を咲かせるクレマチスのタイプです。そのため、古くなって茶色く変色した枝に新芽が見られない場合は新枝咲きのクレマチスである可能性があるでしょう。
旧枝咲き
新枝咲きとは対照的に、古い枝から新芽が伸びて花を咲かせるのが旧枝咲きです。このタイプは「一季咲き」という品種が多く、新しい枝が生えてから2年目の枝に花芽が付いて開花していきます。
新旧枝咲き
古い枝から新しい枝が伸びてきて、そこから花芽をつけて咲くクレマチスを「新旧枝咲き」タイプといいます。旧枝咲きと似ていますが、新旧枝咲きは「四季咲き」とよばれる品種が多いことが特徴です。四季咲きはしっかりと剪定や栽培をおこなうことで、年に4回咲くこともあります。
このようにクレマチスのタイプは、芽が生えてくる場所や咲き方の特徴で判別することが可能です。また、クレマチスの品種が分かっている場合は、インターネットなどでその品種を検索して調べる方法もあります。クレマチスの剪定を正しくおこなうために、自身のクレマチスがどんなタイプなのか把握することが重要です。
もし、クレマチスの咲き方タイプが分からない、うまく剪定できるか自信ないという場合は、業者に依頼するのが無難な選択といえます。剪定のプロであれば、クレマチスの品種ごとに合った方法で剪定をしてもらうことが可能です。弊社では、クレマチスの剪定が可能な業者を紹介していますので、お困りであればぜひご相談ください。
※1 対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。※2 手数料がかかる場合がございます。一部加盟店・エリアによりカードが使えない場合がございます。
タイプ別で解説!クレマチスの剪定方法
剪定するにあたって必要なのは「剪定用のハサミ」です。枝に負担がかからないように切れ味のよいものを選ぶのがおすすめ。また、刃に雑菌が付いているとクレマチスを弱らせてしまう可能性があるため、消毒液か熱湯を使って消毒をしてから使用するようにしてください。それでは、咲き方タイプ別でクレマチスの剪定方法を見てみましょう。
新枝咲きの場合
新枝咲きタイプのクレマチスは、2~3月ごろと5月に剪定をおこないます。新枝咲きタイプは古い枝に新しく花が咲くことはないため、古い枝はバッサリと大きく剪定をしても問題ありません。
剪定をする目安としては、根元から10~15cmほどの位置から枝を切り落としていきます。こうすることで、新芽の生長をサポートすることができ、花が咲きやすくなるのです。
また、5月ごろにおこなう「花後」の剪定では、枝を半分程度の長さまで短くするように剪定をしていきます。
旧枝咲きの場合
旧枝咲きのクレマチスの剪定適期は3月ごろになります。旧枝咲きは昨年に伸びた枝に花芽が付くため、できるだけ古い枝を残すのがコツ。すでに花芽が付いているクレマチスの枝を残し、芽がないものは切り取っておきます。
なお、旧枝咲きのクレマチスは冬になると、変色したりすることがあります。しかし、枯れているわけではないため誤って切らないように注意しましょう。
また、4~5月あたりにも剪定が必要です。一季咲きの品種であれば開花が終わったタイミングで花を摘み取りましょう。四季咲きの場合は花の位置から1~2節下の位置で剪定をしていきます。
新旧枝咲きの場合
新旧枝咲きタイプの剪定は旧枝咲きと同じく、去年生えた枝を残すように剪定をしていきます。去年の枝から新しい枝が生えてきたときが、剪定をおこなう時期です。目安としては大体2~3月ごろになるでしょう。剪定をするタイミングで新しい枝や、芽が生えていない枝は、旧枝咲きとおなじように切り取っていきます。
また、5~8月の期間では花後の剪定もおこないましょう。花が咲いたあとの枝から1~2節下を狙って切っておくことで、脇芽が生えて再度花が咲くようにサポートすることができます。
クレマチスの剪定は少し難易度が高いうえに、ミスをすると今までの栽培管理が水の泡となる可能性があります。そのため、ガーデニング初心者の場合は剪定のプロに任せるのもひとつの選択肢です。もし剪定のプロをお探しであれば、弊社を利用することでクレマチスの剪定が得意な業者に依頼することができます。
