月桂樹の剪定をおこなう前に、適切な剪定時期と正しい剪定方法を知っておきましょう。月桂樹は剪定に適した時期、方法でおこなわないと樹木が弱ってしまったり、最悪の場合枯れてしまったりすることがあります。また、月桂樹をどう仕立てたいかによって剪定方法が異なってきます。
この記事では、月桂樹の剪定時期や方法、育て方を解説しています。剪定に適した時期、正しい剪定方法を知って、月桂樹を元気に育てましょう。自分で作業することが難しいと感じたら、業者依頼をおすすめします。業者選びのポイントもまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
月桂樹の剪定に適した時期と方法
月桂樹を美しく育てるには、剪定に適した時期や正しい手順を知っておくことが大切です。適した剪定時期や正しい剪定方法を確認していきましょう。
剪定の時期
月桂樹の剪定に適した時期は、若い月桂樹の場合は6月中旬~下旬です。枝に葉があまりないこの時期の剪定は、新芽を取り除くだけという簡単な作業だけで終わらせることができます。
葉が茂り過ぎてしまった場合は、枝や葉の成長が落ち着いた9月ごろに剪定すると、翌年の春まできれいな樹形を保つことができます。
剪定の手順
つぎに剪定の手順を確認していきましょう。また、月桂樹の剪定は6月中旬~下旬・9月以外にも、寒さの厳しい時期を除けばいつでもおこなうことができます。
1.自分の理想の高さで幹を切り落とす(芯止めをする)
成長をしすぎて高くなってしまった樹木の幹を切り落とすことで、成長を止めることができます。伸びてきた幹は、形を維持するために高さを調節しましょう。分かれた枝の付け根部分で切り落としていきます。
2.枝の密集を適正な数にする
長くて太い枝や、交差して入り組んでいる枝などはつけ根から間引きましょう。間引きとは、枝の密集している状態を適正な数にすることです。こうして不要な枝を間引くことで、日当たりや風通しがよくなります。また、木が弱ったり病気になったりするのを防止することもできるのです。
3.新芽は取り除いてしまう
新しい芽が出たあとの6月に、新芽を取り除いてしまいましょう。月桂樹は成長が早いため、新芽の成長もとても早いです。新芽を取り除いてしまうことで、必要以上の成長を抑えることができます。
月桂樹の特性を抑えた剪定のコツ
月桂樹の特性としては、成長が早く芽吹く力や枝の伸びる速さが早かったり、横に広がらず縦に伸びたりする点があげられます。そのため、剪定で枝を切りすぎてしまった場合でも、すぐに成長してくれるので心配いりません。
しかし、縦に伸びるという特徴からどうしても風で倒れやすくなってしまいます。倒れないようにするためには、枝や葉っぱを剪定して風通しをよくしましょう。また、風通しがよくなることで月桂樹を病害虫から守ることもできます。
生垣や地植えの場合
●生垣
生垣の場合は見た目を重視した「刈り込み」という方法で樹木の形を整えていきます。刈り込みは、枝を選んで整える剪定とは違い、伸びた枝や葉をバリバリと方向などを気にすることなく刈っていく作業です。月桂樹は成長が早いので、年に1、2回おこなうようにします。
●地植え
地植えの場合は多少、放っておいても木は成長していきます。また、生垣と同様に定期的に剪定することで本来と違う形にすることもできます。剪定方法の選択次第で、月桂樹本来の形と違う形を楽しむことができるでしょう。
鉢植えの場合
鉢植えの場合は、自然な形以外にも「スタンダード仕立て」という仕立て方も可能です。「スタンダード仕立て」とは、丸く刈り込んで下側の枝はすべて剪定することです。こうした剪定をすることで見た目がおしゃれになり、月桂樹の鑑賞をより楽しむことができます。
月桂樹の刈り込みについて
月桂樹の刈り込みをしたくても、方法がわからない方もいらっしゃるのではないでしょうか。そのような方のために、月桂樹の刈り込みについてご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
1.不要な枝を切り落とす
月桂樹で不要な枝を選び、木の上部のつけ根から切りましょう。不要な枝とは、伸びて葉が茂ることで、樹冠内部の日当たりや風通しを悪くしている枝のことをいいます。たとえば、内向きに伸びる枝やほかの枝と交差して伸びる枝、隣の木と接して伸びるもの、下向きに伸びたりする枝などのことです。
2.刈り込んでいく
