杏の剪定方法は目的で異なる!きれいな花や収穫を楽しむためのコツ

杏の剪定方法は目的で異なる!きれいな花や収穫を楽しむためのコツ

杏のきれいな花やおいしい実を楽しみたくて栽培しているという人も多いことでしょう。しかし、杏は楽しみ方の目的を決めたうえで正しく剪定をおこなわないといけません。

なぜなら、目的によって杏の剪定方法が大きく異なるからです。これを知らないと、思うように実や花が成らず、杏を楽しめなくなってしまう可能性があります。

今回は「花を楽しみたいとき」と「実を楽しみたいとき」で違う杏の剪定方法を解説。この記事を参考にして、自身の目的通りに杏を楽しみましょう。

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目次

杏の剪定は目的別で方法が異なる

杏の剪定がなぜ目的別で違うのかといいますと、杏には強めの剪定をした短い枝によい実が成りやすいという特徴をもっているからです。しかし、強めの剪定をすると枝が短くなる分、花芽がつきにくいので花の数が少なくなってしまいます。このことから杏の剪定は、実を多く成らせたいか花を多く咲かせたいかによって方法を変えていく必要があるのです。

また、梅やプラムなどの杏の仲間にも同様の傾向がみられます。それでは、花を楽しむか実を楽しむかでどう剪定方法が違うのか、それぞれ見ていきましょう。

花をつけたい場合の剪定方法

花をつけたい場合の剪定方法

多くの花を咲かせるように杏を剪定するなら、なるべく「葉」を残すことがコツ。葉は栄養を吸収するために必要なものなので、切りすぎないように注意しながら不要な枝を切り取りましょう。

剪定時に切り取りたい枝は、混みあった枝、真上や真下に伸びた枝、細く間延びした枝などがあります。これらの枝を剪定することによって、日当たり・風通しがよくなって多くの栄養素を取り込めるため、多くの花を咲かせることにつながるのです。また、樹木全体を見ながら見た目が悪い枝を剪定していくと、樹形が整うので杏の花をより楽しめるでしょう。

実を収穫するための剪定方法

お菓子の材料にしたり、ジャムにしたりなどで杏の実を楽しみたいのであれば、花芽を増やさないように剪定することが大切です。杏は10cm程度の短い枝によい実が成ることが多いので、枝の長さを確認しながら短い枝になるよう剪定しましょう。

また、伸びてから3年以上になる古い杏の枝も剪定しておくのがよい実を収穫するコツ。古い枝には杏の実がなりにくいうえに、余分な栄養素が古い枝に回ってしまいます。それ以外にも、生育の邪魔になる枝があれば切っておくことも必要です。

剪定時期にも注意が必要

どちらの目的でおこなうにせよ、杏の剪定時期は12月~翌2月ごろとなっています。この時期に剪定をおこなうことで、春に新芽が出てきて生長期のシーズンと合わせて生長がよくなりやすいからです。また、樹木が生長しすぎている場合は、夏の時期に軽く整える程度に剪定が必要になることもあるでしょう。

ここまでご紹介したように、杏は剪定方法や時期など注意点が多いため栽培初心者にとっては難しく感じる部分があるかもしれません。もし難しそうであれば、業者に剪定を依頼するのが無難です。弊社のサービスを利用することで、お客様のご希望に合わせた剪定が可能な業者を紹介することができます。お困りのことがあればぜひ弊社にご相談ください。

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花や実をつけたいなら栽培方法に気をつけよう

よい花や実をしっかり付けるためには、杏の剪定だけでなく普段の栽培方法にも気をつける必要があります。そこで、この章では杏の基本的な育て方について解説していくので、参考にしてみてください。

杏の基本的な栽培方法

杏の基本的な栽培方法

杏を栽培するうえでとくに気をつけたいポイントが、栽培場所・水やり・肥料です。庭植えか鉢植えかで細かい方法が異なる場合もあるので、注意しながら確認しておきましょう。

栽培場所

杏は日当たりのよい場所を好むという性質があります。反対に、日当たりが悪くて風通しの悪い環境が苦手なので、植え付けをおこなう際は注意したほうがよいでしょう。鉢植えでも同様に、日当たりと風通しのよい場所に置いて管理します。

