剪定とは木の枝を切ること!作業の目的を決めるのが正しい剪定の第一歩

剪定とは木の枝を切ること

「剪定(せんてい)」とは、木の枝を切って見栄えを整える作業のことを指します。
放っておくとどんどん枝を伸ばして大きくなっていく樹木を整え、形をきれいに見せるのです。

しかし剪定には、見栄えを整える以外にもさまざまな目的があります。
剪定をすることで樹木の成長を促したり、花つきをよくしたりすることにもつながります。
剪定とは、ただ枝を短くして木を小さくするだけの意味合いではないのです。

この記事では「剪定」という言葉の意味や剪定の目的を解説します。
これを読めば、剪定の意味や目的を知ることができ、剪定に適した時期に正しい方法で剪定をすることができます

この記事でわかること
  • 剪定の意味
  • 剪定の目的
  • 剪定に適した時期
  • 剪定の種類
  • 切るべき枝の種類
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目次

剪定とは木の枝を切ること

冒頭で説明したとおり、「剪定」とは木の枝を切ることです。
大きくなりすぎた枝を切ることで、木の見栄えをよくします。

剪定には、それ以外にもいくつかの目的があります。
ここでは剪定をする目的を5つ解説します。
これから剪定する予定の方は、まず剪定する目的をしっかり定めましょう。

剪定の目的

風通しをよくするため

夏場に葉や枝が生い茂ると風通しが悪くなります。
余分な枝葉を切り落として風通しをよくすることで、熱気や湿気がこもるのを防ぎます。

病害虫の予防をするため

葉が生い茂ると、葉を食べる虫が付きやすくなります。
病害虫によって木が弱るのを防ぐため、剪定で日光や風通しを改善することで病害虫も予防します。

栄養を行きわたらせるため

枝が多いと栄養が分散し、全体に行きわたらなくなって木が弱ってしまいます。
そこで枝を切って減らすことで、栄養が十分に木全体にまわるようにします。

花つきをよくするため

枝が多く栄養が全体にまわらなくなると、花を咲かせる栄養が足りなくなってしまいます。
その結果、花が咲く量が少なくなり、できる実の量も減ることにつながります。
そのため、枝を適度に減らすことで花を咲かせるための栄養が樹木全体にまわるようにします。

大きさを整えるため

木が大きくなってくると、お庭の敷地をはみ出して道路や隣の家の敷地内に枝が飛び出してしまい、トラブルの原因となります。
それを防ぐために剪定で伸びすぎた枝を切り、木が大きくなりすぎるのを防ぎます。

剪定は木の見た目を整えるだけでなく、木が弱らないようにしたり、栄養を行きわたらせて質の良い花や実がつくようにしたりする役割があります。

お庭の樹木は自然のままに大きく育てばよいというわけではなく、定期的に剪定をすることで健やかな生長を促すことが大切です。

剪定に適した時期

剪定は一年中いつでもできるわけではありません。
誤った時期に剪定をしてしまうと、樹木を枯らしてしまうこともあります。
それを防ぐために、剪定に適した時期について解説します。

夏は軽い剪定に留める

夏の間は枝をたくさん切らず、軽い剪定に留めることが重要です。

夏は枝を伸ばし葉がたくさん生い茂るために、たくさんの栄養が必要な時期です。
そんな夏の間に太い枝を多く切り落とすと、枝を切られたダメージを回復する栄養が足りず、木が弱ってしまいます
また、枝葉をたくさん切り落として影がなくなると、木の幹に直射日光があたるようになり、日焼けして弱ってしまうことにもつながります。

夏の間の剪定は、風通しをよくして全体に日光があたるようにすることを目的として、細い枝を軽く切る程度に留めましょう。

冬は大がかりな剪定ができる

冬になると木が休眠期間に入るため、夏にできなかった大がかりな剪定ができるようになります。

冬は夏と比べると樹木が栄養を必要とせず、さらに栄養を蓄えている時期なので、太い枝を切り落としてもちゃんとダメージを回復させることができます。
そのため、不要な枝を切ったり葉を大幅に減らしたりすることができるようになります。

冬の剪定は樹木の見た目を整えることをおもな目的としておこないます。

木の種類ごとの剪定時期

木の種類によっても剪定に適した時期には違いがあります。
ここでは、常緑広葉樹、常緑針葉樹、落葉樹の3つに分けて解説します。

常緑広葉樹の剪定時期

冬になっても葉が落ちず、1年中葉がついている樹木です。
そのなかでも、葉の形が平らなものを常緑広葉樹といいます。
常緑広葉樹の剪定は、3~4月の新芽の育つ前から5月下旬~6月の新葉が落ち着いた時期が最適です。