刈り込み作業は、側面からおこなっていきます。芽や枝の向きは気にしないでバリバリ刈っていってください。ある程度、整ってきたら下部から上部にめがけて刈り込んでいきます。
上部から刈り込んでいってしまうと、深く刈り込んでしまうおそれがあるので、下部から刈っていくのがきれいに仕上げるコツです。前年に刈り込みをした部分を目安とし、刈りバサミを使い刈り込んでいきましょう。
刈りバサミを使用するときは、ついつい両方の刃を動かしがちですが、利き手側の刃だけを動かします。片方を固定することで定規のような役割をし、大きなぶれがなくなるので失敗を減らすことができます。また、刃先がぶれないよう、反対側の手は脇をしめて作業をしましょう。
3.樹形を整えて仕上げる
ある程度刈り込んだら一度手を止めて、月桂樹がどんな仕上がりになっているか少し離れた位置から確認します。木の形が悪かったり不格好だったりした場合は、形をみつつ整えて仕上げましょう。
以上が刈り込み方法ですが、月桂樹の刈り込みは必ず必要な手入れではありません。刈り込みの代わりに間引きをおこなうことで、樹木の高さを調節することができます。その場合は年に1回、幹の先端から生えた枝を根元から切るようにしましょう。
※1 対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。※2 手数料がかかる場合がございます。一部加盟店・エリアによりカードが使えない場合がございます。
月桂樹は害虫がつきやすい!
月桂樹は成長が早いため、放っておくと枝葉が驚くほど育ってしまいます。育ちすぎると木全体の風通しが悪くなり、湿気などが原因で病害虫が発生しやすくなってしまうのです。月桂樹は樹木の中でも病害虫が発生しやすい木といわれています。病害虫を見つけたら早めに対処、駆除をしましょう。
月桂樹で発生する病害虫
病害虫の駆除方法は種類によって異なります。月桂樹に寄りつきやすいおもな病害虫の種類と駆除方法をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
●カイガラムシ
カイガラムシは大きさが約2~10ミリメートルほどで、くちばしを使って樹液を吸う害虫です。室内で育てている樹木なら安心と思うかもしれませんが、空気の入れ替えや人の体にひっついて知らない間に室内に侵入していることもあります。
カイガラムシは駆除しないでいると排泄物が原因で、すす病という葉を枯らしてしまう病気を引き起こすことがあります。二次被害を防ぐためにも、カイガラムシの駆除は早めにおこなうことが大切です。
【駆除方法】
カイガラムシを葉や幹で発見した場合は、すぐにブラシなどを使い擦り落としましょう。カイガラムシは名前のとおり殻をまとっているので、殺虫剤は効果がありません。根気よく取り除いていきましょう。擦り落としたら放置せず、きれいに取り除くことも忘れないようにしましょう。
まだ殻のないカイガラムシの幼虫を見つけた場合は、殺虫剤で駆除することができます。殺虫剤には、カイガラムシ用のものやオルトラン水和剤、アクテリック乳剤がおすすめです。カイガラムシを殺虫剤で駆除することができない、もしくは殺虫剤を使用したくないときは葉や幹を切り落としてしまうのも手段のひとつです。
地植え・鉢植えの場合は、剪定時期の4月や10~11月に切り落とすのがよいとされています。ただし、カイガラムシが大量発生したときはすぐに対処しましょう。
●ハマキムシ
ハマキムシとは、ハマキガ科の幼虫のことをいいます。ハマキムシは柔らかい葉は巻いてその中に潜み、かたい葉の場合は2、3枚重ねて糸で合わせその中に生息します。葉を食害し、食べられた葉はまばらに白っぽくなります。
【駆除方法】
ハマキムシのおもな発生時期は4~11月で、年に4~5回ほどのサイクルで発生します。葉が2、3枚重なっているものや巻いた葉、まだらに白っぽくなっている葉などに小さな卵が付いていますので、見つけたら取り除きましょう。
卵を発見した際には、スミチオン乳剤やマラソン乳剤、オルトラン液剤・水和剤などを使用すると効果的です。
●テッポウムシ
テッポウムシとは、カミキリムシの幼虫のことです。幹の中を食い荒らす害虫なので、葉を食べる害虫より発見をするのが難しいといわれています。そのため被害にあっていることに気づかず、気づいたときには手遅れになっていることも少なくありません。手遅れになってしまう前にテッポウムシを駆除する必要があるのです。