※1 対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。※2 手数料がかかる場合がございます。一部加盟店・エリアによりカードが使えない場合がございます。
クレマチスの花を咲かせるために重要な3つの点
きれいな花を咲かせるためには、クレマチスの剪定だけでなく基本的な栽培管理もしっかりとおこなう必要があります。ここで、クレマチスの花を咲かせるために重要な「栽培管理」「病気・病害虫対策」「誘引」の3つのポイントを解説していくので、参考にしてみてください。
1.栽培管理を徹底すること
1点めは、クレマチスにとって育ちやすい環境を整え、日ごろのお手入れを怠らないことです。クレマチスの管理で大切な要素を確認しておきましょう。
栽培する環境
まずは、クレマチスの栽培環境をしっかりと整えることが大切。クレマチスは日当たりと風通しがよい場所が好みなので、これらに当てはまる環境で育てるようにしましょう。ただし、夏場の日差しはクレマチスにとって負担なので、真夏の時期は1日の半分程度の日が当たる場所(半日陰)で育てる必要があります。
水やり
基本的に、クレマチスを庭植えで育てる場合は水やりが必要ありません。鉢植えの場合は、土を確認して乾いてきたタイミングで、たっぷりと水やりをすることが大切です。また、夏の場合は土が乾燥しやすいため1日2回を目安として与えていきます。庭植えの場合も、暑い日が続く場合は水を撒いておくとよいでしょう。
肥料
クレマチスの肥料は、2種類を別々のタイミングで与えていきます。1ヶ月に2回の頻度で液体肥料を使用し、隔月ごとに緩効性の化学肥料を与えておくのがベスト。ただし、これらの肥料を撒く時期は春と秋の間のみです。それ以外の時期に肥料を撒くのは、かえってクレマチスの負担になる可能性があるので避けておきましょう。
2.病気・病害虫の対策をしておくこと
2点めは、クレマチスの健康を害する外敵から守ることです。クレマチスはさまざまな病気や病害虫の被害に遭いやすい植物です。
とくに梅雨や春~秋の時期は病気や病害虫が発生しやすくなります。クレマチスの剪定や栽培管理のタイミングで、何かしらの被害が起きていないかチェックしておきましょう。ここでは、とくに注意したい病気・病害虫の一部をご紹介します。
うどんこ病
葉の表面などにうどん粉をまぶしたような白いカビができてしまう病気です。うどんこ病はほかの植物にも感染する可能性があるため、症状を見つけ次第取り除きましょう。
さび病
サビのような模様ができてしまう病気です。こちらもうどんこ病同様カビが原因でおこるもので、発症したらその個所を取り除くしかありません。これらのカビは、高温多湿の環境で発生しやすいため、今後風通しや湿度を改善することで対策になるでしょう。
アブラムシ
葉や枝に集団でとりつき、養分を吸汁していくやっかいな害虫です。さらに、排泄物などによる汚染被害もあるので、病気などの二次被害を引き起こしてしまうことも。アブラムシを見つけたら、粘着力のあるテープなどを使って取り除いて駆除します。
アオムシ
クレマチスの葉を食べるモンシロチョウの幼虫です。刃が食べられると養分を吸収するための光合成がしにくくなるため、生長が遅れやすくなってしまいます。駆除をするときは、箸などを用いてつまんで取り除くのがよいでしょう。また、葉の表面に小さな黄色い粒のようなタマゴがあれば、あらかじめ取り除いておくとよいですね。
3.ツル(枝)を誘引しておくこと
3点めに、誘引という作業をおこないましょう。クレマチスはツル(枝)が長く伸びていく「ツル性」植物で、ツルが伸びすぎると風通しが悪くなるためです。
誘引に必要な道具は、支柱またはフェンスと園芸用のロープになります。誘引の方法にはとくにルールはなく、見た目を考えて自由におこなうことができます。ツルの先をフェンスに通したりなどをして、自分好みの形にアレンジしてみてください。できれば、風通しのことを考えながら誘引しておくのがベストです。
また、園芸用のロープは誘引した枝を支柱に固定するために使います。このとき、伸ばしたい方向に誘導するようにうまく園芸用のロープを使えば、自身の思い通りの形にクレマチスのツルを伸ばしやすいでしょう。