透かし剪定では、密集していたり、伸び過ぎてしまったりした枝を切って数を減らしていきましょう。枝の密度を減らすことで、庭木の日当たりや風通しがよくなるからです。また、透かし剪定をおこなう際は樹木の種類によって時期を考えておこなうことも大切です。
このコラムでは、透かし剪定のコツについてご紹介します。剪定の時期についてもご紹介していますので、生育中の庭木にあわせておこなってみてください。ただし、3m以上の高さのある庭木の剪定は高所での作業となるため、危険をともないます。無理はせずに、業者依頼を検討することをおすすめします。
庭木の透かし剪定をやってみよう!
透かし剪定とは、密集して混み合ってきたり、伸び過ぎてしまったりした枝を切り落とし、枝と葉のバランスが均一になるようにボリュームをおさえる剪定方法です。
透かし剪定を施すことで、日当たりや風通しがよくなるだけでなく、養分が必要な部分に行き渡りやすくなるため、庭木にとっての生育環境が大幅に改善されます。また、病害虫の予防にもなるのです。
この章では、透かし剪定のコツをご紹介していきます。必要な道具をそろえて実践してみましょう。
透かし剪定のコツ
透かし剪定は、以下の3つのことを守っておこなうのがコツです。
- 上から下に向かって枝を切っていく
- 太い枝→細い枝の順に切っていく
- 左右のバランスが均一になるように整える
上から下に向かって切っていくと、バランスがとりやすく樹木を自然な形に仕上げることができます。枝を切る際は、先端から切り落とすのではなく、奥側の太い枝から切り、そのあとに細い枝を切っていくようにしましょう。
日の当たり具合など、その樹木の生育環境の違いによって枝葉のつき方もそれぞれであるため、片側だけたくさん葉が生い茂っているという場合もあります。そういったときは、最終的な樹形を考えて、左右のバランスが均一になるように仕上げていくことがポイントです。
準備するもの
透かし剪定をおこなう前に、以下の道具を準備しておきましょう。
- 剪定バサミ
- 木バサミ(植木バサミ)
- 手袋
- ヘルメット
- 脚立
- 養生シート(新聞紙でも可)
剪定バサミでは太めの枝を切る、木バサミは細めの枝を切るといったように使い分けると作業がしやすくなります。また、けが防止のために手袋やヘルメットも装着しておいてください。
脚立は作業時に何回も動かさなくても済むように、なるべく作業効率のよい位置を見つけて設置するとよいでしょう。養生シートは作業前に地面に敷いておくと、切り落とした枝葉の回収が楽になるのでおすすめです。
透かし剪定の方法
それでは実際に透かし剪定をおこなってみましょう。透かし剪定の手順は以下のとおりです。
- 木を遠くから眺め、最終的な樹形をイメージする
- 掃除がしやすいように、地面に養生シートを敷いておく
- 混み合っている太い枝や長い枝をつけ根から切る
- 内側に向かって生えていたり、下向きや真上に伸びていたりするような細い枝をつけ根から切る
- 切った枝が途中で引っかかっていることがあるため、枝を揺らしてすべて下に落としておく
作業に入る前に、遠くから樹木を眺めて全体のアウトラインを決めていきます。アウトラインを決める際は、自然樹形になるように円錐の形をイメージすると作業しやすくなるでしょう。
細い枝を切る際は、上記の枝のほかに枯れている枝もあれば切り落としておきます。枝を切る際は、まっすぐ切るのではなく、上向きに生えている枝は切り口が上を向くように、下向きに生えている枝は切り口が下を向くように斜めに切るようにしましょう。斜めに切ることで切り口を外から見えにくくすることができます。
不要な枝を切ったあと、ひとつの枝に対して枝がつきすぎているところがあれば、密度が均一になるように切っておきましょう。外側に向かって生えている枝や生長が弱い枝は切らずに残すようにします。
最後に枝を揺らして、切った枝を落とすのを忘れないようにしましょう。枝が残っていると、その枝が枯れてしまったり、風通しを悪くしてしまったりするからです。
高木の剪定は業者依頼がおすすめ!