テッポウムシは鳥などの外敵から卵を守るために、暗くて目立たない場所を選びます。見つけ方のコツとしては、5~10月に木の幹の中に卵を産むので、木の周りに木くずやおがくずのような糞が落ちていないか確認してみましょう。落ちていた場合は、テッポウムシの被害にあっているおそれがあります。
【駆除方法】
テッポウムシがいるのは木の幹の中です。侵入するための穴がどこかにあるはずなので、しっかり確認していきます。おがくずのような糞がみられる場合は、その周辺に穴がある可能性が高いです。
出入りする穴は3つほどあるので、見つけたら、その穴に殺虫剤を噴射します。殺虫剤には、スミチオン乳剤、マラソン乳剤、オルトラン液剤・水和剤などがあるので、これらを使用するとよいでしょう。
また、穴に針金を刺しこんで駆除する方法もあります。穴がはっきりとわかっている場合は針金を使って仕留め、そのあとに農薬を散布しておくと予防することができます。
害虫駆除を徹底したいときは専門家の手を借りよう
月桂樹に発生した害虫は自分で駆除することも可能ですが、プロと違い害虫を取り残してしまうおそれもあります。「虫が寄ってこないように徹底的に駆除したい!」とお考えの方は、一度業者に相談してみることをおすすめします。
剪定が難しいならプロに相談
自分での剪定が無理なときは、業者に相談することをご検討ください。しかし、剪定業者は多くあるため、なにを重視して選べばよいか困ってしまいます。そんな方のために、業者選びのポイントをご紹介します。
よい業者を見分けるときのポイント
剪定の相談や依頼するとき、どこがよい業者なのかわからない方が多いのではないでしょうか。よい業者を見分けるためのポイントは下記のようなものです。
- 無料で見積りができる
- 実績が多く、納得のできる剪定をしてくれる
- 丁寧な作業をしてくれる
- 追加料金がかからない
剪定に限らず、どの業者でも無料で見積りをしてもらえる業者を選び、納得のいく料金かを知ることが大切です。また、見積りをしてもらうときには出張費用などの追加料金がかからないかも確認しておきましょう。
依頼でかかる費用相場と費用の抑え方
剪定を依頼するときに気になるのが費用です。剪定を業者に依頼する場合、「日当制・時給制」と「単価制」と料金体制によって費用が違います。それぞれの費用をみていきましょう。
日当制・時給制
業者、地域によって日当制や時給制の料金は異なります。作業時間や剪定箇所が少ない場合は、時給制や日当制の業者のほうが費用を抑えられることもあります。金額に差があるため、複数の業者に見積りを依頼し内容を比較することが大切です。日当制や時給制で業者を選ぶ場合は、慎重に選ぶようにしましょう。
単価制
単価制の場合は、庭木の剪定や生垣の剪定などで料金が違ってきます。それぞれの料金相場は下記のとおりです。
低木(0m~3m未満):2,988円
中木(3m~5m未満):6,860円
高木(5m~7m未満):15,624円
高さが7m以上の場合……多くの業者では個別で見積りをしている
1m未満……2,166円
3m以上の場合……多くの業者では個別で見積りをしている
これらの費用相場は、植木の高さなどによって異なる場合があります。より詳細な費用を知りたいという場合は、見積りをとるなどして確認するようにしましょう。
費用の抑え方
剪定を業者に依頼するとき「費用をできるだけ抑えたい」と考えている方が多いと思います。少しでも費用を抑えたいのであれば、複数の業者に相見積りをしてもらいましょう。複数の業者を比較することで費用相場がわかり、またサービス内容も自分に合った業者と出会うことができます。
相見積り以外にも剪定で出たゴミを自分で処分したり、オプションを外したりすることで費用を抑える方法もあります。どうしても「業者に依頼するのは高い」と思われる場合は、シルバー人材センターを利用するのも1つの手段です。
※1 対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。※2 手数料がかかる場合がございます。一部加盟店・エリアによりカードが使えない場合がございます。
月桂樹の育て方
月桂樹を育ててみたいと思う方のために、苗の入手方法や植え付け時期、お手入れ方法などをご紹介します。また今、月桂樹を育てていて挿し木に挑戦してみたいという方のために挿し木での増やし方もご紹介しますので、参考にしてみてください。