水やり

庭植えの場合は基本的には水やり不要ですが、夏の乾燥しやすい時期の場合は適度に与えておくのがよいでしょう。一方で鉢植えの場合は定期的な水やりが必要。鉢の土が乾いたのを確認したタイミングで、水をたっぷりと与えるようにしてください。

肥料

杏に使用する肥料の種類は、有機質肥料がおすすめです。以下の時期を目安として庭植えは年2回、鉢植えは年3回与えていきましょう。

肥料を与える時期
巣の場所

山の中にある木の根元、その下の地面など

鉢植え

2~3月、5月、9~10月

病気・病害虫は早期発見が大切

杏の栽培管理をするついでに、病気や病害虫被害が発生していないか確認するようにしましょう。早期発見をすることで、杏の樹木や実の被害を抑えることができます。ここで、杏の栽培でとくに気をつけたい病気・病害虫を3つご紹介します。

黒星病

葉や果実の表面に黒い斑点があらわれる病気が黒星病です。この黒い斑点はカビが感染して発生するといわれており、杏の葉や実の生長を阻害してします。この状態を放置していると、その葉や実はやがて枯れてしまいますし、ほかの場所に感染して被害が広がるおそれがあるので早めの対処が肝心です。

黒い斑点が付いた葉や実は、なるべく早めに切り離すようにしましょう。また、黒星病の原因となるカビが発生しないように薬剤を撒いたり、風通しをよくしたりして予防する必要があります。

シンクイムシ

果樹の実に成虫が卵を産み付け、孵化した幼虫が実のなかを食い荒らす虫のことを総称として「シンクイムシ」といいます。シンクイムシはおもに蛾の幼虫で、杏の実に穴を開けて果実の芯から食害するやっかいな害虫です。当然、食害に遭った杏は食べられないので、捨ててしまうしかなくなるでしょう。

シンクイムシに対策するには、成虫が卵を産み付けないように工夫するのが大きなポイント。たとえば果実の上に防虫ネットをかぶせておけば、シンクイムシの卵が産み付けられにくくなるでしょう。また、杏の実に卵がある場合はすぐに取り除き、食べごろになったら早めに収穫しておくのも対策になります。

コスカシバ

蜂に似た姿をした蛾の仲間であるコスカシバは、杏をはじめとした梅の木の樹皮を好んで産卵する虫です。孵化した幼虫が樹皮のなかに入って幹を食い荒らすうえに、排泄物や樹皮から出た樹液により杏が病気を引き起こすおそれがあります。

コスカシバの幼虫を駆除するためには植物用の殺虫剤が必要になりますが、幼虫がすでに深く潜っていると殺虫剤の効き目が悪くなってしまいます。そのため駆除が難しいと感じたときは、無理をせずに業者に依頼することが大切。

ちなみに弊社であれば、杏の剪定だけでなく害虫の駆除も取り扱える業者をご紹介することが可能です。杏に住み着いた害虫にお困りの場合もぜひご相談ください。

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おいしい杏の実を収穫するコツ

おいしい杏の実を収穫したいなら、杏の剪定や栽培管理以外にも気をつけることがあります。実が収穫できる確率を増やすために、これからご紹介するコツを押さえてみてください。

人工授粉をしておく

人工授粉をしておく

人工授粉とは、果実が成るために必要な「受粉」を人の手でおこなうことです。杏は自身が放つ花粉で受粉することが可能ですが、自然に任せるには限界があります。そのため、杏の実が成る確率を上げたいのであれば、人工授粉をしておくとよいでしょう。

人工授粉用の花粉は通販サイトなどで購入できるので、入手自体はしやすいです。ただ、購入するまえに自身が育てている杏と相性がいい花粉なのか確認するようにしてください。花粉を用意できたら筆などの柔らかいものを使って、杏の花にある雌しべに軽く付けておきましょう。

生育の悪い実を「摘果」する

人工授粉をして多くの実が成ってきたら生育が悪くて小さい実、害虫の被害に遭っている実を取り除く「摘果」という作業をおこないます。実を摘み取るのは少しもったいないと思うかもしれませんが、生育の悪い実を放置すると樹木に負担がかかるため、むしろ摘果をしたほうがよいのです。

さらに、摘果をすることによってよく生長している杏の実に栄養が集中し、おいしくて栄養のある杏を作りやすくなります。また最終的には、枝の長さ10~15cmに対して1個の杏の実を残していくように摘果しましょう。

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