自分で庭木の剪定をおこなう際は、3m程度の木までにしておいたほうがよいでしょう。3m以上の高木になると、脚立も長いものを用意しないといけません。高くなるほどバランスがとりにくくなり、落下のリスクが高まります。
高所での慣れない作業は大変危険なため、高木の剪定は業者依頼がおすすめです。もちろん、3mほどの木の剪定でもケガのリスクはゼロではありません。安全に効率よく作業をすすめるためには、剪定を業者に依頼することも検討してみてはいかがでしょうか。
弊社では、剪定のプロをご紹介するサービスをおこなっています。庭木の剪定だけでなく、めんどうな草刈りなどもまとめておこなうことができる業者のご紹介も可能です。お問い合わせは無料となっていますので、少しでも興味があるという方は、まずは弊社までお電話ください。
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剪定に適している時期
透かし剪定は自分の好きなタイミングでおこなってよいわけではありません。剪定は樹木に与えるダメージが大きいため、時期を考えておこなう必要があるのです。なにも考えずに枝を切り落としてしまうと、切り口から木が弱っていくおそれがあります。花つきをよくするためにも、庭木にとって最適な時期を見極めて剪定をおこなうことが大切です。
ここでは、樹木の種類ごとに剪定に適している時期をご紹介していきます。剪定したい庭木がどの種類にあてはまるか、しっかり確認しておきましょう。
常緑広葉樹
常緑樹とは、1年中緑の葉がついている樹木のことを指します。そのなかでも、葉の形が広く平らになっているのが常緑広葉樹です。代表的な樹木には、ヒイラギやキンモクセイなどがあります。
剪定は新芽が芽吹く前の3~4月ごろや新葉が落ち着いてくる5~6月ごろが適しています。樹形を乱しているような不要枝は切り落とし、風通しや日当たりを悪くしている葉の量を少なくするような強めの剪定をおこないます。8~10月ごろは、伸び過ぎた枝があれば切って整えるくらいの軽め剪定に留めておきましょう。
常緑針葉樹
常緑針葉樹は1年中葉がついているという点では先ほどの常緑広葉樹と同じですが、葉の形が異なります。針葉樹という名前がついているように、葉は鋭くとがった形をしているのが特徴です。代表的な樹木には、スギやマツなどがあります。
寒さに強い種類の樹木が多いですが、常緑針葉樹も春に新芽が育つため、3~4月ごろに強めの剪定をしてあげましょう。10~11月は枯れ枝を落とすくらいの軽めの剪定をしておきます。
落葉樹
落葉樹は、寒くなってくると葉が落ちる樹木のことを指します。イチョウやモミジなどは秋に葉が落ちるため、落葉樹に分類されます。
12~2月ごろの葉が落ちたあとに、強めの剪定をおこないましょう。反対に、夏は生長が活発になるため、強めの剪定をすると木を傷めてしまうため避けておきます。3月と6月、9~10月ごろは軽めの剪定ならおこなっても問題ありません。
業者に剪定を依頼するメリット・デメリット
業者に剪定を依頼するいちばんのメリットといえるのが、『仕上がりの美しさ』でしょう。熟練の技と長年の経験から、庭木にとってもっともよい状態に仕上げてもらえます。
さらに、作業後の処分までやってくれるところもうれしい点です。剪定後に大量に出た枝葉の処分に困ったことがあるという方も多いのではないでしょうか。業者なら、最後の後片付けまで一緒にお願いすることができますよ。
デメリットは、やはり料金がかかる点が大きいかもしれません。業者に依頼した場合にかかる費用の見当がつかないと、「なかなか一歩を踏み出せない……」といった方もいるかもしれませんね。少しでも参考になるように、最後に費用相場についてご紹介しておきましょう。
費用相場
剪定業者ごとに料金システムが異なります。ここでは、単価制と日当制の違いについてみておきましょう。
【単価制】
木1本ごとに料金が計算される。費用は樹高で決まることが多い。
- 0~3mの樹木1本あたり/約3,000円
- 3~5mの樹木1本あたり/約5,000円~7,000円
- 5~7mの樹木1本あたり/約1万5千円~1万7千円
【日当制】
職人の人件費をもとに計算される。作業人数が増えるほど費用は高くなる。
- 職人1人・1日あたり/約1万5千円~3万円
以上が費用相場となります。依頼する木の本数が少ない場合は、単価制のほうがお得かもしれません。反対に何十本もの木を剪定してほしい場合は、日当制のほうが安くつく場合もあるでしょう。
費用相場は業者ごとに設定価格が異なるため、まずは見積りをとってみることをおすすめします。どこに依頼すればよいかお悩みの場合は、弊社までご相談ください。弊社では剪定のほか、草刈りや芝刈りといったお庭のお困りごとを解決できる業者をご紹介しています。いつでもお気軽にお問い合わせください。