苗の入手方法
ホームセンターや園芸店などで手軽に購入することができます。大きめの苗木を選べば、早くに葉を収穫することも可能です。インターネットのショップでも購入することができます。
植え付けの時期と方法
あたたかい春ごろの4~5月が植え付ける時期に適しています。月桂樹は土質をとくにこだわることなく植え付けることが可能です。土づくりをおこなう場合は、水はけのよい土にすると元気に育ってくれます。植え付けの際は、苗が弱ってしまうのを防ぐために根に触れないように注意しましょう。
植えたあとの手入れ方法
●水やり
地植えの場合の水やりは根付くまでの期間、土が乾いてきたらたっぷり与えます。与えすぎは根が腐ってしまうので、様子をみながら調整してください。鉢植えの場合は、土が乾いたら水を与えます。
●肥料
地植えの場合は、2月ごろに寒肥として油かすなどが入った有機質肥料を株から少し離れた場所に与えます。鉢植えの場合は、鉢の大きさをみながら調整してください。
●植え替え
月桂樹は植え替えや移植を苦手とする植物なので、根を傷つけないように注意しながら作業をします。鉢植えの植え替えをするときは、一回り以上の鉢を選ぶようにしましょう。
月桂樹は挿し木で増やせる
月桂樹は挿し木で数を増やすことができます。適切な時期や方法などを知って、月桂樹を増やしてみましょう。ここでは鉢植えでおこなう挿し木の方法をご紹介します。
●適した時期
6~8月のあたたかい時期におこなうと、根付きがよいです。
●必要なもの
- 挿し木に使う月桂樹の枝
- 挿し木用の土
- 鉢やプランター
- 水揚げ用の容器(コップやバケツ)
●挿し木の手順
1.枝を10~15センチメートルほどの長さにして、葉が3~4枚ほど残るように取り除きます。その後、枝の切り口を1時間ほど水につけて、水分を与えておきましょう。
2.挿し木の水分を拭き取ったあと、発根促進剤を切り口へ塗ります。塗ることで栄養や水分を吸収しやすくなるので、挿し木の成功率があがります。
3.用意しておいた土が入った鉢に枝を挿し込んでいきます。枝を差し込んだあとは、あたたかい場所に置きます。鉢植えの土が乾かないように定期的な水やりを忘れないようにしましょう。
月桂樹は使い道が豊富
月桂樹の葉はハーブとして料理に使ったり、防虫などに利用したりすることができます。月桂樹は活用方法が豊富です。おもな活用方法をご紹介します。
料理・ハーブ
月桂樹は「ローリエ」とも呼ばれ、料理にも使用されています。たとえば、カレーやスープなどの煮込み料理、お肉料理などで臭み消しとして使われていることが多いです。また、ピクルスを作るときにも香り付けとして活用されています。煮込み料理で月桂樹(ローリエ)を使う場合は、長時間煮込むと苦みが出てくるので煮込みすぎは注意しましょう。
月桂樹(ローリエ)乾燥方法
月桂樹(ローリエ)の葉はそのままだと少し苦みがありますが、乾燥させることで苦みがなくなり香りが柔らかくなります。収穫した月桂樹(ローリエ)の葉の乾燥方法をみていきましょう。
●乾燥方法
- 収穫した月桂樹(ローリエ)をきれいに洗う
- 洗った月桂樹(ローリエ)の水気をとる
- 風通しのよい場所で1~2週間ほど乾燥させる
乾燥させる際は、梅雨などの湿気の多い時期はカビが発生しやすいため避けた方がよいです。1~2週間ほど乾燥させた月桂樹(ローリエ)を保存する際は、食用乾燥材を入れた瓶または密閉袋などに入れてください。
防虫・防腐効果
月桂樹は、料理としてだけではなく防虫や防腐効果としても利用されます。食品(米びつなど)や衣類などに乾燥させた月桂樹の葉を使用することで、食品や衣類を虫から守ることができます。
まとめ
月桂樹は剪定に適した時期、正しい方法でおこなうことで元気に育ってくれます。また、料理や消臭など使い方が豊富な月桂樹(ローリエ)は挿し木で増やすことが可能です。月桂樹を増やしたい方は挿し木に挑戦してみるのもよいでしょう。
剪定は自分でもできる作業ですが、よりきれいな仕上がりにしたい場合はプロである業者に依頼するのが安心です。業者選びに困ったときは、見積りを複数社からとることで自分の要求に合った業者と出会うことができます。
弊社では無料見積り※をしてくれる業者をご紹介しております。24時間365日、対応していますのでお気軽にお電話でご連絡ください。
※対応エリア・加盟店・現場状況等により記載内容の通りには対応できない場合がございます。