常緑針葉樹の剪定時期

1年中葉がついている樹木のなかで、葉の形が針のようにとがっている樹木です。
代表的なものには、松や杉などがあります。常緑針葉樹の剪定は、3~4月の新芽の育つ前が最適です。

落葉樹の剪定時期

桜やハナミズキなど、冬になって気温が下がると葉が落ちる樹木です。
落葉樹の剪定は、木が休眠期間に入る12~2月の間が最適です。
4~5月、7~8月の時期は樹木に負担を与えてしまうため、大がかりな剪定には適していません。

剪定の種類

剪定の種類にはさまざまなものがあります。
枝葉を減らすことが目的なのか、花をきれいに咲かせることが目的なのかなど、目的に合わせて剪定方法を選びましょう。

透かし剪定

枝や葉の量を適度に減らして透かしていく剪定

切り戻し

枝を半分から3分の1ほどのところで切り、一回り小さくする剪定

刈り込み

生垣などのように全体を均一に刈り込んで整える剪定

芽摘み

不要な芽を摘み取る剪定

花柄摘み

咲き終わった花を摘み取る剪定

整姿剪定

不ぞろいな枝を切って形を整える剪定

整枝剪定

よい枝ぶりにするために樹木の骨格を作る剪定

切り詰め剪定

花つきをよくするために育ち過ぎた樹形を縮める剪定

吊るし切り剪定

大木の枝を切るためにロープを使用して枝をおろす剪定

切るべき枝の種類

木のバランスが悪くなったり、風通しを悪くしたりといった、樹木の生長に悪い影響を与える枝のことを不要枝や忌み枝といいます。
剪定で切り落とすべき不要枝にも、いくつかの種類があります。

徒長枝

幹や主枝から勢いよく真っすぐ伸びて樹形を崩している枝

平行枝

主枝よりあとに平行に伸び出して日当たりを悪くしている枝

ふところ枝

樹木の内側に出てきて枝葉が混み合う原因となる枝

交差枝

必要な枝に交差して伸び、樹皮を傷つけるおそれがある枝

逆さ枝

幹の方向に逆さに生え、樹形を乱している枝

下がり枝

下向きに生え、樹形を乱している枝

ひこばえ

木の根元から立ち上がる枝

車枝

1ヵ所から複数生えて、樹形や日当たりを悪くしている枝

胴吹き枝

幹の途中から生えて、養分を奪い取っている枝

不要枝 名称一覧

上記のような不要枝を残しておくと樹木の生長の妨げとなるため、枝の付け根から切り落としましょう
枝分かれをしている場合は、枝分かれのすぐ上の部分で切り落とすと、樹形を乱さず自然な形になります。

剪定で切り落とすべき枝について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

剪定に必要な道具

剪定するには道具を準備しておかなければなりません。
必要になる道具は、おもに下の4つです。

剪定バサミ

細い枝から太い枝まで切れるハサミ

植木バサミ

細かい枝を切ることを得意とするハサミ

刈り込みバサミ

生垣などを作る際に使用する刃が長めのハサミ

剪定ノコギリ

ハサミでは切り落とせない太い枝を切るノコギリ

剪定をするときは長袖の服を着用し、手袋や軍手を着けて肌の露出を減らし、怪我を防止しましょう。

また、木の高い部分の枝を切る場合には脚立が必要になります。
高所での刃物を扱う作業は、十分注意しておこなってください。

剪定で必要な道具に関しては、こちらの記事を参考にしてください。

まとめ

剪定とは、木の生長を促すために枝や葉を切り落とすことです。
伸びすぎた枝葉を切り落とすことで見栄えをよくし、木を美しく見せます。
見た目を整える以外にも、剪定には5種類の目的があります。

剪定の目的
  • 風通しをよくするため
  • 病害虫の予防のため
  • 栄養を行きわたらせるため
  • 花つきをよくするため
  • 大きさを整えるため

夏は軽く枝を整える程度の剪定に留め、冬は太い枝を切り落とす大がかりな剪定をすることが、木の生長を邪魔せずに樹形を整えるポイントです。
剪定を考えている方は、まず剪定の目的と時期を考えてみてください。

「お庭の樹木の剪定をしたいけれど自分でやる自信がない」「高いところでの作業になるので怪我が心配」など、剪定に関することでお困りの際はお庭110番にご相談ください。
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